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11 事業者団体による共同発注システムの構築

 建設業者を会員とする団体が,会員向けの数量積算共同発注システムを構築することは,独占禁止法上問題となるものではないと回答した事例

1 相談者

 X協会(建設業者を会員とする団体)

2 相談の要旨

(1) X協会は,建設業者を会員とする団体である。

(2) 建築工事の入札において,入札参加者である建設業者は,発注者から示される設計図及び仕様書を基に,建築物の建築に必要な材料等の数量を積算し(以下「数量積算」という。),それに単価を乗じるなどして,入札価格を決定している。数量積算は,官公庁Yが公表している基準によってある程度機械的に算出することができるものであり,どの事業者が行っても結果に大きな差が生じるものではない。また,建設業者は,自ら数量積算を行うことはあまりなく,建築積算事務所に発注することが一般的である。
 なお,一般に,数量積算に要する費用は,建築工事の入札価格の約0.2パーセントである。

(3) X協会は,同じ建築工事の数量積算を複数の会員が一括して建築積算事務所に発注することで,会員のコストを削減するため,以下のような会員向けの共同発注システム(以下「共同発注システム」という。)を構築し,コンサルタント会社であるZ社にその運営を委託することを検討している。

ア 建築工事の入札に参加する会員は,個別物件ごとに,共同発注システムを利用するか否かを独自に決定し,利用する場合,共同発注システムにアクセスする。アクセスすると,まず,その時点において共同発注システムの利用の登録がなされている個別物件の一覧が表示される。

イ 利用の登録ができるのは,入札を実施することが公表された日から10日間である。会員が個別物件につき利用の登録をすると,他に当該個別物件について登録している会員がいなければ「単」と,登録している会員がいれば「複」と表示される。登録から利用確定までの期間は3日間とし,会員は,この期間であれば自由に登録を解除することができる。

ウ Z社は,利用が確定した個別物件の特性等を考慮し,数量積算を依頼する建築積算事務所を物件ごとに1社選定し,数量積算を発注する。Z社から発注を受けた建築積算事務所は,数量積算を行い,成果物をZ社に提出する。

エ Z社は,成果物を会員に納入し,建築積算事務所への発注費用及びZ社が収受する手数料の合計額を,利用した会員の数で頭割りし,当該会員に請求する。

オ 会員は,Z社から納入された成果物を利用するかどうかについて,自由に判断することができる。また,会員は,共同発注システムを利用したとしても,別途独自に建築積算事務所に数量積算を発注することも可能である。

(4) 共同発注システムを利用するには,Z社に対して手数料を支払う必要があるので,共同発注システムを利用した会員が1社である場合,当該会員が独自に建築積算事務所へ発注する場合よりも割高になることがある。
 また,会員は,急ぎのときは,無理の利く取引関係の深い建築積算事務所に依頼するなど,必要に応じて共同発注システムを利用しない場合もある。
 以上のことから,会員が共同発注システムを利用せず,独自に建築積算事務所に数量積算を発注することも十分想定される。

(5) 建築積算事務所は,一般に,建設業者との間で,数量積算だけではなく,概算積算等他の取引も行っており,また,官公庁,設計事務所,施主等他の顧客との間でも様々な取引を行っている。

 このようなX協会の取組は,独占禁止法上問題ないか。

3 独占禁止法上の考え方

(1) 共同発注システムは,建築工事の入札参加者間における数量積算を共通化するものであり,これが会員である建設業者間の競争や建築積算事務所間の競争に悪影響を与える場合には,独占禁止法上問題となる(独占禁止法第3条,第8条第1号,第3号又は第4号)。

(2) 建設業者間の競争に与える影響については

ア 共同発注システムは,どの事業者が行っても結果に大きな差が生じない数量積算を共同で発注するものであること

イ 共同で発注するのは数量積算のみであって,材料等の単価や管理費等は入札参加者が独自に設定すること

ウ 建築工事の入札価格のうち,数量積算に要する費用が占める割合は,約0.2パーセントにすぎないこと

 から,本件共同発注システムが,会員である建設業者間の価格競争に与える影響はほとんどないと考えられる。また

エ 個別物件について,共同発注システムを利用する会員が複数であるか否かは分かるものの,利用者数や利用する会員名は分からないこ

オ 共同発注システムを利用するかどうかは会員の任意であり,また,会員は,他に共同発注システムを利用する会員が見込まれない場合や,急ぎの場合等には,独自に発注することも考えられること

 から,本件共同発注システムの利用を通じて,建築工事の入札に参加する建設業者間で受注意欲の交換がなされるなどして,受注調整等の競争制限的な行為が行われることがより容易となる可能性も低いと考えられる。

(3) 建築積算事務所間の競争に与える影響については

ア Z社が特定の建築積算事務所に恣意的に発注するといった事情も認められないこと

イ 共同発注システムを利用するかどうかは会員の任意であり,また,会員は,他に共同発注システムを利用する会員が見込まれない場合や,急ぎの場合等には,独自に発注することも考えられること

ウ 共同発注システムにより共通化される数量積算は,建築積算事務所が顧客に対して提供する様々なサービスの一部にすぎないこと

 から,建築積算事務所間の競争に与える影響はほとんどないと考えられる。

4 回答の要旨

 X協会が,共同発注システムを構築することは,独占禁止法上問題となるものではない。
 なお,会員間で共同発注システムの利用に関する情報交換が行われることのないよう,例えば,X協会の会員,Z社及びこれらの従業員に対して,共同発注システムの利用の有無に関する情報についての守秘義務を課すといった措置を講じることが望ましい。

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