ホーム > CPRC >

内部向けイベント

>

ワークショップ

>

第114回ワークショップの概要

第114回ワークショップの概要

 第114回ワークショップが3月23日(金曜)に開催されました。報告等の概要は以下のとおりです。

「占有率リベートの反競争性に関する分析」の最終報告

報告者
 (北村紘CPRC客員研究員・札幌学院大学経済学部准教授)
 (大久保直樹CPRC主任研究官・学習院大学法学部教授)
 (内野雅美CPRC研究員・取引調査室長)
 (鈴木隆彦CPRC研究員・経済調査室)

 平成23年度の共同研究の一つである本研究は,占有率リベートの競争事業者の排除効果のほか,占有率リベートが市場に与える様々な効果を検証することを目的とするものです。
 今回のワークショップにおいては,報告者から,本研究の問題意識及び報告書の骨子について報告がありました。
 報告を受け,参加者から,占有率リベートにはライバルの排除効果以外の効果に着目するとの説明であったが,リベートを導入することによりライバル会社の商品の需要が減るという効果は排除効果と捉えているのかとのコメントがなされました。これに対し,本研究の経済学パートにおいては,市場からライバル会社を退出させることを排除としており,商品の需要が減るだけでは排除とは捉えていないとの回答がなされました。これについて,参加者から,独占禁止法上はライバル会社を市場から退出させる場合のみを排除というわけではないとのコメントがなされました。
 また,参加者から,最後の政策インプリケーションとして,占有率リベートの反競争性について議論する際には川下市場の競争状況や二重マージン(注)の程度にも注目すべきであるとの説明であったが,報告書ではどのような川下市場であれば占有率リベートが問題となり得るということが具体的に記載されるのか質問がなされました。これに対し,川下市場における事業者の数や取引先の変更のしやすさなどの川下市場の競争状況が大事な要素であると考えているので,報告書ではどのような競争状況かをきちんと記載したいのとの回答がなされました。

 (注)垂直統合における複数段階の市場において競争が不完全なとき,それぞれの市場においてメーカー及び小売店により限界費用を上回る価格設定がなされるため,価格は二重に限界費用を上回る。これに伴い,生産量(=販売量=消費量)は完全競争均衡に比べ二重に過小になる。これを二重マージンの問題という。

ページトップへ