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第28回ワークショップの概要

第28回ワークショップの概要

 第28回ワークショップが11月4日(金曜)に開催されました。報告等の概要は以下のとおりです(かっこ内は担当客員研究員及び研究員を表す。)。

(1)「日本のバイオテクノロジー分野におけるリサーチ・ネットワーク-イノベーションにおける競争と協調-」の中間報告
 (CPRC主任研究官・一橋大学大学院経済学研究科助教授 岡田 羊祐 氏)
 (日本学術振興会特別研究員 中村 健太 氏)
 (競争政策研究センター研究員 藤平 章 氏)

 平成17年度の共同研究の一つである本研究では,出願人属性(法人・大学・政府機関等)を分類したバイオテクノロジー分野の特許データを用い,公的部門の役割に主に焦点を当てて,研究開発競争における産学官の連携のパフォーマンスを分析しています。今回のワークショップでは,今回分析のために構築したデータベースの内容,作成した説明変数,被説明変数とこれまでの分析経過について報告が行われました。
 これに対し,被説明変数としての特許の価値指標の選択,特許データを利用した社会的余剰の把握の実現可能性,ベンチャー企業・上場企業といった企業の性質に基づいた分析などについて議論が行われました。

(2)「マルティ・パーティー・ライセンスと競争政策」の中間報告
 (CPRC主任客員研究員・一橋大学イノベーション研究センター教授 長岡 貞男 氏)
 (CPRC客員研究員・大阪市立大学大学院法学研究科助教授 和久井 理子 氏)
 (東北大学大学院研究生(法学博士) 伊藤 隆史 氏)
 (競争政策研究センター研究員 原 一弘 氏)
 (競争政策研究センター研究員 西村 元宏 氏)
 (競争政策研究センター研究員 水野 由基 氏)

 平成17年度の共同研究の一つである本研究では,複数事業者が保有する補完的技術の利用促進機能をもつことから注目を集めているクロスライセンスやパテントプールを利用したライセンス(「マルティ・パーティー・ライセンス」)について,法学的な研究と経済学的な研究のインタラクションも視野に入れながら,判例・ガイドラインの分析,実際のデータを利用した実証的研究を行うこととしています。
 今回のワークショップでは,そのための準備として,米欧における特許ライセンス規制の動向及び米国の違反事例にみるクロスライセンス契約の評価について報告が行われました。
 この報告を踏まえ,米国におけるパテントミスユースの法理と反トラスト法上の違法性基準の関係及び日本における法運用への示唆,クロスライセンス契約に関する米国競争当局の評価などについて議論が行われました。

(3)「不公正な取引方法への有効な対処に係る検討」の共同研究計画
 (CPRC主任客員研究員・京都大学大学院法学研究科教授 川濱 昇 氏)
 (CPRC主任研究官・名古屋大学大学院法学研究科助教授 林 秀弥 氏)
 (慶應義塾大学経済学部助教授 玉田 康成 氏)
 (大阪大学大学院国際公共政策研究科助教授 石田 潤一郎 氏)
 (競争政策研究センター研究員 岩成 博夫 氏)
 (競争政策研究センター研究員 島袋 功一 氏)

 平成17年度の共同研究の一つである本研究は,不公正な取引方法に対する有効な対処方法を検討することを主たる目的として研究を行っています。今回のワークショップでは,今後の共同研究計画についての報告が行われました。
 これに関し,研究の第一段階として,不公正な取引方法における公正競争阻害性についての理論的整理を行うこととされ,同規制と私的独占との関係,排除行為・略奪行為の不当性についての考え方,排除行為の不当性に関し近時議論が盛んになっている忠誠型リベートと排他条件付取引についての経済分析に依拠した規制基準などについて議論が行われました。

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