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第117回ワークショップの概要

第117回ワークショップの概要

 第117回ワークショップが4月13日(金曜)に開催されました。報告等の概要は以下のとおりです。

 「低価格入札に関する研究」の最終報告

 報告者
 (鈴木彩子 前CPRC客員研究員・早稲田大学国際教養学部講師)
 (大久保直樹 CPRC主任研究官・学習院大学法学部教授)
 (塚田益徳 CPRC研究員・第二上席)
 (高橋理人 CPRC研究員・第二上席)
 (荒井弘毅 CPRC次長)
 (工藤恭嗣 CPRC研究員・経済調査室)

 平成23年度の共同研究の一つである本研究は,低価格入札調査制度及び最低制限価格制度が設けられている理由,低価格入札(安値応札)が社会的厚生へ与える影響の分析,安値応札の系統的な分析方法の提案を目的としています。
 今回のワークショップにおいては,報告者から,はじめに,低価格入札調査制度及び最低制限価格制度の概要について説明がなされました。次に,法学の観点から事業者が発注物件の受注に必要なリソースを既に持っており,これを転用して低価格で入札した場合の考え方について説明がありました。続いて,経済学の観点から,安値応札と言っても経済厚生に悪影響のある戦略的な入札の場合と悪影響のない合理的な入札の場合があり,それら識別して規制する必要がある旨説明がなされ,最後に,我が国の都道府県及び市区町村の平均落札率を使用して行った,低価格入札調査制度及び最低制限価格制度が持つ平均落札率への効果に関する実証分析の結果について説明がなされました。
 報告を受けて,参加者から,我が国で不当廉売として問題にされた事例をみると,経済厚生に悪影響のない合理的な入札のうちの連続役務付随型に該当すると考えられるものが含まれるのではないかとの質問がなされ,報告者から,事例によってはそのように考えられるものがあり,公正取引委員会が発注者側に発注方法の改善を促した事例もあるとの回答がなされました。
 最後に,参加者から,ある事業で使用した資源を他の事業に転用する場合に,共通費用とそうでない費用等,転用した資源に関する原価の認定が論点の一つとなりそうであるとのコメントがなされました。

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