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(平成20年度:事例6) (株)十六銀行による(株)岐阜銀行の優先株式の取得

第1 本件の概要

1 本件の概要

 本件は,株式会社十六銀行(以下「十六銀行」という。)が,資本・業務提携の一環として,株式会社岐阜銀行(以下「岐阜銀行」という。)から優先株式を取得することを計画したものである。
 本件は,議決権のない優先株式の取得であり,独占禁止法第10条第2項に基づく株式所有報告書の提出が行われるものではないが,平成21年10月以降,普通株式に転換できる条項が付されており,仮に普通株式への転換が行われた場合には,十六銀行は,最大で50%超の議決権を保有することとなることから,当委員会として審査を行ったものである(ただし,当事行が普通株式に転換することを決定しているものではない。)。
 なお,現在,岐阜銀行の筆頭株主は,株式会社三菱東京UFJ銀行(以下「三菱東京UFJ銀行」という。)であり(議決権保有比率21.1%),第2位の株主(同4.8%)との格差も極めて大きいなど,三菱東京UFJ銀行と岐阜銀行との間に結合関係が形成されていると認められることから,三菱東京UFJ銀行を含めて本件の審査対象とした。
 関係法条は,独占禁止法第10条である。

第2 一定の取引分野

1 役務の概要

 当事行は銀行業を営む事業者であり,貸出,預金等の業務に係る役務を提供している。

2 一定の取引分野の画定

(1)役務の範囲

 貸出業務及び預金業務のそれぞれについて,一定の取引分野が成立すると判断した。

(2)地理的範囲

 十六銀行及び岐阜銀行は,主として岐阜県を事業地域としていることから,両行の競合する岐阜県全体において一定の取引分野が成立すると判断した。
 また,地域経済の実態等からみて,岐阜県内の地域別にも一定の取引分野が成立すると判断した。

第3 本件企業結合が競争に与える影響の検討

1 貸出業務

(1)岐阜県全体の市場

 岐阜県全体の市場については,水平型企業結合のセーフハーバーに該当することから,本件行為により,一定の取引分野における競争を実質的に制限することとはならないと判断した。

(2)岐阜県内の地域市場

 一般的に,貸出業務において,借り手側は自己の経済的活動範囲内に店舗等が所在する金融機関から借入れを行う傾向にあるところ,そのような経済圏の範囲で一定の取引分野が成立すると考えられる。
 そのうち,岐阜市を中心とする各務原市,羽島市等の6市3町の地域の経済圏(以下「岐阜中心部経済圏」という。)及び多治見市を中心とする中津川市,土岐市等の5市の地域の経済圏(以下「東濃経済圏」という。)以外の経済圏については,水平型企業結合のセーフハーバーに該当することから,岐阜中心部経済圏及び東濃経済圏の2つの経済圏について,それぞれ,重点的に審査を行った。

ア 岐阜中心部経済圏

(ア) 市場規模
 平成20年3月時点の岐阜中心部経済圏における貸出残高は約3兆1000億円である。
(イ) 市場シェア・HHI
 本件企業結合により,両行の合算シェア・順位は約40%・第1位となる。
 また,本件企業結合後のHHIは約2,400,HHIの増分は約500である

(ウ) 競争事業者の存在
 10%以上のシェアを有する有力な競争事業者が複数存在する。

(エ) 競争の状況
 多数の競争事業者が存在し,個人向けの貸出については住宅ローン,教育ローン等の各種商品を販売し,法人向けの貸出については法人側が複数の金融機関から条件の提示を受け自己にとって最も有利な金融機関から融資を受けるようにしたり,金融機関側が法人に対して新規取引の申出や新たな融資の提案を行っているなど活発な競争が行われている。

(オ) 隣接市場からの競争圧力
 他県の金融機関が地域内に出店したり,地域内に店舗を有しない金融機関が取引の勧誘を行っているなど,地理的に隣接した地域の金融機関からの競争圧力が一定程度働いていると評価される。

イ 東農経済圏

(ア) 市場規模
 平成20年3月時点の東濃経済圏における貸出残高は約8000億円である。

(ア) 市場規模
 平成20年3月時点の東濃経済圏における貸出残高は約8000億円である。

(イ) 市場シェア・HHI
 本件企業結合により,両行の合算シェア・順位は約35%・第1位となる。また,本件企業結合後のHHIは約2,100,HHIの増分は約600である。

(ウ) 競争事業者の存在,競争の状況及び隣接市場からの競争圧力
 上記1(2)ア(ウ)~(オ)に同じ。

2 預金業務

(1)岐阜県全体の市場
 岐阜県全体の市場については,水平型企業結合のセーフハーバーに該当することから,本件行為により,一定の取引分野における競争を実質的に制限することとはならないと判断した。

(2)岐阜県内の地域市場
 一般的に,預金業務において,利用者は自己の経済的活動範囲内に店舗等が所在する金融機関を利用する傾向にあるところ,そのような経済圏の範囲で一定の取引分野が成立すると考えられる。
 そのうち,岐阜中心部経済圏及び東濃経済圏以外の経済圏については,水平型企業結合のセーフハーバーに該当することから,岐阜中心部経済圏及び東濃経済圏の2つの経済圏について,それぞれ,重点的に審査を行った。

ア 岐阜中心部経済圏

(ア) 市場規模
 平成20年3月時点の岐阜中心部経済圏における預金残高は約5兆6000億円である。
(イ) 市場シェア・HHI
 本件企業結合により,両行の合算シェア・順位は約35%・第1位となる。
また,本件企業結合後のHHIは約2,100,HHIの増分は約400である。

(ウ) 競争事業者の存在
 10%以上のシェアを有する有力な競争事業者が複数存在する。

(エ) 競争の状況
 多数の競争事業者が存在し,キャンペーンによる金利上乗せ等の商品内容による競争や,スーパーマーケット等への店舗外ATMの設置,コンビニエンスストアATMでの利用手数料の優遇等顧客の利便性の向上に係る競争が行われている。

(オ) 隣接市場からの競争圧力
 投資信託,年金保険等が預金の代替的な金融商品としての役割を果たしている面もあり,これらの商品を提供する証券会社,保険会社等が一定程度の競争圧力として働いていると評価される。

イ 東濃経済圏

(ア) 市場規模
 平成20年3月時点の東濃経済圏における預金残高は,約1兆7000億円である。

(イ) 市場シェア・HHI
 本件企業結合により,両行の合算シェア・順位は約35%・第1位となる。
 また,本件企業結合後のHHIは約2,400,HHIの増分は約600である。

(ウ) 競争事業者の存在,競争の状況及び隣接市場からの競争圧力
 上記2(2)ア(ウ)~(オ)に同じ。

第4 独占禁止法上の評価

1 貸出市場

(1)単独行動による競争の実質的制限についての検討
 岐阜中心部経済圏,東濃経済圏ともに,有力な競争事業者が存在していること,多数の事業者によって個人向けのローン商品や法人向けの融資獲得競争が活発に行われていること,隣接市場からの一定程度の競争圧力があることから,当事行の単独行動により,一定の取引分野における競争を実質的に制限することとはならないと判断した。

(2)協調的行動による競争の実質的制限についての検討
 岐阜中心部経済圏,東濃経済圏ともに,多数の事業者によって個人向けのローン商品や法人向けの融資獲得競争が活発に行われていること,隣接市場からの一定程度の競争圧力があることから,当事行と競争事業者の協調的行動により,一定の取引分野における競争を実質的に制限することとはならないと判断した。

2 預金市場

(1)単独行動による競争の実質的制限についての検討
 岐阜中心部経済圏,東濃経済圏ともに,有力な競争事業者が存在していること,多数の事業者によって商品内容による競争や顧客の利便性向上に係る競争が行われていること,隣接市場から一定程度の競争圧力があることから,当事行の単独行動により,一定の取引分野における競争を実質的に制限することとはならないと判断した。

(2)協調的行動による競争の実質的制限についての検討
 岐阜中心部経済圏,東濃経済圏ともに,多数の事業者によって商品内容による競争や顧客の利便性向上に係る競争が行われていること,隣接市場からの一定程度の競争圧力があることから,当事行と競争事業者の協調的行動により,一定の取引分野における競争を実質的に制限することとはならないと判断した。

第5 結論

 以上の状況から,本件行為により,一定の取引分野における競争を実質的に制限することとはならないと判断した。

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公表事例において隣接市場からの競争圧力の有無について検討を行った例

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