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5 保険制度適用に伴う工事店の選別

 自社製品を扱う工事店に対して,工事保証を援助する制度を設けるとともに,対象となる工事店を選別することは,独占禁止法上問題ないと回答した事例。

1 相談者

 A社(建設資材メーカー)

2 相談の要旨

(1) A社は,建設資材メーカーで,ビルや住宅に使用される甲製品については有力なメーカーである。

(2) A社は,住宅については10年保証という考え方が広まりつつあることから,こうした考え方はいずれ非住宅,つまりビルなどにも影響してくると考え,ユーザーに対する甲製品の修理対応を保険で賄える保険制度を実施することとした。
 この保険制度は,取引先工事店の中から特定の工事店を選別し,当該工事店が行った工事の施工後10年間,甲製品の修理を工事店がユーザーに対して保証するというものである。なお,工事店の保険制度への参加は任意である。

(3) 保険制度の仕組みは,工事店がA社の子会社の保険代理店に保険料を支払い,修理の必要が生じた場合,工事店は修理費用の8割を保険会社から受け,残りの2割は自己負担するというものである。一回の修理費用が5000万円を超えた場合,5000万円超過部分には保険会社の保証が及ばないため,当該超過部分はA社と工事を実施した工事店とで半分ずつ負担する。
 A社は,上記のとおり一定規模以上の修理額についてA社も負担することから,保険制度の対象となる工事店を信用のおけるものに制限したいと考え,対象となる工事店を認定することを考えている。この認定の基準は,工事店の甲製品の総取引高に占めるA社との取引高の割合は50%を目安とすること,保険会社との契約によって決められた工法で工事すること等である。
 このような保険制度を実施すること及び保険制度の対象となる工事店を認定するために選別することは,独占禁止法上問題ないか。

3 独占禁止法上の考え方

 A社が,保険制度の対象となる工事店を,甲製品の総取引高に占めるA社との取引高の割合を基に認定する行為は,他のメーカーとの取引に影響を与え得ることから,本件は,排他条件付取引の観点から検討する。

(1) 市場における有力なメーカーが,競争品の取扱い制限を行い,これによって新規参入者や既存の競争者にとって代替的な流通経路を容易に確保することができなくなるおそれがある場合には,不公正な取引方法に該当し,違法となる。[流通・取引慣行ガイドライン第2部第2-2-(2)(流通業者の競争品の取扱いに関する制限)]

(2)
ア A社は,工事店が行った工事について修理の必要が生じた場合,一定規模以上の修理額について,その一部を負担するものである。したがって,A社が保険制度の対象となる工事店について,一定の条件に従って信用のおける工事店のみを認定することは,直ちに独占禁止法上問題となるものではない。

イ 保険制度の対象となる工事店を認定する条件として,工事店の甲製品の総取引高に占めるA社との取引高の割合50%を目安とすることが,工事店による競争品の取扱いを制限することとなるかどうかは,A社の市場における地位,保険制度の内容,市場の状況等により判断される。例えば,有力なメーカーが行い,保険制度が工事店にとって,一定の場合にA社からの支援を受けられるなど非常に有利な内容であってユーザーの評価も得られる等から,工事店の保険制度への参加希望が強い場合で,当該メーカーの市場シェアを相当程度上回る数値が,工事店の保険制度への参加の目安とする取引高の割合とされる場合には,競争品の取扱制限といえ,その結果,既存の競争者が甲製品市場から排除されたり,新規参入を困難にさせるおそれがある場合には,独占禁止法上問題となる。
 さらに,各工事店のA社からの取引高の割合を把握する際,A社の競争者との取引高についても把握可能となり,A社がこれを競争品の取扱い制限に利用し,競争者を市場から排除することとなるおそれがある場合には,独占禁止法上問題となる。

4 回答の要旨

 A社が,本件相談の保険制度を導入し,その対象となる工事店を認定することは,独占禁止法上問題ない。
 しかし,認定基準として,工事店の甲製品の総取引高に占めるA社との取引高の割合を用いることは,それによって工事店がA社の競争者の製品を取り扱うことを制限し,競争者を市場から排除することとなるおそれがある場合には,独占禁止法上問題となる。

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