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平成29年 委員長と記者との懇談会概要(平成29年4月)

1 日時 平成29年4月25日(火曜) 13時30分~14時30分

2 概要

(1)委員長からの説明

 独占禁止法研究会報告書の提出を受け,まず,課徴金制度の見直しに関する問題意識についてお話ししたい。
 最近における経済活動の状況をみると,事業活動の多様化・グローバル化がみられるほか,異なる業種にある各企業が一つの企業集団として活動している実態やIT化による複雑なビジネスモデルの出現がみられるなど,法定された算定方式に従って一律的かつ画一的に課徴金を算定・賦課する現行の課徴金制度が現在の経済実態に対応できていない状況がみられる。
 また,現在の日本経済は,様々な分野で需要の飽和がみられる。このような中で日本経済を成長させるためにはイノベーションが重要であり,イノベーションによって供給サイドが需要サイドを引っ張ることで雇用機会が確保され,日本経済が発展することになると考えられる。このようなイノベーションの促進を図るためには,競争政策を積極的に展開し,競争環境を守ることが最も重要な要素となる。この意味で,独占禁止法の執行力を確保することは日本経済を発展させていくためのインフラといえるものであり,現状の経済実態を踏まえ,独占禁止法の執行力が十分確保できるような課徴金制度に見直していく必要があると考えている。
 このような問題意識を踏まえ,独占禁止法研究会において,1年超をかけ,15回にわたって,かなり突っ込んだ,深い検討をしていただいた結果,今回,大きく三つの点について提言を頂いたところである。
 一つ目は,画一的,硬直的な課徴金制度について,現状の経済実態を踏まえ,どのように修正していくかという点に関する提言である。例えば,国際市場分割カルテルでは,日本における売上げがない場合,当該企業には課徴金が課せられないほか,企業集団の中で,カルテルの意思決定をした企業と実際にカルテル対象商品の売上げのある企業とが異なる場合には,カルテルの意思決定をした企業にはカルテル対象商品の売上げがないため課徴金が課せられないなど,経済実態に合わない不合理な,また,不公平な点が出てきている。
 このような点を踏まえ,課徴金の算定基礎とする売上額の範囲の見直し,算定期間の延長,業種別算定率の廃止といったことについて,今回,理論的にも詰めた形で報告を頂いたところである。
 二つ目は,現行の制度においては,事業者と公正取引委員会が対立した関係にある中で事件審査が行われているため,双方の負担が増加し,迅速かつ効率的な法執行ができていないという点に関する提言である。
 諸外国においては,当局の調査に対する事業者の協力度合いを勘案して,当局の裁量によって課徴金を決定する仕組みになっている。我が国においても,そのような仕組みを導入することによって,事業者の調査協力へのインセンティブを高め,事業者と公正取引委員会が一緒に事件の解決に向かうことが望ましいと考えられ,このような観点から,調査協力に対する課徴金の減額,調査妨害に対する課徴金の増額等の必要性について報告していただいたところである。
 これらの提言に共通することは,反競争的行為や競争制限的な企業結合に対する法執行制度の世界的な収れんにつながっていくということである。各国の法執行の制度は相当程度異なるが,企業が国境を越えて活動する現状においては,できるだけ収れんさせていく必要があると考えている。
 また,三つ目として,上記の提言を踏まえた新しい制度の下での手続保障についても検討していただき,報告を頂いたところである。
 今後,この報告書を踏まえ,法制化に向けた検討を行い,内閣法制局との議論,経済界,法曹界,消費者団体等の関係各方面との調整等も踏まえながら,独占禁止法改正法案の国会提出を目指して作業を進めていきたいと考えている。

(2)質疑応答

(問)報告書において,企業側の協力を促す制度の導入に関する提言があるが,大企業であっても社内調査の体制が必ずしも整っているとはいえない現状を踏まえ,企業側にはどのようなことが求められると考えるか。
(答)近年における経済活動のグローバル化に伴い,日本企業の行為が国内のみならず,米国や欧州等の競争当局の調査対象となるケースが出てきており,企業において,独占禁止法の遵守が重要との意識が高まることが期待される。また,反競争的行為について,当局との対立構造ではなく,自ら発見して当局の調査に協力し,当局と一緒になって反競争的行為を改めていくという制度とすることで,法令遵守体制を更に充実させようとする意識が喚起されることが期待される。
(問)防御権について,もう少し拡充すべきとの声があるが,前回の独占禁止法改正時の附帯決議との関係も含め,考えを伺いたい。
(答)手続保障については,前回の独占禁止法改正法の附則及び附帯決議において,審査手続に関し,他の制度との関連も含めて検討すべきとされたことを踏まえ,内閣府に設けられた懇談会において,審査手続に関する検討がなされたところである。その懇談会の報告において,実態解明機能と手続保障のバランスをとる必要があるとされたほか,審査手続に関するガイドラインを作成するべきとされた。当該報告を受け,公正取引委員会として,審査手続に関するガイドラインを作成したところであり,これによって前回の独占禁止法改正法の附則及び附帯決議については必要な対処を行ったものと考えている。
 なお,諸外国において弁護士・依頼者間のコミュニケーションに関する秘匿がどのように認められているかは,それぞれの国の司法制度に関係している。当該秘匿が認められている諸外国においては司法妨害罪や法廷侮辱罪といった実態解明を阻害する行為に対する強い制裁があるが,我が国はそのようになっていないところがある。
 また,弁護士・依頼者間のコミュニケーションの秘匿については,単に独占禁止法だけの話ではなく,刑事訴訟法や民事訴訟法全般に関わる問題でもあり,独占禁止法のみの議論ではない。一方で,当局の調査に対する協力インセンティブを高める点において,事業者が弁護士に相談することが有効に機能する可能性もあることから,報告書では,その範囲において事業者と弁護士とのコミュニケーションに配慮する取扱いができるか検討すべきとされたものと考えている。
(問)イノベーションが経済成長に関して重要となる中で,ビッグデータ等の情報に関する関係省庁による規制に対して,産業界から,現時点では早過ぎるという意見が出ている。この点について,どのように考えるか。
(答)IT化が進み,情報が様々なところで収集されるような状況において,例えば,あるプラットフォームが情報を独占することによって他者を支配又は排除するような行為は問題ではないかといった観点から,情報に関する競争政策上の取扱いを検討することが課題となっている。現在,「データと競争政策に関する検討会」を競争政策研究センターで行っており,その検討結果も参考にしつつ,どのように競争政策を実施していくかが今後の課題である。
(問)現在,株式会社東芝が半導体事業の売却に向けた作業を進めているが,どのような点に注目しているか。
(答)一般的に,企業の競争力を高める企業結合は望ましいが,競争をなくすことによって生き残りを図るといった企業結合は問題であると考えられる。また,このような考え方は企業結合に関する世界標準の審査方針である。したがって,市場における競争を制限することにならないかという点について,東芝の半導体部門の買い手がどこになるか,どこが資本参加するかなどを踏まえ,審査することとなろう。また,売却先等によっては,日本の当局だけではなく,諸外国にも届出が必要になることも考えられる。いずれにしても,現時点では,予断をもって申し上げるべきではないと考えている。
(問)報告書では,企業の協力インセンティブを高める点について提言されているが,一方で,公正取引委員会としては,今後,例えば審査担当者の能力向上等,どういったことが必要になると考えるか。
(答)平成17年の独占禁止法改正により課徴金減免制度が導入され,以後,公正取引委員会の法的措置における課徴金減免申請の役割は非常に大きくなってきている。一方で,課徴金減免申請以外の端緒に関してもきちんと調査して実態を解明していく能力がなければ,課徴金減免申請も促されないであろうし,企業の協力インセンティブを盛り込んだ課徴金制度も機能しないであろう。その意味で,公正取引委員会の調査能力を充実させ,また,磨いていくことは依然として重要であると考えている。

以上

 [配布資料]

独占禁止法研究会報告書について(平成29年4月25日公表資料)

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