ホーム > CPRC >

内部向けイベント

>

ワークショップ

>

第49回ワークショップの概要

第49回ワークショップの概要

 第49回ワークショップが7月27日(金曜)に開催されました。報告等の概要は以下のとおりです(かっこ内は担当客員研究員及び研究員を表す。)。

 テーマ(1)「広告表示等に対する消費者行動の分析-携帯電話の通話料金プラン選択等における購買意思決定-」の研究計画

 (法政大学経営学部教授 小川 孔輔 氏)
 (法政大学経営学部教授 竹内 淑恵 氏)
 (CPRC研究員・消費者取引課 粕渕 功 氏)
 (CPRC研究員・消費者取引課 向井 康二 氏)
 (CPRC研究員・消費者取引課 堀内 智一 氏)

 平成19年度の共同研究の一つである本研究では,消費者行動研究や広告効果測定の研究分野における理論を用いて,特定の商品(携帯電話)の表示等に対する消費者行動を分析し,(1)消費者はどのような広告表現等に対して誤認するのか,(2)どのような消費者(価値観,ライフスタイル等)が誤認しやすいのか,(3)誤認に対するブランドイメージ(信頼感等)の影響を検証し,誤認の発生メカニズムを明らかにすることにより,消費者の誤認を未然に防止することにつなげることを目的としています。
 今回の研究計画では,消費者行動研究及び広告効果測定に関する先行研究の報告,研究の手法(共分散構造分析の特徴等)を含めた研究計画の報告がなされた後,研究成果のイメージ,研究参加者の役割分担,研究スケジュール等の報告が行われました。
 この報告を受け,本研究における消費者の誤認とは何か,フレーミング効果にかかる問題意識,ラーニング効果のようなフィードバック機能の本研究における考え方,誤認の対象者は,新規顧客か既存顧客か,本研究における誤認に,他に自分にあった料金プランがあるのに携帯会社の都合のよい料金体系にされるといった誘導的なものまで含まれるのかといった議論が行われました。
 また,個人的には,広告を見た人の評価だけではなく,そういった誤認を生じさせるメカニズムを外から見て,望ましいメカニズムとは何かについてのプレディクションもあった方が望ましいといった意見が出されました。

 テーマ(2)「審査・審判における経験則・経済理論の活用」の最終報告

 (CPRC研究員 酒井 紀子 氏)
 (CPRC研究員 垣内 晋治 氏)

 平成18年度の共同研究の一つである本研究では,独禁法の違反行為にかかる経験則・経済理論(以下「経験則等」という。)のうち,審査審判手続における違反行為の事実認定等において利用していると思われる経験則等について,その内容及びそれが合理的であることを明らかにすることで,事実認定における推察過程を明確化することを目的としています。
 今回の最終報告では,経験則(訴訟及び審判における経験則),事実認定の経験則(事実認定における利用,判例・審決における具体例,間接事実による主要事実の推認等),法解釈と経験則(法解釈における利用,判例・審決における具体例等)について,報告が行われた後,中間報告の際に指摘を受けた入札談合及びカルテルのデータの検証について,平成元年で区切るのではなく,課徴金等を導入した昭和53年で区切った場合のデータの報告が行われました。
 この報告を受け,一定の取引分野,競争の実質的制限について,ハードコアカルテルにおける市場の画定及びその基準としての代替性にかかる経験則の問題,私的独占(排除の場合)における市場の画定にかかる経験則について,法律問題とそれ以外を区別するべきである等について議論が行われました。

ページトップへ