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(平成10年度:事例3)リンナイ(株)及び(株)ガスターによるガス給湯器の販売事業の統合(平成11年3月営業譲受け届出受理,4月営業譲受け)(新会社名 アール・ジー(株))

(平成10年度:事例3)リンナイ(株)及び(株)ガスターによるガス給湯器の販売事業の統合(平成11年3月営業譲受け届出受理,4月営業譲受け)(新会社名 アール・ジー(株))

1 本件の概要

 本件は,ガス機器メーカーであるリンナイ(株)(以下「リンナイ」という。)とガス給湯器メーカーであり,東京ガス(株)(以下「東京ガス」という。)の子会社である(株)ガスター(以下「ガスター」という。)が,共同で出資して設立する会社(以下「合弁会社」という。)に,両社の首都圏(埼玉県,千葉県,東京都及び神奈川県)の管建材メーカー及び都市ガス会社(東京ガスを除く。)向けについてのガス給湯器の販売事業を譲渡し,これを統合しようとするものである。

2 独占禁止法上の考え方

(1) 一定の取引分野

ア 商品範囲

 ガス給湯器のうち,リンナイ及びガスター両社が製造・販売しているものには風呂・給湯器と瞬間式給湯器があるが,風呂・給湯器と瞬間式給湯器とでは,風呂を沸かす機能があるか否かという点で大きな差異があることから,それぞれに一定の取引分野が成立すると判断した。

 (注) 風呂・給湯器: 専ら風呂を沸かす風呂釜と,風呂を沸かすとともに洗面所,台所等に給湯する機能のある複合器がある。
 瞬間式給湯器: 洗面所,台所等複数の蛇口から給湯できる先止式給湯器と,台所等で使用されるいわゆる瞬間湯沸器の元止式給湯器がある。

イ 地理的範囲

 共同販売会社の販売地域が首都圏であるため,首都圏における風呂・給湯器及び瞬間式給湯器の販売分野に一定の取引分野が成立すると判断した。

(2) 競争への影響

 以下の事情を総合的に勘案すれば,(1)において画定したいずれの取引分野においても,競争を実質的に制限することとはならないと判断した。

ア 風呂・給湯器

 合弁会社の販売シェアは,首都圏において約40%かつ第1位となる。
 しかしながら,風呂・給湯器については,全国的に販売を行っている有力な競争業者が複数存在する。また,ガスターの主力製品は,旧タイプの風呂釜であるため,需要が減少傾向にあり,風呂・給湯器の需要の主流は複合器に移行しているところ,同商品の販売分野では合弁会社よりもシェアが高い有力な競争業者が存在している。

イ 瞬間式給湯器

 合併新会社の販売シェアは,首都圏において約35%かつ第1位となる。
 しかしながら,ガスターは瞬間式給湯器のうち元止式給湯器については,専ら東京ガスに販売しており,管建材メーカー及び都市ガス会社等向けへの販売は行っていない。また,瞬間式給湯器の需要は元止式給湯器から先止式給湯器に移行しており,先止式給湯器の販売分野ではシェアが合弁会社と同程度の有力な競争業者が存在している。

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