ホーム > CPRC >

内部向けイベント

>

ワークショップ

>

第82回ワークショップの概要

第82回ワークショップの概要

 第82回ワークショップが11月6日(金曜)に開催されました。報告等の概要は以下のとおりです。

 「技術開発のインセンティブ分析」の共同研究中間報告

 (CPRC客員研究員・神戸大学大学院法学研究科教授 泉水文雄氏)
 (CPRC研究員・経済調査室 荒井弘毅氏)
 (CRPC客員研究員・大阪大学大学院国際公共政策研究科准教授 石橋郁雄氏)
 (CPRC客員研究員・大阪大学社会経済研究所准教授 松島法明氏)

 平成21年度の共同研究の一つである本研究は,非係争条項が川下企業の技術開発の誘因にどの様な影響を与えるのかに関して,経済学の理論的分析を行うことを目的とするものです。
 今回のワークショップにおいては,報告者から,現実の非係争条項の内容に関する説明を行った後,経済学の理論的なモデルに基づいた分析結果の報告が行われました。また,今後の分析の方向性についても説明がなされました。
 報告を受け,参加者から,川下企業の開発の影響により川上企業の限界費用が削減される場合,川下の開発により卸売価格が下がるので,小売価格も減少し消費者余剰は増加することが予想される。このような結果を得る理由として重要な点は,川下企業の開発の影響が川上企業に直接伝わることであるのかという質問があり,報告者からそのとおりであるとの説明がありました。また,参加者から,川上企業が非係争条項を用いることによって,侵害訴訟を起こされなくなるという主張は,本研究によって正当化されるのかという質問に対して,報告者から,この条項はすべての企業に利益をもたらすという意味において,そのような訴訟は起こりにくくなるのではないかという説明がありました。参加者からのコメントとして,ライバル川下企業の開発の影響がどの程度波及するのかに依存して,開発規模はどのように変化するのかを分析してはどうかというものや,川上企業は価格差別を行う場合も分析してはどうかというものがありました。上記のコメントを受けて,報告者から,これらの内容をできるだけ反映させるように修正していきたいという説明がなされました。

ページトップへ