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3 リビング用品メーカーによる商品の陳列方法の指定

 市場における有力なリビング用品メーカーが,取引先小売業者に対し,専用陳列棚を設置させ,リビング用品の陳列方法を指定することについて,独占禁止法上問題となるものではないと回答した事例

1 相談者

 X社(リビング用品メーカー)

2 相談の要旨

(1)X社は,リビング用品Aのメーカーであり,我が国のリビング用品Aの販売分野におけるシェアは約20パーセント(第1位)である。

(2)リビング用品Aには材質や形状によって様々な種類の商品があるところ,一般消費者は,価格のほか,これら材質や形状による品質の違いにより商品を選択している。近年の健康志向の高まりにより,リビング用品Aの材質や自らの体型に合致した形状を重視する一般消費者が増えている。

(3)X社は,自社の直営店において一般消費者にリビング用品を販売しているほか,百貨店等の小売業者(以下「取引先小売業者」という。)を通じて様々なリビング用品を販売している。

(4)X社は,リビング用品Aのうち,材質や形状に特にこだわり,これまで自社の直営店のみで販売している高級品(以下「ブランド品」という。)について,今後,小売業者を通じて販売するに当たり,一般消費者に材質や形状による品質の違いを体感してもらうために,取引先小売業者に対して,等しく,自社の直営店と同様に専用陳列棚を設置の上,材質,形状の違いが分かるような陳列方法を指定することを検討している。

(5)X社は,当該陳列方法を採ることができない小売業者に対しては,ブランド品の販売を行わない。また,X社は,小売業者への販売に当たり,販売価格,競争品の取扱いについて何ら制限を課さない。

  • 本件の概要図

 このようなX社の取組は,独占禁止法上問題ないか。

3 独占禁止法上の考え方

(1)メーカーが小売業者に対して,販売方法(販売価格,販売地域及び販売先に関するものを除く。)を制限することは,商品の安全性の確保,品質の保持,商標の信用の維持等,当該商品の適切な販売のための合理的な理由が認められ,かつ,他の取引先小売業者に対しても同等の条件が課せられている場合には,それ自体は独占禁止法上問題となるものではない。
 しかし,メーカーが小売業者の販売方法に関する制限を手段として,小売業者の販売価格,競争品の取扱い,販売地域,取引先等についての制限を行っている場合には,再販売価格の拘束(独占禁止法第2条第9項第4号),排他条件付取引(一般指定第11項),拘束条件付取引(一般指定第12項)の観点から違法性(同法第19条〔不公正な取引方法〕)の有無が判断される(流通取引慣行ガイドライン第2部第2-5〔小売業者の販売方法に関する制限〕)。

(2)本件は,X社が,取引先小売業者に対し,ブランド品の陳列方法を指定するものであるが,
  [1] リビング用品Aは材質や形状によって様々な種類の商品があり,一般消費者が商品を選択する際に,これら材質や形状の違いを体感させ,ブランド品の品質の信用を維持するために行われるものであり,商品の適切な販売のための合理的な理由が認められること
  [2] 全ての取引先小売業者に対して同等の条件が課せられること
から,独占禁止法上問題となるものではない。

4 回答の要旨

 X社が,取引先小売業者に対し,専用陳列棚を設置させ,リビング用品Aの陳列方法を指定することは,独占禁止法上問題となるものではない。

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