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1 大量の在庫品の原価割れ販売

 大規模小売業者が,需要の見込み違いで大量に在庫化した商品を仕入原価を下回る価格で販売することは,独占禁止法上問題となるものではないと回答した事例

1 相談者

 相談者 X社(大規模小売業者)

2 相談の要旨

(1) X社は,商品A等の日用品等を販売する小売業者である。

(2) 商品Aは,天候等により需要が変動する商品であり,年によっては,前年に比べ大幅に需要が伸びることがある。また,冬の約3か月間にその需要が集中する傾向がある。
 なお,商品Aの使用期限は約2年である。

(3) 商品Aを専ら販売している小売業者は存在せず,商品Aを販売する小売業者は,通常,商品A以外にも極めて多くの種類の商品を販売している。したがって,商品Aを販売する小売業者の売上高全体に占める商品Aの売上高の割合はごく僅かである。

(4) 一昨年の冬,気温が平年より低い期間が長く続いたことなどから,商品Aの需要が大幅に伸び,商品Aが極端に品薄となったことがあった。X社は,昨年も同様に需要が伸びるであろうと予測し,品薄となることがないように商品Aを大量に仕入れた。しかし,X社の予測に反し,昨年は,商品Aの需要が著しく低迷し,大量に売れ残り,X社の倉庫に大量の在庫が積み上がってしまった。

(5) 来年の需要期には使用期限が過ぎてしまうことから,X社には,この商品Aの大量の在庫をその使用期限内に販売することができる見込みがなく,また,保管にも多額の費用が掛かっている。そこで,X社は,今年の需要期に,商品Aを仕入原価α円を大幅に下回るβ円で販売して,一気に在庫を減らすことを検討している。

(6) X社以外にも商品Aの在庫を大量に抱えている事業者が多く存在することなどから,最近,在庫処分のため商品Aをβ円と同程度の価格で販売する小売業者も多数現れてきている。

 このようなX社の取組は,独占禁止法上問題ないか。

3 独占禁止法上の考え方

(1) (1)正当な理由がないのに,商品又は役務をその供給に要する費用を著しく下回る対価で継続して供給し,他の事業者の事業活動を困難にさせるおそれがある場合(独占禁止法第2条第9項第3号,第19条)又は(2)前記(1)に該当する場合のほか,不当に商品又は役務を低い対価で供給し,他の事業者の事業活動を困難にさせるおそれがある場合(不公正な取引方法第6項〔不当廉売〕,独占禁止法第19条)には,独占禁止法上問題となる。

(2) 本件は,X社が,約3か月間にわたる需要期に,商品Aを仕入原価を大幅に下回るβ円で販売するものであり,「供給に要する費用を著しく下回る対価で継続して供給」するものである。しかしながら,(1)使用期限のある商品Aの在庫を大量に抱えている事業者が多く存在することなどから,β円と同程度の価格で販売する事業者が多数現れてきていること,(2)通常の販売方法では使用期限内に販売できる見込みがなく,需要期にβ円で販売することが経営判断上やむを得ないという事情があることなどからすれば,本件廉売には「正当な理由」があると考えられ,不当廉売として独占禁止法上問題となるものではない。

 【参考】不当廉売ガイドライン3(3)(正当な理由)〈抜粋〉
廉売を正当化する特段の事情があれば,公正な競争を阻害するおそれがあるものとはいえず,不当廉売とはならない。例えば,需給関係から廉売対象商品の販売価格が低落している場合において,商品の市況に対応して低い価格を設定したときは,「正当な理由」があるものと考えられる。

(3) なお,商品Aを販売する小売業者の売上高全体に占める商品Aの売上高の割合がごく僅かであり,商品Aを専ら販売する小売業者は存在しないことからすれば,本件廉売が他の小売業者の事業活動に与える影響はほとんどないとも考えられる。

4 回答の要旨

 X社が,需要の見込み違いで大量に在庫化した商品Aを仕入原価を下回る価格で販売することは,独占禁止法上問題となるものではない。

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