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3 共同研究開発の成果等の競争者への供与の制限

 家電メーカーが,共同研究開発の参加者である部品メーカーに対し,成果である技術の供与及び当該技術を用いた製品の販売を第三者に行うことを一定期間制限する際,特定の競争者に対してのみ制限期間を長期とすることについて,独占禁止法上問題となるおそれがあると回答した事例

1 相談者

 X社(家電メーカー)

2 相談の要旨

(1)X社は,家電メーカーである。
 我が国の家電製品Aの製造販売分野におけるX社のシェアは約30パーセント(第2位)である。

(2)家電製品Aは,高機能の高価格機種と必要最低限の機能のみの低価格機種に大別される。X社は,高価格機種を主力製品としている。他方,家電メーカーP社,Q社,R社及びS社の4社(以下「4社」という。)は,家電製品Aの低価格機種を主力製品としている。我が国の家電製品Aの販売市場における4社のシェアは合算で約5パーセントであるが,海外での家電製品Aの販売市場における4社のシェアは高く,今後,我が国の家電製品Aの販売市場においても事業活動を拡大していくことが見込まれている。

(3)家電製品Aには,製品の主要な機能を実現するための装置として,装置a1又は装置a2が内蔵されている。装置a1は,装置a2より高性能かつ比較的高価であるために高価格機種に用いられることが多い。他方,装置a2は,装置a1より性能が劣り,比較的安価であるために低価格機種に用いられることが多い。

(4)X社は,2年後に発売予定である家電製品Aの高価格機種の新モデルに使用する装置a1に関する技術αについて,部品メーカーであるY社との間で共同研究開発を行うことを予定している。
 技術αは,装置a1の製造に当たり必須ではないが,装置a1の特定の構成部品が不要となるため,X社は,装置a1の製造コストが1割程度削減できると見込んでいる。そのため,X社は,技術αを家電製品Aの低コスト化を実現する非常に重要な技術であると考えている。

(5)X社は,技術αを用いた装置a1の安定供給が可能となり,共同研究開発に要した投資を回収するまでには,開発後3年ないし5年を要すると考えている。また,X社は,技術αを用いた装置a1について,供給が安定し更なる低コスト化が実現した場合には,低価格機種にも広く使用されると考えている。

(6)そこで,X社は,技術αの競争者への流出を防止し,共同研究開発に要した投資を回収するために,Y社に対し次の条件を課すことを検討している。
 ア Y社は,共同研究開発の成果である技術αの供与及び技術αを用いた装置a1の販売を第三者に対して一定期間行ってはならない。
 イ 「一定期間」は,4社以外の事業者については3年間,4社については5年間とする。

  • 本件の概要図

 このようなX社の取組は,独占禁止法上問題ないか。

3 独占禁止法上の考え方

(1)共同研究開発の成果の第三者への実施許諾を制限することは,原則として不公正な取引方法に該当しない(共同研究開発ガイドライン第2-2(2)ア[2])。
 共同研究開発の成果である技術を利用した製品の販売先を制限することは,成果であるノウハウの秘密性を保持するために必要な場合に,合理的な期間に限って,成果に基づく製品の販売先について,他の参加者又はその指定する事業者に制限する場合を除き,不公正な取引方法(一般指定第11項〔排他条件付取引〕又は第12項〔拘束条件付取引〕)に該当するおそれがある(独占禁止法第19条)。「合理的な期間」は,リバース・エンジニアリング等によりその分野における技術水準からみてノウハウの取引価値がなくなるまでの期間,同等の原材料又は部品が他から入手できるまでの期間等により判断される(共同研究開発ガイドライン第2-2(3))。

(2)X社が,Y社に対し,技術αの供与及び技術αを用いた装置a1の販売を第三者に行うことを合理的な期間に限って制限すること自体は,技術αの競争者への流出を防止するとともに,共同研究開発に要した投資の回収のために必要とされる範囲のものと考えられることから,原則として独占禁止法上問題となるものではない。
 しかし,4社のみ5年間という長期の制限とすることについては,
 [1] 技術αを用いた装置a1が低価格機種にも広く使用される状況になれば,当該装置のコスト削減効果は競争上重要なものとなることが考えられ,低価格機種の販売を主力とする4社がそれ以外の家電製品Aのメーカーよりも更に2年間使用を制限されることは,4社の取引の機会を減少させ,技術αを用いた家電製品Aの販売市場における競争が阻害されるおそれがあること
 [2] 制限期間に差を設けることに特段の合理的な理由が見当たらないこと
から,独占禁止法上問題となるおそれがある。

4 回答の要旨

 X社が,共同研究開発の参加者であるY社に対して,成果である技術αの供与及び当該技術を用いた装置a1の販売を第三者に行うことを一定期間制限する際,特定の4社に対してのみ制限期間を長期とすることは,独占禁止法上問題となるおそれがある。

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