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(平成14年度:事例2)(株)日立製作所によるインターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーションのハードディスクドライブ事業の統合について

第1 本件の概要

 本件は,(株)日立製作所(以下「日立」という。)及びインターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション(以下「IBM」という。)が,共同出資会社(日立:70%,IBM:30%)を設立し,両社のHDD事業の統合を行った後,当該共同出資会社を日立の100%子会社とすることにより,IBMが同社のすべてのHDD事業を日立に譲渡しようとするものである。

第2 HDDについて

 HDDは,ディスクの直径により,主として,3.5インチ型及び2.5インチ型に分類され,さらに,3.5インチ型は,インターフェイス(接続規格)によって,3.5インチ型SCSI及び3.5インチ型IDEに分類される。HDDは,米国の規格が世界の標準規格となっていることから,各HDDメーカー間で代替性があり,ユーザーにおいても,他社のHDDへの切替えが容易である。
 それぞれのHDDの主な用途は,3.5インチ型SCSIはサーバー向け,3.5インチ型IDEはデスクトップ型パソコン向け,2.5インチ型はノート型パソコン向けである。
 このうち,3.5インチ型IDEの出荷台数が最も多く,HDD全体に占める割合は,国内で約55%,世界(日本を含む。以下同じ。)で約75%となっている。
 なお,HDD全体に占める2.5インチ型の出荷台数の割合は,国内で約40%であるが,世界では約15%となっている。同様に,ノート型パソコンは,パソコン全体の国内出荷台数の約半数を占めているのに対し,世界では約20%となっている。今後,世界においても,ノート型パソコンの増加に伴い,2.5インチ型の市場拡大が予測されている。

第3 HDDメーカーの現状

 HDDは,その主たる用途であるパソコン市場等での激しい競争を背景として,活発な技術革新による記憶容量の増加傾向にもかかわらず,記憶容量の単位当たりの価格は一貫して低下しており,製品のモデルチェンジの期間も短い。そのため,HDDメーカーは,これに対応するための研究開発費の確保と一層の低価格化を図ることが重要な課題となっている。

第4 HDDの取引状況

 HDDは,国内外のメーカーにかかわらず,他社のHDDへの切替えが容易であることから,HDDの主たるユーザーであるパソコンメーカー等は,価格交渉力維持・HDDの安定調達の観点により,一般に3社程度のHDDメーカーへの分散発注を調達方針としつつ,価格・品質に応じて,各HDDメーカーからの購入数量を柔軟に増減させている。
 さらに,パソコンメーカー等は,大量購入による調達価格の引下げを図るため,自国内外の組立工場で使用するHDDを一括して交渉することも少なくない。
 また,HDDメーカーは,HDDの製品価格に占める輸送コストの割合が小さいこともあり,出荷先地域にかかわらず,国内外のHDDメーカーの主な製造拠点であるアジア地域から出荷を行っている。
 このような取引状況に加え,国内外の価格差が小さいといった状況も認められる。

第5 独占禁止法上の考え方

1 一定の取引分野

 本件においては,両当事会社間で競合している3.5インチ型SCSIと2.5インチ型のそれぞれについて,一定の取引分野が成立すると判断した。

2 競争への影響

(1) 本件統合によって,各取引分野における当事会社の合算出荷台数シェア・順位は,3.5インチ型SCSIで約40%・第1位,2.5インチ型で約35%・第2位となる。
 なお,世界では,当事会社の合算出荷台数シェア・順位は,3.5インチ型SCSIで約25%・第2位,2.5インチ型で約60%・第1位となっている。
 前記4の取引状況を踏まえて,世界における当事会社の合算出荷台数シェアを考慮すると,当事会社は,今後,国内の2.5インチ型分野において,より大きなシェアを獲得する可能性もある。

(2) しかしながら,いずれの取引分野においても,以下の状況が認められる。

ア ユーザーからの競争圧力
 HDDの主たるユーザーであるパソコンメーカー等は,パソコン市場の活発な競争を背景として,価格交渉力維持・HDDの安定調達の観点から,一般に3社程度のHDDメーカーへの分散発注を調達方針としており,価格・品質に基づいて,各HDDメーカーからの購入数量を増減させるなどにより,より低廉な価格での調達を図っている。このため,HDDユーザーの価格交渉力は強く,HDDメーカー間での競争が激しくなっており,実際にもHDDの価格は低下している。

イ ユーザーの調達方針が競争に及ぼす影響
 HDDユーザーは,分散発注を採用していることから,本件統合に伴って当事会社が合算出荷台数シェアを維持することは難しいものと考えられる。また,競争事業者においても,本件統合によって,自社のシェアが増加するものと予測しており,自社の事業拡大につながるとしている。

ウ 協調的価格設定の阻害要因
 HDDメーカーは,パソコンメーカー等に対する販売価格を公表しておらず,また,HDDは製品サイクルが短く,販売価格の低下も著しいことから,各HDDメーカーは,他社の販売価格を把握することが困難となっており,HDDメーカー間で協調的な価格設定が行われにくい要因の一つとなっている。

エ 参入の容易性
 HDDの各製品間では,製造設備や技術が類似していることから,HDDを製造するHDDメーカーにとって,他の種類のHDDへの参入に大きな障害はみられない。

(3) また,各取引分野について,以下の状況が認められる。

ア 3.5インチ型SCSI
 出荷台数シェア約35%,同約15%及び同約10%を有する有力な競争事業者が存在する。
 このうち,出荷台数シェア約35%を有する競争事業者は,世界での出荷台数シェアが約45%となっているところ,前記4の取引状況や,国内全体の出荷台数が,世界の出荷台数の約5%にすぎない点を考慮すれば,当該競争事業者は,国内市場の状況に応じて,国内向けの出荷増が容易であると考えられ,より有効な牽制力を有しているものと評価できる。

イ 2.5インチ型
 出荷台数シェア約45%及び同約25%を有する有力な競争事業者が存在する。
 3.5インチ型IDEは,世界のHDD全体の約75%を占め,他の種類のHDDに比べて,大きな市場規模を有しているところ,3.5インチ型IDEにおいて有力なHDDメーカーの中には,2.5インチ型の今後の市場拡大を見据えて,2.5インチ型に参入する意向を有している者が複数ある。これらのHDDメーカーは,参入の具体的な計画を有していたり,参入に当たって,技術的な問題もなく参入は十分に可能であるとしている。
 また,これらのHDDメーカーは,既に,他の種類のHDDについて国内に営業拠点を有し,有力な事業者として事業を展開している状況にある。

3 結論

 以上の状況から,前記第5,1で画定したいずれの取引分野においても,競争を実質的に制限することとはならないと判断した。

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公表事例において参入について検討を行った例

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