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(平成15年度:事例3)松下電工(株),松下電工外装(株)及び(株)クボタによる屋根材及び外壁材事業の統合について

第1 本件統合の概要

 本件は,松下電工外装株式会社(以下「松下電工外装」という。)(注1)を承継する会社として,松下電工株式会社(以下「松下電工」という。)の屋根材及び外壁材の販売部門並びに株式会社クボタ(以下「クボタ」という。)の同商品の製造販売部門を吸収分割するというものである。
 なお,本件は,当事会社が本件事前相談時に,経済産業省に対して産業活力再生特別措置法に基づく共同事業再編計画に係る認定申請を行っていた事案であるが,迅速審査類型(参考参照)のいずれにも該当しなかった。
 本件の関係法条は,独占禁止法第15条の2である。

(注1) 松下電工外装は,松下電工が販売する屋根材及び外壁材を製造する松下電工の100%子会社である。吸収分割後は,松下電工及びクボタが松下電工外装の株式を50%ずつ保有する。

第2 屋根材及び外壁材について

1 屋根材について

 屋根材は,材質・製法により,粘土瓦(注2),新生瓦(注3),厚型スレート,シングル材(アスファルト製屋根材)及び金属屋根材に分類され,住宅(居住に供する建物)及び非住宅(低層工場,店舗,倉庫等)で使用されている。使用に際しては,どの屋根材でも実質的な差がないものの,新生瓦と粘土瓦については,「瓦」としての機能,効用が同じであり,主として住宅用屋根材の分野において使用されている。
 なお,両当事会社が製造している屋根材は,新生瓦である。

(注2) 粘土瓦:古くから全国各地で生産されているが,重く割れやすいため生産地の近隣で消費されていた。近年は,薄型軽量で施工が容易な「平板瓦」と呼ばれる粘土瓦が開発され,全国規模で流通するようになっている。

(注3) 新生瓦:戦後開発された薄型のスレート瓦(セメント瓦)の総称。粘土瓦よりもコストパフォーマンスがよく,施工が容易で地震に強いことなどから出荷数量を伸ばしてきた。しかし,近年は,平板瓦が開発されたことなどにより需要が落ち込んでいる。

2 外壁材について

 外壁材は,材質及び製法により,窯業系サイディング,押出成形セメント,ALC(気泡コンクリート),金属サイディング及び外装タイルに分類され,屋根材と同様,住宅及び非住宅で使用されている。また,住宅用外壁材の分野においては,従来工法と呼ばれているモルタル吹付け工法も広く採用されている。
 なお,両当事会社が製造している外壁材は,窯業系サイディング(注4)である。

(注4) 窯業系サイディング:セメント,パルプ等を主原料とした外壁材。高級感が表現できて施工が容易なため,主として住宅用外壁材の分野で使用されている。

第3 独占禁止法上の考え方

1 一定の取引分野

(1) 屋根材

 当事会社は,新生瓦を製造販売しているが,需要家からみた際,他の屋根材のうち粘土瓦が新生瓦と機能・効用が同一であり,両製品の価格差も小さいことが認められた。新生瓦及び粘土瓦は,主として住宅用屋根材の分野において用いられていることから,住宅用新生瓦及び粘土瓦について一定の取引分野が成立すると判断した。

(2) 外壁材

 当事会社は,窯業系サイディングを製造販売しているが,需要家からみた際,他の外壁材は,窯業系サイディングとは主たる用途が異なること,窯業系サイディングは主として住宅用外壁材の分野において用いられていることから,住宅用窯業系サイディングについて一定の取引分野が成立すると判断した。

<住宅用新生瓦及び粘土瓦>
順位 会社名 シェア
1 クボタ 約15%
2 松下電工 約10%
3 A社 約5%
  粘土瓦(注) 約65%
  その他 約5%
(1) 当事会社合算 約25%
  全体合計 100%
<住宅用窯業系サイディング>
順位 会社名 シェア
1 B社 約35%
2 松下電工 約20%
3 C社 約15%
4 クボタ 約10%
5 D社 約5%
6 E社 約5%
7 F社 約5%
  その他 約5%
(2) 当事会社合算 約30%
  全体合計 100%

 (注) 各産地のシェアを合計したものである。
 (出所:当事会社提出資料を基に当委員会にて作成)

2 競争への影響

(1) 市場の状況

 本件統合によって,住宅用新生瓦及び粘土瓦における当事会社の合算出荷数量シェア・順位は,約25%・第1位,住宅用窯業系サイディングにおける当事会社の合算出荷数量シェア・順位は,約30%・第2位となる。

(2) しかしながら,それぞれの取引分野において,以下の状況が認められる。

ア 住宅用新生瓦及び粘土瓦

(ア) 隣接市場からの競争圧力
 屋根材に関するJIS規格及び建築基準法の基準が改定されたことにより厚型スレート及びシングル材の需要拡大が見込まれること,各屋根材の価格帯が接近していること等から,屋根材における素材間競争が今後更に活発になると考えられる。

(イ) 需要家の価格交渉力
 実際の住宅建築で用いられる屋根材は,当事会社の販売先である住宅メーカー等が,意匠性,機能,価格等のバランスにより決定していること,屋根材メーカーは新設住宅着工戸数が減少している中で販売数量を確保するための営業活動が必要となっていることなどから,需要家の価格交渉力は強いと認められる。

イ 住宅用窯業系サイディング

(ア) 有力な競争者の存在
 統合後の市場においても,出荷数量シェアが10%を超える事業者が複数存在し,そのうち1社のシェア・順位は,約35%・第1位である。

(イ) 隣接市場からの競争圧力
 外壁材としては,押出成形セメント,ALC,金属サイディング等も一定の割合で住宅用に使われており,窯業系サイディングとの価格帯が接近している。また,従来工法であるモルタル吹付け工法は,住宅市場全体で約5%(一戸建て住宅では約15%)のシェアを有していることから,素材間競争が活発であると考えられる。

(ウ) 需要家の価格交渉力
 屋根材と同様,取引先である住宅メーカー等が,意匠性,機能,価格等のバランスにより使用する外壁材を決定していることから,需要家の価格交渉力は強いことが認められる。

3 結論

 以上の状況から,当事会社の説明を前提とすれば,前記第4,1で画定したいずれの取引分野においても,競争を実質的に制限することとはならないと判断した。

(参考)迅速審査類型
類型 HHI 合算シェア 競争者 その他
1,000未満 25%以下 -
-
1,800未満 25%以下 シェア10%以上の競争者が1以上 -
1,800未満 35%以下 シェア10%以上の競争者が2以上 -
-
-
シェア10%以上の競争者が1以上 企業結合によるHHI増加分が100未満
-
50%未満 - 当事会社の一方が破綻企業(又は破綻事業部門)であって,企業結合よりも競争に与える影響が小さいものの存在が認めがたい場合

 (注) HHI(ハーフィンダール・ハーシュマン指数)は,当該一定の取引分野における各事業者の市場シェアの2乗の総和によって算出される。

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公表事例において隣接市場からの競争圧力の有無について検討を行った例

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