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第94回ワークショップの概要

第94回ワークショップの概要

 第94回ワークショップが5月28日(金曜)に開催されました。報告等の概要は以下のとおりです。

 「企業の提携・部分的結合に関する研究」の共同研究最終報告

 (CPRC客員研究員・ニューサウスウェールズ大学准教授 森田 穂高氏)
 (CPRC研究員・経済調査室 荒井 弘毅氏)
 (CPRC研究員・経済調査室 西村 元宏氏)

 平成21年度の共同研究の一つである本研究は,企業の提携・部分的結合に関して,経済理論および法学理論的な分析を行うとともに,東証1 部上場企業約1700 社に対する実態調査を行い,理論・実証分析の結果を踏まえて競争政策上の提言を行うことを目的とするものです。
 今回のワークショップにおいては報告者から,報告書の概要として提携企業間の知識・技術の移転と部分的結合との関係を入れ込んだ経済理論モデル,株式一部保有をめぐる競争法上の論点及び本研究で展開した理論的枠組を踏まえて行った質問票を用いた実態調査と,実態調査に基づいて行った個別企業訪問調査の結果について説明がなされました。
 報告を受け,参加者からは企業が資本提携を行う理由は何なのかとの質問があり,報告者からは資本提携先の企業からコミットメントを得るためであるが,コミットメントが具体的にどういう事柄を指すのかは企業ごとに異なるとの回答がありました。
 また,実態調査では合併ではなく提携を選んだ理由は聞いているのかとの質問があり,理由は聞いていないものの,提携のメリットとして,合併の際に生じるリスクを下げられる,提携先の変更が容易及び独立性が維持できる等のアンケート結果が出ているとの説明がなされました。
 さらに,本研究で用いた経済理論モデルでは,部分的結合の度合いと技術移転の有無に関して同時決定するものとなっているのではないかとの質問があり,技術移転が実際に起こるまでは部分的結合の決定からは時間がかかることを,モデル上では部分的結合の度合いをStage1で,技術移転の有無をstage2で決定するという段階を分けたモデルにすることで表現しているとの説明がなされました。

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