このページの先頭ですサイトメニューここから
このページの本文へ移動
公正取引委員会
  • サイトマップ
  • 音声読み上げ・文字拡大
  • ENGLISH
  • 公正取引委員会について
  • 報道発表・広報活動
  • 相談・手続窓口
  • 独占禁止法
  • 下請法
  • CPRC(競争政策研究センター)
サイトメニューここまで

本文ここから

(平成16年度:事例9)ユーエムジー・エービーエス株式会社による日立化成工業株式会社からのASA樹脂事業の譲受けについて

第1 本件の概要

 本件は,ユーエムジー・エービーエス株式会社(以下「UMG」という。)が,日立化成工業株式会社(以下「日立化成」という。)から,ASA樹脂の販売事業を譲り受けることを計画しているものである。
 本件の関係法条は,独占禁止法第16条である。

第2 製品の概要

 ASA樹脂は,アクリルゴムにスチレンモノマー,アクリロニトリルを重合して製造される熱可塑性スチレン系樹脂であり,主に長時間の屋外使用による色の劣化を防ぐ耐候性に特徴があり,耐候性,耐薬品性などの特性が必要とされる自動車部品,建材等の成形品の原材料として多く使用されている。
 また,製造工程においてあらかじめ着色することや成形品への塗装も可能である。
 なお,ASA樹脂メーカー間における品質差はない。

第3 独占禁止法上の考え方

1 一定の取引分野

 用途ごとにASA樹脂に代替可能な樹脂は多数あるが,特性,価格等の面から,ASA樹脂の全般的な用途において代替可能な樹脂は存在しないため,ASA樹脂について,一定の取引分野が成立するものと判断した。
 また,地理的範囲は,全国市場として画定した。

2 市場の状況

 平成15年度におけるASA樹脂の市場規模は約60億円であり,過去数年間の国内販売数量は微増傾向にある。
 本件営業譲受けにより,ASA樹脂における当事会社の合算国内販売数量シェア・順位は約75%・第1位,上位3社累積シェアは約95%となるが,用途ごとに存在するABS樹脂等の各種代替樹脂を考慮すると,自動車部品のうちASA樹脂の使用割合が高い部品であっても,当該部品に用いられる各種樹脂に占めるASA樹脂の割合は約30~40%であり,この場合,当事会社のシェアは約20~30%程度と推定される。また,建材もASA樹脂の使用割合が高いものについてみても,当該建材に用いられる各種樹脂に占めるASA樹脂の割合は10%未満であり,この場合の当事会社のシェアも10%未満と推定される。

順位 会社名 シェア
1 UMG 約40%
2 日立化成 約35%
3 A社 約10%
4 B社 約10%
5 C社 5%未満
  輸入品 5%未満
  その他 5%未満
(1) 当事会社合算 約75%
  合計 100%

 (出所:調査結果を基に当委員会において作成)
 (注) 自社の関連会社で自家消費している場合があり,上記シェアは当該自家消費分を除いて算出したものである。

3 考慮事項

(1) 競争業者の存在

 シェア約10%のA社及びB社といった競争業者が存在する。

(2) 稼働率・供給余力

 競争業者は十分な供給余力があると認められる。

(3) 代替樹脂の存在について

 自動車分野,建材分野ともに塗装したABS樹脂等の代替樹脂が存在し実際にユーザーによる代替樹脂への切替えが行われている。
 また,代替樹脂メーカーには,ASA樹脂の国内販売量を十分賄える供給余力が存在し,代替樹脂への切替えは十分に行えるものと認められる。

(4) ユーザーの価格交渉力

 (1)直接のユーザーは,加工・部品メーカーであるところ,それらメーカーの納入先は自動車メーカー,建材メーカーであり,部品の仕様,価格などは自動車メーカー等の意向が強く働いていること,(2)ユーザーは,複数購買を基本とし,ASAメーカー間の技術差はなく,ASAメーカーには十分な供給余力があるためユーザーによる取引先変更は容易であると考えられること,(3)代替樹脂への切替えも行われていることを考えると,ユーザーは価格交渉力を有していると認められる。

第4 独占禁止法上の評価

1 単独行動による競争の実質的制限についての検討

 各社の製品には品質差はみられず,競争業者には十分な供給余力が認められる。また,代替樹脂が存在し切替えの事例も多数みられる。したがって,当事会社の単独行動により,一定の取引分野における競争を実質的に制限することとはならないと考えられる。

2 協調行動による競争の実質的制限についての検討

 ユーザーは複数購買を基本としており,価格動向などによっては,メーカーの切替え,代替樹脂への切替えが行われているため,ユーザーは価格交渉力を有していると考えられる。したがって,当事会社と他の競争業者が協調的行動をとることにより,一定の取引分野における競争を実質的に制限することとはならないと考えられる。

第5 結論

 以上の状況から,当事会社の提出資料等を前提とすれば,本件行為により,前記第3の1で画定した一定の取引分野における競争を実質的に制限することとはならないと判断した。

本文ここまで

サブナビゲーションここから

公表事例において隣接市場からの競争圧力の有無について検討を行った例

サブナビゲーションここまで

以下フッターです。

公正取引委員会 Japan Fair Trade Commission

〒100-8987 東京都千代田区霞が関1-1-1 電話 03-3581-5471(代表)
  • ご利用案内
  • 関連リンク
  • 所在地
Copyright © 2013 Japan Fair Trade Commission. All Rights Reserved.
フッターここまでこのページのトップに戻る