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(平成13年度:事例2)三井海上火災保険(株)と住友海上火災保険(株)の合併

1 本件の概要

(1) 本件統合の概要

 本件は,三井海上火災保険株式会社(以下「三井海上」という。)及び住友海上火災保険株式会社が,損害保険業界における経営環境が急速に変化する中,効率化と競争力強化を図るため,三井海上を存続会社として合併するものである(新会社の名称は「三井住友海上火災保険株式会社」)。

(2) 損害保険市場の状況について

 平成7年以降,保険業法等の改正が行われ,損害保険市場における自由化が進んでおり,次のような状況がみられる。

 保険料率の自由化や外資系保険会社及び他業種からの新規参入に伴い,価格競争が活発化するとともに,保険商品の多様化やサービスの向上が進んでいる。

 従来の損害保険代理店経由の保険商品の取扱いとは別に,電話やインターネットを利用した通信販売による保険商品の取扱いが増加し,それに伴い,外資系保険会社等が大きく実績を伸ばしている。

 従来の生命保険及び損害保険のいずれにも属さない傷害保険等の第三分野については,生損保の枠を超えた保険会社間の競争が行われることで,競争の一層の活発化が見込まれる。

2 独占禁止法上の考え方

(1) 一定の取引分野

 損害保険市場については,損害保険全体について一定の取引分野が成立するほか,提供される保険の内容等を踏まえて,保険種目ごと(火災保険,海上・運送保険,自動車保険,傷害保険,自賠責保険及び賠償責任保険)にも一定の取引分野が成立すると判断した。

(2) 競争への影響の検討

 本件合併による国内損害保険会社ベースでの損害保険全体における合算シェアは15%強で,その順位は第2位となるほか,損害保険の種目ごとにみると,火災保険(約15%),海上・運送保険(25%強)及び傷害保険(約20%)において第1位となる(その他は第2位又は第3位)ことから,これらの分野について慎重に検討を行った。
 さらに,他の損害保険会社が統合を予定していることから,上位会社の集中度が高まることとなる。
 検討の結果,以下のア及びイの事情等を総合的に勘案すれば,上記2(1)で画定したいずれの取引分野においても,競争を実質的に制限することとはならないと判断した。

 損害保険全体としては次のような状況が認められる。

(ア) 当事会社以外に,大手損害保険会社が有力な競争業者として存在するほか,生命保険会社,外資系保険会社及び他業種企業が新規に参入していること

(イ) 損害保険会社各社が保険商品開発競争を行い,多様なサービス内容の保険商品を提供しているほか,保険料率の自由化等により,損害保険市場における価格競争が活発化していること

(ウ) 通信販売による販売チャネルを用いて,外資系保険会社等が大きく業績を伸ばしていること

 火災保険,海上・運送保険及び傷害保険の分野においては,上記の状況に加え,以下の状況が認められる。

(ア) 火災保険については,協同組合が提供する火災共済が競争圧力となっていること

(イ) 海上・運送保険については,契約主体が海運会社又は運送会社であり,損害保険会社に対する交渉力が強く,契約先を変更することも容易であること。また,海上保険については,海外で付保するケースも多く,外国の保険会社からの競争圧力があること

(ウ) 傷害保険については,生命保険会社(損害保険子会社)や外資系保険会社が販売活動を強化しており,今後,競争の一層の活発化が見込まれること

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公表事例において隣接市場からの競争圧力の有無について検討を行った例

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