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3 特許製品の競争品の研究開発禁止

 医薬品メーカーが,自社の特許製品に係る販売権を付与する際に,相手方に対して,当該特許製品の競争品の研究開発を禁止することは,独占禁止法上問題となるおそれがあると回答した事例

1 相談者

 X社(医薬品メーカー)

2 相談の要旨

(1) X社は,自社が特許権を保有する医薬品Aの製造販売を行う事業者である。

(2) X社は,医薬品メーカーであるY社からの申入れを受け,医薬品Aの販売権をY社に非独占的に付与することを検討している。Y社は医薬品メーカーの中でも有数の研究開発力を有するメーカーであるところ,X社は,医薬品Aと同様の効能・効果を有 する医薬品(以下「競争品」という。)が製造販売されることを防ぐため,契約期間中及び契約終了後5年間,Y社による競争品の研究開発を禁止することを検討している。

(3) なお,医薬品Aは新たに開発された医薬品であり,現時点において競争品は製造販売されていない。

 このようなX社の取組は,独占禁止法上問題ないか。

3 独占禁止法上の考え方

(1) ライセンサーがライセンシーに対し,ライセンス技術又はその競争技術に関し,ライセンシーが研究開発を行うことを禁止するなど,ライセンシーの自由な研究開発活動を制限する行為は,一般に研究開発をめぐる競争への影響を通じて将来の技術市 場又は製品市場における競争を減殺するおそれがあり,公正競争阻害性を有する。したがって,このような制限は原則として不公正な取引方法に該当する(不公正な取引方法第12項)(知的財産ガイドライン第4-5(7)研究開発活動の制限)。

(2) 本件は,X社が,自社が特許権を保有する医薬品Aの販売権を付与するY社に対して制限を課すものであるが,技術に係る知的財産のライセンス を行う場合と同様に,以下のように考えられる。

(3) X社がY社による競争品の研究開発を禁止することは,この研究開発を元に,医薬品Aの競争品を含め新たな医薬品が開発される道が閉ざされることにより,研究開発をめぐる競争への影響を通じて将来の技術市場又は製品市場における競争を減殺するおそれがある。

4 回答の要旨

 X社が,医薬品Aの販売権をY社に付与する際に,契約期間中及び契約終了後5年間,当該医薬品Aの競争品の研究開発を禁止することは,独占禁止法上問題となるおそれがある。

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