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独占禁止法第11条の規定による銀行又は保険会社の議決権の保有等の認可についての考え方

平成14年11月12日
公正取引委員会
改正:平成18年4月27日
改正:平成18年5月1日
改正:平成19年9月30日
改正:平成22年1月1日

 銀行業又は保険業を営む会社(以下「銀行又は保険会社」という。)による他の国内の会社(独占禁止法(私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(昭和22年法律第54号)。以下「法」という。)第10条第3項に規定する「他の国内の会社」をいう。以下同じ。)の議決権の取得又は保有(以下「保有等」という。)については,銀行又は保険会社による事業支配力の過度の集中等を防止し,公正かつ自由な競争を促進する観点から,法第11条により,その総株主の議決権の5%(保険会社の場合は10%。以下同じ。)を超えて保有等することが禁止されている(同条第1項)。
 他方,銀行又は保険会社は,事業の性格上又は債権保全の一環として,このような制限を超えて議決権を保有等する必要があり,かつ,事業支配力の過度の集中等をもたらすおそれのないような場合も考えられることから,法第11条第1項第1号から第6号に規定されている特定の場合及び同項ただし書の規定によりあらかじめ公正取引委員会の認可を受けた場合は,例外的に5%を超えて議決権を保有等できることとされている。
 また,法第11条第1項第1号から第3号まで及び第6号に該当する議決権の保有等については,1年を超えて保有しようとするときは,同条第2項の規定によりあらかじめ公正取引委員会の認可を受けなければならない(注1)。法第11条第1項及び第2項の規定による公正取引委員会の認可についての考え方は以下のとおりである。
 なお,この「考え方」は,平成14年11月28日から適用し,「独占禁止法第11条の規定による金融会社の議決権の保有等の認可についての考え方」(平成14年3月26日 公正取引委員会)は,廃止する。
 (注1) 法第11条第1項第3号の場合にあっては,当該議決権を取得し,又は保有する者以外の委託者又は受益者が議決権を行使することができる場合及び議決権の行使について当該委託者又は受益者が受託者に指図を行うことができる場合を除く。以下同じ。

第1 法第11条第1項ただし書の規定による認可

1 法第11条第1項ただし書の規定による認可

 銀行又は保険会社が他の銀行又は保険会社と合併等することにより他の国内の会社の総株主の議決権の5%超の議決権を保有等することとなる場合には,原則として,合併等の効力が生ずる日までに5%を超える部分の議決権を処分しなければならない。ただし,以下の(1)から(3)のいずれかに当たる場合には,法第11条第1項ただし書の規定により一定の期限(注2)を付して認可することとする。

(1) 認可を申請する銀行又は保険会社(以下「申請会社」という。)により総株主の議決権の5%超の議決権を保有等されることとなる他の国内の会社(以下「株式発行会社」という。)の業績が不振であり,申請会社が株式発行会社の総株主の議決権の5%超の議決権を保有等することが,株式発行会社の信用を維持するために必要であると認められる場合(株式発行会社が清算中又は清算予定である場合を含む。)

(2) 申請会社は,その保有等する株式発行会社の議決権のうち5%を超える部分に相当する株式を市場で売却することとしているが,超過額が大きく,市場での売却に相当の期間を要すると考えられる場合

(3) 株式発行会社の株式が上場されていない等株式発行会社側の状況により,申請会社がその保有等する株式発行会社の議決権のうち5%を超える部分に相当する株式を市場で売却することが困難であり,相対で株式を売却しなければならない場合であって,超過額が大きく,売却に相当の期間を要すると考えられる場合(条例等により株式の譲渡制限がある場合を含む。)

 (注2) 一定の期限については,上記(1)から(3)等の個別の事項を考慮して検討するが,この期限までの期間は5年を限度とし,この期間が1年を超える場合には,原則として中間期まで(中間期までの期間が1年以下の場合は1年以内)にその保有等する株式発行会社の議決権のうち5%を超える部分の2分の1以上に相当する株式を処分するものとする。

2 上記1に該当しない申請については,次の点を考慮して,個別に認可の可否を検討することとする。

(1) 申請会社による議決権の保有等の必要性

(2) 当該議決権の保有等による申請会社の事業支配力増大のおそれの有無及びその程度

(3) 株式発行会社の属する市場における競争への影響

第2 法第11条第2項の規定による認可

1 法第11条第2項の規定による認可は,同条第1項の適用除外議決権のうち,同項第1号から第3号まで及び第6号に該当する議決権の保有等であって,申請会社が当該議決権につき1年を超えて保有等しようとする場合になされるものであり,具体的には次の株式の取得又は所有(以下「所有等」という。)に係る議決権の保有等が対象となる。

(1) 担保権の行使による株式の所有等(第1号)

(2) 代物弁済の受領による株式の所有等(第1号)

(3) 自己の株式の取得(第2号)

(4) 信託財産としての株式の所有等(第3号)

(5) 他の国内の会社の事業活動を拘束するおそれがない場合として公正取引委員会規則で定める場合(第6号)

2 信託財産については,委託者又は受益者の利益のために管理されており,また,信託勘定と銀行勘定の分別管理が義務付けられていることから,申請会社が信託財産として株式を所有等することにより,議決権を保有等する場合(当該議決権を取得し,又は保有する者以外の委託者又は受益者が議決権を行使することができる場合及び議決権の行使について当該委託者又は受益者が受託者に指図を行うことができる場合を除く。)であって,次の(1)から(3)のすべてに当たるものは,一定の期限(注3)を付して認可することとする。

(1) 株式発行会社の総株主の議決権に占める信託財産として所有等する株式を除く株式に係る保有等する議決権の割合が5%以下であること。

(2) 株式発行会社の総株主の議決権に占める信託財産として所有等する株式(当該株式を取得等することにより,議決権を保有等する場合であって,当該議決権を取得し,又は保有する者以外の委託者又は受益者が議決権を行使することができるもの及び議決権の行使について当該委託者又は受益者が受託者に指図を行うことができるものを除く。)に係る議決権を含む保有等する議決権の割合が10%以下であること。

(3) 信託財産として所有等した株式に係る議決権について,銀行勘定に係るものとは別個に行使し,かつ,これを担保するための社内体制の整備がされていること。

 (注3) 一定の期限については,所有等した株式の資産運用の目的,状況等の個別の事項を考慮して検討することとなるが,原則として5年以内の期限を付して認可を行うこととする。

3 債務の株式化に係る議決権の保有等については,「債務の株式化に係る独占禁止法第11条の規定による認可についての考え方(平成14年11月12日 公正取引委員会)」による。

 (注4) 会社更生法の規定に基づく更生計画の定めによる株式の取得に係る議決権の保有等についても,同様である。

4 上記2又は3に該当しない申請については,次の点を考慮して,個別に認可の可否を検討することとする。

(1) 当該議決権に係る株式の処分が困難であることの理由

(2) 当該議決権の保有等による申請会社の事業支配力増大のおそれの有無及びその程度

(3) 株式発行会社の属する市場における競争への影響

5 なお,法第11条第2項の規定による認可のうち,同条第1項第1号,第2号及び第6号に係るものについては,「速やかに処分することを条件としなければならない」(同項後段)とされていることから,原則として1年以内の期限を付して認可を行うこととする。

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