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第79回ワークショップの概要

第79回ワークショップの概要

 第79回ワークショップが10月16日(金曜)に開催されました。報告等の概要は以下のとおりです。

 「双方向市場の経済分析2」の共同研究中間報告

 (CPRC主任研究員・東京大学大学院経済学研究科准教授 大橋弘氏)
 (CPRC研究員・経済調査室 砂田充氏)

 平成21年度の共同研究の一つである本研究は,雑誌市場に着目し,双方向性を考慮することの意義を経済学的な観点から実証的に分析することを目的とするものです。
 今回のワークショップでは,報告者から,日本の雑誌市場のデータを用いて,双方向性を考慮した読者需要と広告需要の推定結果について報告が行われました。また,今後の研究の可能性として,日本の雑誌市場における共謀,雑誌市場の衰退などを考えていると説明されました。
 報告を受け,参加者から,雑誌の卸売市場は高度寡占であることや,雑誌市場では返品制度が重要な意味をもつと考えられるので,このような状況を考慮しているかという質問があり,報告者から,これらの問題を直接モデルに取り入れていないが,今後の分析で考慮するかは検討したいという説明がありました。また,雑誌市場の衰退を表す外生変数の値の意味についての質問があり,10年後に雑誌市場が30%縮小するような状況を想定した値であることが説明されました。さらに,再販制度を廃止した場合を仮想的に分析するために,独占的な書店を考えているが,このような仮定が妥当であるかという意見が出され,参入の可能性なども重要ではないかという議論がなされました。これらの議論の中で,報告者から,書店に関するデータの入手には限界があるので,今回の分析では独占的な書店で参入の可能性がない状態という極端なケースを扱ったが,より適切な分析方法は今後検討していきたいという説明がなされました。上記のコメントを受けて,報告者から,これらの内容をできるだけ反映させるように修正していきたいことが伝えられました。

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