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6 事業者団体が構築・運用管理する情報システムの共同利用

 事業者団体が,会員事業者が製造・販売する危険性の高い製品が入った容器の所在等を把握するための動態管理システムを構築・運用管理し,会員事業者が共同でこれを利用すること自体は,直ちに独占禁止法上問題となるものではないと回答した事例

1 相談者

 X協会(製品Aのメーカーの団体)

2 相談の要旨

(1) X協会は,製品Aのメーカーの団体であり,国内において製造・販売される製品Aのほぼ100パーセントは,X協会の会員事業者が供給している。

(2) 製品Aは,人体等に有害な物質を含む危険性の高い製品であることから,必ず密閉された容器に入れられた状態で販売事業者を通じてユーザーに販売されており,ユーザーは,この容器ごと保管して製品Aを必要に応じ使用し,使用後は販売事業者を通じて各メーカーに容器を返却している。この製品Aの容器は各メーカーの所有物であり,各容器には固有の記号・番号,所有者名が記載されている。
 各メーカーは製品Aの消費期限を定めているが,現状では,ユーザーが消費期限を経過しても容器内に残っている限り使用し続け,長期間にわたってユーザーの元に容器が置かれたままになっているケースも多く,また,回収されずに河川敷等に製品Aが残ったままの容器や空容器が放置されるというケースもあり,点検等されることなく長期間容器が使用等されることにより容器破損等による事故が危惧されているところである。

(3) これまで,各メーカーは,製品Aのユーザー,ユーザーへの納入日,納入日からの経過期間等については十分把握しておらず,これが,メーカーによる消費期限を経過した製品Aが入った容器や空容器の回収が十分に進められてこなかった理由の一つとなっていた。そこで,X協会は,メーカーである会員事業者が製品Aのユーザー,納入日,納入日からの経過期間等を把握するための動態管理システムを構築・運用管理することとし,このシステムを会員事業者が共同で利用することにより,会員事業者のシステム構築等の費用を軽減し,会員事業者によるこれらの容器の回収への取組を支援することを検討している。
 この共同利用システムに,会員事業者及び会員事業者の取引先販売事業者が必要な情報を入力し,情報を検索すること等により,例えば,会員事業者が,直接,製品Aの容器が長期間滞留しているユーザーに返却を要請するなど,会員事業者による適切な回収の実施が期待される。

 このようなX協会の取組は,独占禁止法上問題ないか。

3 独占禁止法上の考え方

(1) 事業者団体が行う共同事業の内容が,事業者の主たる事業に付随する運送や保管に係るものであるときには,それ自体としては,本来,対象となる商品の価格,数量や取引先に影響を与えるものではなく,共同販売,共同購買,共同生産に比べて独占禁止法上問題となる可能性は低いが,共同事業の実施を通じて,構成事業者に係る対象商品の価格又は数量,顧客・販路等の競争手段を制限することにつながらないよう留意する必要がある。
 [事業者団体ガイドライン 11(2)ア 共同事業の内容]

(2) 危険性の高い製品Aが入った容器の長期間の滞留や放置をなくすため,当該容器の所在,使用期間等をメーカーである会員事業者が把握し,使用期限が経過した製品Aが入った容器の回収を進めることは,安全確保のために必要であると考えられる。
 容器の所在,使用期間等を把握するための動態管理システムは,各会員事業者とも同じような内容のシステムになるものと考えられ,当該システムをX協会が構築・運用管理し,会員事業者が共同で利用することは,効率的・合理的な取組であると考えられる。

(3) 当該システムをX協会が構築・運用管理し,会員事業者が共同利用すること自体については,

ア 当該システムを利用するかどうかは会員事業者の任意である

イ 当該システムでは情報遮断措置を施し,他社にはユーザー情報等が漏れないようにしており,競争事業者間でユーザー情報等が共有化されるものではない

ウ 当該システムを構築・運用管理するX協会の内部においてもユーザー情報等へのアクセスは必要最低限とする

エ 当該システムに入力される情報は,会員事業者が適切に容器回収するために必要最低限の情報である

 ことから,当該システムの共同利用を通じて,会員事業者に係る価格又は数量,顧客・販路等の競争手段が制限されるものとは考えられず,直ちに独占禁止法上問題となるものではない。

(4) しかしながら,当該システムを利用する会員事業者は,取引先販売事業者の販売先,販売数量等の販売情報を知ることになり,これを利用して,販売事業者の販売価格,販売地域,販売先等を不当に制限する場合には,不公正な取引方法(一般指定第12項・再販売価格の拘束,一般指定第13項・拘束条件付取引)として独占禁止法上問題となるおそれがある。
 また,X協会が,当該システムの会員事業者に係る情報を利用して,会員事業者間の競争を実質的に制限したり,会員事業者の事業活動を不当に制限する場合には,独占禁止法上問題となるおそれがある(独占禁止法第8条第1項第1号及び第4号)

4 回答の要旨

 X協会による製品Aの容器の動態管理システムの構築・運用管理及び会員事業者による当該システムの共同利用自体は,直ちに独占禁止法上問題となるものではない。
 しかし,会員事業者が,取引先販売事業者の販売価格,販売先,販売数量等の販売情報を利用して,販売事業者の販売地域,販売先等を不当に制限すること,また,X協会が,当該システムの会員事業者に係る情報を利用して,会員事業者の事業活動を不当に制限することがあれば,独占禁止法上問題となるおそれがある。

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