このページの先頭ですサイトメニューここから
このページの本文へ移動
公正取引委員会
  • サイトマップ
  • 音声読み上げ・文字拡大
  • ENGLISH
  • 公正取引委員会について
  • 報道発表・広報活動
  • 相談・手続窓口
  • 独占禁止法
  • 下請法
  • CPRC(競争政策研究センター)
サイトメニューここまで

本文ここから

平成29年 委員長と記者との懇談会概要(平成29年1月)

1 日時 平成29年1月25日(水曜) 13時30分~14時30分

2 概要

(1)委員長からの説明

 本日は,本年において公正取引委員会が競争政策を進めていく上での課題,また,これを踏まえてどう競争政策を運営していくかという基本的な考え方についてお話したい。
 公正取引委員会の任務は,競争環境を確保することであるところ,特に,経済の成熟化,少子高齢化といった大きな社会変化の中で経済を更に発展させていくためには,イノベーションを促進する競争環境の確保が重要と考えている。
 個人的な印象であるが,1980年代の日米半導体合意において,政府主導の下,市場を分割し,価格も協定するということが行われたところ,その中で,日本企業はイノベーションに対するインセンティブを失い,その結果,日本のエレクトロニクス産業は厳しい状況を迎えたものとみられる。その反省を踏まえると,競争環境の確保は,日本経済を発展させていくための不可欠な条件であると思っている。
 トランプ新大統領が選出された背景の一つに所得の不均衡の存在があると言われ,また,英国のEU離脱の背景の一つにもその存在が挙げられているが,このような不均衡は,グローバル化の結果,生じていると言われている。ここには,世の中を競争に任せておくと,勝者が多くを取り,敗者が虐げられ,結局,所得格差が拡大するという見方があるものと思われる。しかし,私としては,所得の不均衡は,レント,すなわち独占・寡占による超過利潤の発生が競争によって排除されず,むしろ競争が不足しているためにレントが持続していることによるものという分析もあり得るのではないかと思っている。また,競争が活発化し,イノベーションが促進されると,生産性が向上し,各生産要素に対する配分,つまり,労働に対する報酬も上がっていくものと思われ,競争の促進は,所得の再分配政策や他の政策とも相まって,所得の不均衡の是正にもつながっていくと考えている。
 このようなレントの発生が持続しないようにするためには競争の促進,活発化が必要であり,その意味で,公正取引委員会が,イノベーションを促進するような競争環境を確保するための活動,具体的には,反競争的行為を摘発し,自由で公正な競争環境を確保する活動をしているということを世の中に発信していくことが重要であり,本年においても,カルテル,談合,そして,単独行為と言っている私的独占や不公正な取引方法等の反競争的行為の摘発を積極的に行っていきたい。
 また,イノベーションを促進する競争環境を確保する観点からは,IoT(インターネット・オブ・シングス)やAI(人工知能)といったIT分野において,イノベーションを阻害するような環境を是正していくことも重要であり,IT分野における競争政策の運用も積極的に考えていきたいと思っている。現在,IT分野において支配的な地位を占めているような企業も出てきており,こうした支配的な地位を占める企業がその地位を濫用し,他の事業者を排除する,若しくは支配する,又は不公正な取引方法を採ることにより,競争をゆがめることがないかをモニターしていくことも必要と思っている。この点では,先般,IT・デジタル関連分野における情報窓口を設置し,情報収集を積極的に行うことで企業行動をモニターする体制を整備したほか,携帯電話市場における競争の状況について調査し,報告書を公表したところである。
 また,農業分野における情報窓口を設置したほか,需要の拡大が見込まれる介護等の分野についても実態調査を行い,競争環境を整備するために必要と考えられる方策を提言したところである。
 企業結合の関係では,公正取引委員会は競争制限的な効果を持つような企業結合について審査することとなるが,最近では,国際化の影響もあり,日本企業同士の企業結合にとどまらず,国境を越えた外国企業同士の企業結合,日本企業と外国企業の間の国境を越えた企業結合も多く出てきている。競争制限効果があり,いずれ独占や寡占につながるような企業結合については厳正に審査し,競争促進的な環境を確保することにより,レントの発生や消費者利益の阻害につながることを防止しようとしている。
 最近の事例としては,ラム・リサーチ・コーポレーションとケーエルエー・テンコール・コーポレーションの統合に関する審査事例がある。当該事例は,米国企業同士の統合に関するものであり,半導体の製造装置メーカーと検査装置メーカーの垂直的な統合によって半導体製造装置のメーカー間の競争が制限されるおそれがあることを指摘し,また,米国当局も同様の議論を行っていたことを踏まえ,当事会社から取下げがあった事例である。
 出光興産株式会社による昭和シェル石油株式会社の株式取得とJXホールディングス株式会社による東燃ゼネラル石油株式会社の株式取得の審査では,例えば,ガソリンの元売市場では合計で8割程度のシェアを持つ大きな二つのグループが形成されることを踏まえて検討を行ったところであり,当事会社から提出された問題解消措置を前提に承認したところである。
 企業がイノベーションを通じて積極的に競争力をつけ,そして,経済の発展,更には消費者の利益につながっていくという流れにしていくことが今年の公正取引委員会の課題と考えているところであり,本年においても,引き続き,反競争的行為の取り締まり,競争制限につながるような企業結合の防止,経済状況の変化を踏まえた法運用,競争促進に資する方策の発信など,競争政策を積極的に実施していきたいと考えている。

(2)質疑応答

(問) いわゆる確約手続については,委員長も年頭所感等において事案の迅速処理を可能にする有効なツールと位置付けているが,施行されるにはTPPの成立が条件となっており,トランプ大統領の就任によって施行の見通しが暗いと思われる。この点について,どのようにみているか。
(答) TPP関連法の中に,独占禁止法の一部改正,つまり,確約手続の導入が入っている。これは,当事者間の合意によって,問題を解決する手段を導入するものであるが,TPPが発効しないと施行できない仕組みとなっている。トランプ大統領がTPPから離脱するという大統領令に署名したといった報道があるように,米国においてTPPが批准されるという状況は大変厳しいものがある。ただ,私どもとしてはTPPが世界にとっても非常に有用なものであって,米国が考え直し,批准することを希望し,その推移を見極めながら対応していく必要があると考えている。
(問) トランプ大統領から,日本は,米国車を販売することを困難にしているというような発言があったと報道されているが,日本の市場がフェアではないというような表現をしていることについて,委員長としてはどのように受けとめているか。
(答) 相当前の日米交渉の際にもそのような議論があり,自動車市場について公正な競争環境が整備されているかということについて,公正取引委員会において調査したことがあったが,それ以降,いろいろな措置が採られており,今の時点で,競争環境がゆがめられているという認識はない。
(問) 1月12日付けで,ビッグデータについての検討会を立ち上げるとの発表がなされているが,その狙いを伺いたい。
(答) 競争上,情報というのは非常に重要な地位を占めている。情報がゆがめられたり,適切に提示されなかったりする場合,競争は適正に機能しない。その意味で,ビッグデータがどのように事業に活用され,また,競争をゆがめることがないかということは,競争当局として大きな関心事であり,CPRC(競争政策研究センター)において検討を始めたところである。
(問) データには,インターネットの検索データやGPSによる移動データなど様々なものがあるが,今回の検討ではどのようなものを対象としているのか。
(答) 特定の分野におけるデータを対象とするのではなく,全般的にデータというものと企業活動との関連について検討してもらいたいと考えている。
(問) データや電子商取引に関連する行為について,独占禁止法の適用のイメージはどのようなものか。
(答) 参入が阻害されていないか,自由で公正なビジネスの展開が阻害されることがないか,といった切り口で情報の使われ方について見ていく必要があると思っている。
(問) 経済産業省の方でもデータに関する研究会を開催するという発表がなされているが,CPRCの検討会と経済産業省における研究会との関係について伺いたい。
(答) 経済産業省は産業振興の立場から検討し,公正取引委員会はあくまでも競争政策の立場から考えていくことになるため,観点が違うと考えている。
(問) ITやデジタルの問題について情報を受け付ける情報窓口を設けたことによる効果は何か出ているか。
(答) 情報窓口を設けるなど,モニターしていくことによって,違反行為を発見するという効果もあると同時に,関連する事業者に対する牽制効果もあると考えられ,これによって,それぞれの事業者において反競争的行為を自ら規制するという効果もあるものと思っている。
(問) 課徴金制度の在り方について,独占禁止法研究会では昨年末までに一通りの論点に触れ,今後は報告書案の取りまとめに向けた動きが本格化すると思われるが,調査協力インセンティブに関する課題については,どのような方策が望ましいのか,認識を伺いたい。
(答) 総論・各論について議論が一巡し,これから報告書をまとめていただくための議論が進んでいくものと思っており,私としては,その検討結果を見守りたいと考えている。課徴金制度の見直しについては,経済実態と余り合わないような執行を是正したいということが一つの大きな理由であるが,調査協力インセンティブを課徴金制度に取り込むことも重要と考えている。これは,事業者が調査に協力することにより,将来における反競争的行為の予防・抑止の体制整備につながると考えられるなど,調査協力インセンティブを調査過程に取り込むことは独占禁止法の執行に非常に有益と思われるからである。このような制度は,米国,欧州といった先進国のみならず,アジアの国々においても採られているところであり,このような点も踏まえ,研究会において検討されている。
(問) 独占禁止法研究会における課徴金制度の議論の中で,防御権についての議論が尽くされているのかどうか,認識を伺いたい。
(答) 調査協力インセンティブを踏まえた課徴金制度にしてはどうかという議論の中で防御権をどう考えるのか,報告書をまとめる中で引き続き議論がなされるものと思う。

以上

 [配布資料]

ラム・リサーチ・コーポレーションとケーエルエー・テンコール・コーポレーションの統合に関する審査の中止について(平成28年10月7日公表資料)

出光興産株式会社による昭和シェル石油株式会社の株式取得及びJXホールディングス株式会社による東燃ゼネラル石油株式会社の株式取得に関する審査結果について(平成28年12月19日公表資料)

「流通・取引慣行と競争政策の在り方に関する研究会」報告書について(平成28年12月16日公表資料)

事業者団体における独占禁止法コンプライアンスに関する取組状況について(平成28年12月21日公表資料)

本文ここまで


以下フッターです。

公正取引委員会 Japan Fair Trade Commission

〒100-8987 東京都千代田区霞が関1-1-1 電話 03-3581-5471(代表)
  • ご利用案内
  • 関連リンク
  • 所在地
Copyright © 2013 Japan Fair Trade Commission. All Rights Reserved.
フッターここまでこのページのトップに戻る