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10 建設機械部品の仕様・寸法の標準化 [団体ガイドライン7-3,7-5]

10 建設機械部品の仕様・寸法の標準化 [団体ガイドライン7-3,7-5]

1 相談者

 建設機械製造業者の団体(平成8年度)

2 相談の要旨

(1) 建設機械メーカーは,建設機械を構成する各部品を外部の部品メーカーから購入し,これを組み立てて建設機械として販売するのが一般的であるが,同種の部品でも,各メーカーにより仕様・寸法(スペック)に微細な違いがあり,互換性がないため,ユーザー等が修理を行う際に部品が入手しにくい,部品価格が高価になる等の問題がある。

(2) そこで,団体として,部品のスペックを標準化し,互換性のあるものとすることで,ユーザーの利便性の向上,部品コストひいては会員の製品コストの低減を図りたいと考えている。

(3) スペックの標準化の対象部品は,一定の要件を満たす部品,具体的には,油圧ショベルの足回り部品を構成する部品等7部品を考えている。
 また,標準化したスペックの廃止又は変更にも一定の要件を考えている。

(4) 当団体としては,標準スペックの取扱いはあくまで推奨にとどめ,その採否は会員各社の判断に任せることとし,会員以外にも標準スペックの内容を公開することを考えている。また,標準スペックによる部品の製造業者は特定しないこととする。
 このようにスペックを標準化することは,独占禁止法上問題ないか。

3 独占禁止法上の考え方

(1) 需要者の利益に合致した規格の標準化に関する自主的な基準を設定することは,原則として独占禁止法違反とならない。ただし,構成事業者に,自主規制等を利用若しくは遵守することを強制することは,独占禁止法違反となるおそれがある。
[団体ガイドライン7-5(規格の標準化に関する基準の設定),7-3(自主規制等の強制)]

(2) 相談の場合,標準スペックの団体としての取扱いは,推奨にとどめるとのことであり,また,上記相談の要旨(3)の要件からみて,商品の開発に係る競争を阻害することとはならないと考えられ,需要者の利便及び部品製造業者の生産の合理化にも合致するものと考えられるので,団体として相談内容に沿って標準スペックを策定することは,独占禁止法上問題ない。

4 回答の要旨

 団体が,相談内容に沿って標準スペックを策定することは,独占禁止法上問題ない。

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