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12 企業間電子商取引市場の設立

 原材料等の共同調達を目的とする企業間電子商取引市場(BtoB 市場)の設立について,直ちに独占禁止法上問題となるものではないと回答した事例。

1 相談者

 A社

2 相談の要旨

(1) A社を含む国内外のX製品製造業者6社(以下「6社」という。)は,BtoB 市場を利用した原材料等の調達を目的に,共同で調達サイトを運営する会社(以下「運営会社」という。)を設立することとしているが独占禁止法上問題はないか。

(2) 調達サイトでは,X製品の製造に要する原材料,機材,サービス等(以下「原材料等」という。)を取り扱う。調達方法としては,以下の3つのメニューを用意する。

 バイヤー(X製品製造業者)が,購入希望原材料等をサイト上で公開し,これを見た他のバイヤーが相乗りして購入ロットを大きくした上でサプライヤー(販売業者)を募り,最も低い販売価格を提示したサプライヤーと取引する。

 バイヤーは,サイト上に表示されるカタログ(原材料等の品目,価格,数量等が記載されている。)を通じて原材料等をサプライヤーから購入するところ,運営会社は,バイヤー各社から提出された購入希望原材料等に関する情報を踏まえ,当該カタログを作成するとともに,カタログに記載された取引条件で供給可能なサプライヤーの情報をプールしておく。バイヤーは,このカタログから必要な原材料等を選択すると,供給可能なサプライヤーの情報が得られ,これを基にサプライヤーを選定する。

 サイト上に用意された各バイヤーの個別交渉テーブル(他のバイヤーは見ることができない。)で,バイヤーとサプライヤーが個別に交渉を行う。
 対象となる品目は,需要の大半を6社による需要が占める品目や,個々のバイヤー独自のスペックがあり,オークションやカタログになじまない品目である。

(3) グローバル市場でみた場合,X製品の6社のシェアの合計は50%以上である。6社のうち国内で事業を行っているのはA社のみであり,A社は国内のX製品の市場では上位の事業者である。国内にはA社のほかに,有力なメーカーが存在する。

(4) 調達サイトへの参加は,6社以外のX製品製造業者,サプライヤーとも基本的に自由であり,サイトでの最低購入義務や他の調達サイトへの参加制限は課されていない。また,同業種においては,現在のところ,他に類似の調達サイトは存在しない。

3 独占禁止法上の考え方

(1) 調達サイトの設立は,基本的には,参加者の取引機会を拡大し,受発注に伴うコストを削減すること等により企業間取引を効率的なものとし,最終的には消費者に供給される製品の低廉化に資することになるものと考えられる。
 しかしながら,調達サイトの仕組み・運用いかんによっては,独占禁止法上の問題を生じさせ,効率化のメリットが消費者に還元されなくなる場合が考えられる。これら調達サイトの問題点については個別の事案に即して判断する必要があるが,本件のような調達サイトについて考えられる問題点を整理すると次のとおりである。
 なお,本件のように国内外の事業者が参加する調達サイトの取引については,まず,当該取引に関連する市場において,調達サイトの仕組み・運用が競争制限的効果を有するかどうかを検討し,これが我が国市場における競争に影響を及ぼす場合には独占禁止法上の問題が生じることとなる。

(2) 調達の方法

ア オークション
 本件のように,各バイヤーが共同して必要とする原材料等を取りまとめて購入するオークションは,共同購入の一形式と考えられる。
 当該原材料等の需要全体に占める共同購入参加者のシェアが高い場合には,共同購入によって参加者が市場支配力を行使することとなるおそれが強く,当該原材料等の取引における競争が制限されるおそれがあり,また,当該原材料等を用いた製品の販売分野における参加者のシェアが高く,製品製造に要するコストに占める共同購入の対象となる原材料等の購入額の割合が高い場合には,共同購入を通じて参加者の販売価格が同一水準となりやすいなど,販売に関する競争が制限されるおそれがあることから,独占禁止法上問題が生じる 〔独占禁止法第3条(不当な取引制限)〕。

イ カタログ購買
 カタログ方式そのものが直ちに独占禁止法上問題となるものではないが,相談の場合においては,運営会社がバイヤー各社の情報を基に原材料等の価格を決定し,カタログに記載するところ,カタログ掲載価格の決定過程にバイヤーが関与する場合には,事実上バイヤーが共同して購入価格を決定するのと同じ効果を有することとなり,当該原材料等の需要全体に占める共同購入参加者のシェアが高い場合には,独占禁止法上問題が生じる〔独占禁止法第3条(不当な取引制限)〕。

ウ 相対取引
 相対取引は,各バイヤーがサイト上の個別交渉テーブルを利用して行うものであり,調達サイトを利用する点を除けば,各バイヤーがそれぞれ独自の調達システムを使ってサプライヤーと取引するのと同じであることから,直ちに独占禁止法上問題が生じるものではない。

(3) 参加者間の情報交換
 調達サイトの運営に当たっては,個々のネット取引に係る価格,数量等重要な競争手段に関する情報が運営会社に集中することとなる。このため,ネット取引参加者が運営会社の有するこれらの取引情報にアクセスすることが可能になると,競争関係にある参加者間の情報交換が容易となり,原材料等の購入分野あるいは当該原材料等を用いた製品の販売分野における参加者のシェアが高い場合には,競争制限的な行為につながりやすく,独占禁止法上問題が生じる(独占禁止法第3条〔不当な取引制限〕)。
 なお,ネット取引参加者が運営会社に出資したり,役員・従業員を派遣している場合には,特に慎重な検討が必要である。

(4) 調達サイトでの購入義務
 運営会社が,調達サイトに参加するバイヤー又はサプライヤーに対し,サイトでの購入又は販売を義務付けたり,他の調達サイトの利用を制限することは,当該事業者の購入先又は販売先の選択の自由が制限されることとなり,独占禁止法上問題が生じる(一般指定第11 項〔排他条件付取引〕又は一般指定第13 項〔拘束条件付取引〕)。

(5) 調達サイトへの参加制限
 調達サイトが当該業種において唯一の調達サイトになることなどから,当該調達サイトの利用が事業者にとって重要な競争手段となる場合,運営会社がバイヤー又はサプライヤーのサイトへの参加を制限したり,又は運営会社に出資するバイヤーが当該運営会社をして他のバイヤー又はサプライヤーのサイトへの参加を制限させることにより,当該事業者の事業活動を困難にさせる場合には独占禁止法上問題が生じる(独占禁止法第3条〔私的独占〕,一般指定第1項〔共同の取引拒絶〕)。

4 回答の要旨

 本件については,現時点での情報に基づく限り,調達サイトの設立そのものが直ちに独占禁止法上問題となるものではないが,以下の点に留意する必要がある。
 なお,調達サイトの具体的な仕組みに未定の部分があり,それらが今後明らかになることや,調達サイトの今後の運用の在り方によっては,新たな事実が生じてくることがあり得るが,その場合には,当該事実を踏まえた上で改めて独占禁止法上の問題点を検討することとなる。

(1) オークション方式について,その対象となる原材料等の需要全体に占める共同購入参加者のシェアが高い場合又は製品の販売分野における参加者のシェアが高く,製品製造に要するコストに占める共同購入の対象となる原材料等の購入額の割合が高い場合には,独占禁止法上問題が生じる。
 カタログ購買方式について,当該原材料等の需要全体に占める共同購入参加者のシェアが高い場合,当該参加者が運営会社の価格決定過程に関与することは,独占禁止法上問題が生じる。

(2) 運営会社に集中するネット取引に係る価格,数量等重要な競争手段に関する情報について,参加者が他社に関する情報にアクセスすることができないよう,適切な秘密保護措置を講じる必要がある。

(3) 運営会社が,参加者に対しサイトの利用を義務付けたり,他の調達サイトの利用を制限する場合又は特定の事業者に対しサイトの利用を制限する場合には,独占禁止法上問題が生じる。

 ○ 本件相談については,今後,事業者によるBtoB市場の活用が活発化することが予想されることから,これら事業者の取組の参考とするために,平成12年11月8日付けでその概要を公表しているところである。

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