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16 事業者団体による再販売価格に関する上限価格の設定

 国内におけるたばこ自動販売機のメーカーの団体が,会員事業者が製造する製品の再販売価格について共通の上限価格を設定することは,独占禁止法上問題となるおそれがあるが,メーカー各社が独自に上限価格を設定することについては,直ちに独占禁止法上問題となるものではないと回答した事例

1 相談者

 A工業会(国内におけるたばこ自動販売機のメーカーの団体)

2 相談の要旨

(1) A工業会は,国内におけるたばこ自動販売機メーカー10社が加盟する団体であり,国内のたばこ自動販売機メーカーはすべて加盟している。また,会員事業者はすべて大規模事業者である。

(2) 近年,未成年者による喫煙率の増加が社会問題となっており,未成年者喫煙禁止法の実効性を確保することが重要な課題となっている。こうした社会的要請を受け,A工業会はICカードによる成人識別機能付たばこ自動販売機(以下「新型自販機」という。成人の確認が得られた者に配布されるICカードを,自販機本体に組み込まれたICカード読取機が認識した場合に販売する機能を有する。)の普及についての取組を行っており,各メーカーも近く新型自販機の販売を予定している。
 たばこ自動販売機については,たばこメーカーが購入し,たばこの小売業者に貸与するもののほかに,たばこの小売業者が自ら購入するものが30%存在する。小売業者が自ら購入し所有するたばこ自動販売機についての新機種への変更は,当該小売業者が費用を負担することになる。しかしながら,たばこの小売業者は大半が零細事業者であり,たばこ自動販売機の新機種への変更は経済的負担が大きい。そこで,A工業会のメーカーは,零細小売業者が所有する既存のたばこ自動販売機については,新型自販機の供給に加え,ICカードの読取機(以下「読取機」という。)のみを供給し,負担を軽減する方策についても検討している。

(3) 読取機については,新型自販機向けに各メーカーが独自に開発したものであり,他メーカーのたばこ自動販売機に取り付けることができないことから,小売業者と継続的な取引関係にある自動販売機の販売業者(以下「ディーラー」という。)を通じ,自社の既存のたばこ自動販売機を所有している小売業者に供給することとした。
 その際,本件は未成年者喫煙防止法の実効性確保のための取組であり,小売業者の負担をできる限り軽減し,読取機の迅速な普及を達成する必要があることから,A工業会として,ディーラーが小売業者に読取機を供給する際の価格について,不当に高くなることを防ぐために,あらかじめ各メーカー共通の上限を設定することを検討しているが,独占禁止法上問題ないか。また,当該取組が問題を生じる場合,メーカー各社が独自に上限価格を設定することは,独占禁止法上問題ないか。
 なお,上限価格を設定するのは読取機についてのみであり,今後,随時導入される新型自販機の価格については何ら関与するものではない。

3 独占禁止法上の考え方

(1) 本件においてA工業会が定める上限価格は,ディーラーが読取機を小売業者に販売する際の価格であることから,本件では,ディーラーによる読取機の販売における競争に及ぼす影響について検討する。また,読取機は新型自販機にも組み込まれることから,メーカーによるディーラーへの新型自販機の販売における競争に及ぼす影響についても検討する。

(2) 一般に,事業者団体が会員事業者の供給する製品の再販売価格について取り決めることは,当該製品の販売における競争を制限するものとして,独占禁止法上問題となる(第8条第1項第1号,第4号,第5号)。
 また,事業者が取引先に対して,自己の供給する製品の再販売価格について制限を課すことについても,不公正な取引方法(第12項・再販売価格の拘束)として問題となる。

(3) 本件については,A工業会が,ディーラーが販売する際の共通の上限価格について取り決める行為と,メーカー各社が独自に上限価格を設定し,取引先のディーラーに対して当該上限価格以下で小売業者に供給するように指示する行為とでは,独占禁止法上の分析の観点が異なることから,前者については(4),後者については(5)でそれぞれ検討する。

(4) メーカー10社が製造する読取機は,それぞれ当該メーカーが製造した自動販売機にのみ取り付け可能であることから,読取機の販売に関して10社が競争関係に立つとは認められない。
 しかしながら,本件読取機は,今後,随時導入される新型自販機に組み込まれ,読取機に係る費用も新型自販機の供給価格に転嫁されることになるところ,読取機の上限価格について,A工業会で取り決めれば,新型自販機の供給価格への転嫁額について決定する際に目安とされ,新型自販機の販売における競争の制限につながることも懸念される。
 また,本件取組は,読取機の小売価格が高くなることを回避するためのものであり,当該目的を達成するために,A工業会で読取機の共通の上限価格を取り決める必要性は何ら認められない。
 したがって,A工業会が共通の上限価格について取り決めることは,独占禁止法上問題となるおそれがある。

(5) 自動販売機メーカーが読取機の供給価格に上限を設定することは,外形上はディーラーの再販売価格を拘束するおそれのある行為である。しかしながら,本件ディーラーは,既存の取引先小売業者に対して当該読取機を供給するにとどまり,実質的には,自動販売機メーカーが自ら小売業者に供給する業務をディーラーに委託しているものと同様と認められる。したがって,自動販売機メーカーがディーラーに対して,取引先小売業者に読取機を供給する際の価格の上限を定めても,ディーラー間の競争を阻害するおそれがあるとは認められず,独占禁止法上の問題を生じるものではない。
 ただし,個々のディーラーが自らの判断で上限を下回る価格で供給することまで制限する場合には,この限りではない。
 また,自動販売機メーカーが設定する上限価格について,A工業会又はメーカー間において決定するなどした場合は,独占禁止法上問題となるおそれがある。

4 回答の要旨

 A工業会が,読取機について共通の上限価格を設定することは,独占禁止法上問題となるおそれがある。
 しかしながら,本件に固有の状況として,実質的には自動販売機メーカーが小売業者に読取機を供給する業務をディーラーに委託しているものと同様と認められ,自動販売機メーカーがディーラーに対して,取引先小売業者に読取機を供給する際の価格の上限を定めることについては,直ちに独占禁止法上問題となるものではない。
 ただし,ディーラーが自らの判断で当該価格を下回る価格で販売することを制限するなど,ディーラーの自由な事業活動を不当に制限する場合には,この限りではない。
 また,自動販売機メーカーが設定する上限価格について,A工業会又はメーカー間において決定するなどした場合は,独占禁止法上問題となるおそれがある。

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