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(平成10年度:事例12)住友生命保険相互会社による特定目的会社の持分取得

(平成10年度:事例12)住友生命保険相互会社による特定目的会社の持分取得

1 本件の概要

 住友生命保険相互会社(以下「住友生命」という。)は,資産運用の一環として,平成10年9月1日に施行された「特定目的会社による特定資産の流動化に関する法律」(平成10年法律第105号)に基づき設立されたネットワーク・キャピタル特定目的会社(以下「特定目的会社」という。)に出資し,特定目的会社が発行する優先出資証券の全部を購入することにより,同社の特定目的会社に対する出資が10%を超過することとなるため,当委員会に対し,法第11条第1項ただし書の規定による認可申請を行ったものである。

2 独占禁止法上の考え方

 事例11のとおり,公正取引委員会は,法第11条第1項ただし書の規定に基づく認可をどのような場合に行うかについて,11条ガイドラインを公表し,認可についての考え方を明らかにしている。
 特定目的会社による特定資産の流動化に関する法律の規定に基づく資産流動化業務は,市場において各種の証券を発行して不動産,金銭債権等の特定資産を取得し,これらの証券を市場に流通させることによって一般投資家によるこれらの証券に対する投資を容易にするものであることから,11条ガイドラインの認可類型として掲げられた「金融会社固有の業務に準ずる業務」のうち,取引形態が金融取引に類似している業務に該当すると判断した。
 このため,以下の2つの場合に該当しない限り認可を行うこととなるが,住友生命及び特定目的会社の株式保有状況からすれば,本件取得は下記(1)又は(2)のいずれにも該当しないと考えられたことから,第11条第1項ただし書の規定に基づいて認可するのが相当であると判断した。

(1) 9条ガイドラインにおける「事業支配力が過度に集中すること」の考え方に照らして,申請会社,株式発行会社及び申請会社が株式の所有により事業活動を支配している国内の会社の事業支配力が過度に集中することとなること

(2) 申請会社又は株式発行会社の株式保有により一定の取引分野における競争を実質的に制限することとなること

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