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5 電子機器メーカーによる対面での説明の義務付け

 電子機器メーカーが,小売業者に対して,店舗での対面による電子機器の操作方法の説明を義務付け,インターネットを利用した販売を禁止することについて,独占禁止法上問題となると回答した事例

1 相談者

 X社(電子機器メーカー)

2 相談の要旨

(1)X社は,電子機器Aのメーカーであり,我が国の電子機器Aの製造販売分野において上位3位以内に入っている。
 また,電子機器Aはメーカー間で製品が差別化されている。

(2)X社は,電子機器Aを,小売業者を通じて一般消費者に販売している。

(3)小売業者は,電子機器Aを店舗で販売するほか,店舗よりも安い価格でインターネットを利用した販売を行っている。

(4)X社は,これまで,小売業者に対して,一般消費者への電子機器Aの操作方法の説明を求めておらず,一般消費者からも操作方法に関する問い合わせはX社にほとんど寄せられていない。

(5)X社は,インターネットを利用した販売を行っていない小売業者からの価格に関する苦情を受けて,今後,全ての小売業者に対して,店舗での対面による電子機器Aの操作方法の説明を義務付け,インターネットを利用した販売を禁止することを検討している。

  • 本件の概要図

 このようなX社の取組は,独占禁止法上問題ないか。

3 独占禁止法上の考え方

(1)メーカーが小売業者に対して,販売方法(販売価格,販売地域及び販売先に関するものを除く。)を制限することは,商品の安全性の確保,品質の保持,商標の信用の維持等,当該商品の適切な販売のための合理的な理由が認められ,かつ,他の取引先小売業者に対しても同等の条件が課せられている場合には,それ自体は独占禁止法上問題となるものではない。
 しかし,例えば,当該制限事項を遵守しない小売業者のうち,安売りを行う小売業者に対してのみ,当該制限事項を遵守しないことを理由に出荷停止等を行う場合には,通常,販売方法の制限を手段として販売価格について制限を行っていると判断され,不公正な取引方法(一般指定第12項〔拘束条件付取引〕)に該当し,独占禁止法上問題となる(同法第19条)(流通・取引慣行ガイドライン第2部第2-5〔小売業者の販売方法に関する制限〕)。
   
(2)本件は,X社が,小売業者に対して,店舗での対面による電子機器Aの操作方法の説明を義務付け,インターネットを利用した販売を禁止するものであるところ,
[1] X社は,これまで小売業者に対して,電子機器Aの操作方法の説明を求めておらず,一般消費者からも電子機器Aの操作に関する問い合わせがほとんどないこと
[2] 小売業者は,店舗で販売するほか,インターネットを利用して店舗より安く販売していること
を踏まえれば,本件行為により,電子機器Aの販売価格が維持されるおそれがあり,拘束条件付取引に該当し,独占禁止法上問題となる。

4 回答の要旨

 X社が,小売業者に対して,店舗での対面による電子機器Aの操作方法の説明を義務付け,インターネットを利用した販売を禁止することは,独占禁止法上問題となる。

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