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平成26年4月1日(火曜)発行 第250号

1.事務総長定例記者会見

3月26日

 第11回競争政策研究センター(CPRC)国際シンポジウムの概要について

 
 私から,今日は,去る3月14日にCPRC(競争政策研究センター)が開催いたしました第11回国際シンポジウムにつきましてお話をさせていただきたいと思います。
 

 テーマは,これまでも申し上げましたけれども,「デジタルエコノミーにおける競争政策」というテーマでシンポジウムが行われました。
 当日は,海外からお招きしました,クレメール トゥールーズ大学経済学部教授,ライスマン ボストン大学経済学部教授から基調講演がそれぞれ行われまして,その後,CPRCの主任研究官をお願いしております大橋東京大学大学院教授をコメンテーターに交えまして,CPRC所長の岡田一橋大学大学院教授をモデレーターとしてパネルディスカッションが行われたところであります。
 なお,コメンテーターとして当初御参加していただく予定でありましたフレデリック・ジェニーOECD競争委員会議長は,直前に体調を崩されたため,急きょ,来日を中止せざるを得なくなりました。
 

 このシンポジウムの内容につきましては,お配りしている資料,これは速報版でございますが,そこにまとめてあります。また,後刻,CPRCのホームページで詳細に講演とシンポジウムの内容を紹介するほか,日本経済新聞及び月刊「公正取引」にもその内容が掲載される予定ですので,詳しくはそちらを御覧いただければと思いますが,本日は,簡単にシンポジウムの概要につきまして,私なりに理解したところを申し上げたいと思います。
 

 まず,2人の講演者の講演の内容でございます。
 1人目のクレメール教授からは,まずデジタルエコノミーの特徴とは何かということで何点か御指摘がありました。1つは,デジタルエコノミーについて,利用者が増えるごとに費用が低下する収穫逓増であること,increasing returns to scaleといいますか,規模の経済があるということ,それから2つ目に,ウェブの知的財産権の多くは企業秘密として取り扱われていること,さらに3番目といたしまして,スイッチングコストでありますとかネットワーク効果は既存事業者の利益を増加させる一方で,参入事業者をより競争において攻撃的にする傾向があると,そういう特徴等を御説明されました。そして,これらの特徴が独占的地位の構築を助長するということ,それから市場における競争ではなく,市場を目指した競争,英語で言われましたけれども,competition on the market,市場における競争ではなくて,competition for the marketと,市場の獲得を目指す,あるいは市場の創設を目指した動的な競争が生ずる可能性があるということ,また,その独占は必ずしも安定的ではないという御指摘がありました。その上で,ウェブ上での競争を分析する経済学的な手法というのは多数存在しており,個別の問題・状況に適した形でそれらの手法を組み合わせていく必要があるという御発言があったところであります。
 

 2人目のライスマン教授は,資料にありますように「双方向市場,市場支配力及び排他的行動」という題で講演をいただきました。教授からは,デジタルエコノミーにおいては,インターネットショッピングモールのように,商品の売手と買手がプラットフォームを通じて取引を行う双方向の市場であるというところに特徴がある,Two-sided marketsと英語で言うみたいですけれども,売手,買手,2つのグループの間にはネットワーク効果という外部性が存在する場合が多いというお話と,それから,プラットフォーム事業者は,売手側,買手側それぞれの取引相手との価格等の取引条件を双方の市場の費用と需要を考慮して設定する,したがって,普通の市場,一方向の通常の市場における取引の場合の価格設定とは大きくその価格は乖離する場合があるといった双方向市場における価格設定等の特徴について説明がありました。その上で,双方向市場における事業者の市場支配力というものの分析については,これまでのアメリカ等の事例を見ますと,排他的取引のような単独行為については双方向市場のそれぞれの市場を一つの市場と設定してみて分析できることが多いということですが,合併については双方向市場の両方を一体とみて,市場両面における市場支配力をトータルに考慮して分析する必要があるという御発言がありました。
 

 次に,コメンテーターの大橋教授からは,お2人の今のスピーカーの基調講演のお話を取りまとめる形でのお話がありました。
 具体的には,デジタルエコノミーの特徴として,インターネットを介さないで取引を行う普通のアナログエコノミーと比べた場合には,規模の経済がより強く働きやすい反面,プラットフォームの盛衰も激しいということを御指摘されました。
 また,市場における行為そのものではなく,行為が市場の競争にもたらす効果を個別に評価していく必要があるという御発言がありました。
 その後のパネルディスカッションでは,4つぐらい論点があったと思いますが,1つは,デジタルエコノミーは規模の経済が強く働き技術革新も激しいため,企業結合規制を行う場合には構造的問題解消措置よりも行動的な問題解消措置の方が効率的ではないかという議論。
 2つ目に,デジタルエコノミーにおける知的財産権の問題及びデータ活用,ビッグデータの問題でございますが,データ活用によるプライバシーの侵害の問題に関しては,競争当局と知的財産制度を所管する当局又は消費者保護の政策を所管する当局との調整が一層重要であり,その中でいかに競争を確保していくかが課題となるという話。
 3番目に,デジタルエコノミーでは,先ほども申し上げましたように市場を目指した競争,市場獲得を目指した競争,あるいは市場の創設を目指した競争,competition for the marketをいかに活発にしていくかが競争政策上重要であるということから,競争当局においては,各分野で新規参入しやすい環境を確保するということ,特に,市場の発展の早期段階において独占企業によって排他的行動が行われないよう監視していく必要があるという議論がありました。
 さらに4点目としてもう一つ付け加えさせていただきますと,プラットフォーム業者,あるいはコンテンツプロバイダーなどの活動が1つの国の中にとどまらないというのが通常でございますので,競争当局の執行においてもグローバルな観点に立つことが重要であるという御指摘がありました。
 

 以上がシンポジウムの概要ですが,いずれにしましても,デジタルエコノミーがますます拡大している今日,その特徴を十分踏まえた上で,競争政策がこれにどのように対応すべきかということにつきまして,海外の有識者を交えて,欧米における事例を参考にしつつ広範な議論が行われたということは,我々にとって極めて意義深いことであったと考えています。
 

 当日は大勢の方々,150名を超える方々に御参加いただきまして,また,アンケートにつきましても多くの方々に御協力いただきまして,評価としては,回答者の半数近くの方から「大変参考になった」との評価を頂いたところであります。
 今後とも,CPRCといたしましては,競争政策に関する国際的な交流拠点としての機能を果たしていくため,外部の方々の意見も参考にしつつ,一層有意義な国際シンポジウムを毎年開催していきたいと考えておりますので,皆さん方も何か興味のある話題,こんな話題でシンポジウムを開催したらどうかというものがもしありましたら,お話を私どもにいただければと思います。 

http://www.jftc.go.jp/houdou/teirei/h26/1_3/kaikenkiroku140326.html

2.消費税転嫁対策コーナーについて

消費税の転嫁拒否等の行為の未然防止のための取組

 公正取引委員会は,消費税の円滑かつ適正な転嫁を確保することを目的として,消費税転嫁対策特別措置法の周知等,消費税の転嫁拒否等の行為(以下「転嫁拒否行為」という。)を未然に防止するための各種の施策を実施しています。

http://www.jftc.go.jp/tenkataisaku/index.html

消費税の転嫁拒否等の行為の有無についての調査(書面調査)

 公正取引委員会では,消費税の転嫁拒否等の行為の有無を把握するための調査を実施しています(今回の調査対象となる事業者には平成25年11月1日付け文書を発送しています。)。

消費税の転嫁拒否等の行為の有無についての調査(書面調査)

消費税転嫁・表示カルテルの届出状況の公表について

消費税転嫁・表示カルテルの届出は,原則として,届出を受け付けた月ごとに取りまとめて,翌月,公正取引委員会HPに届出状況として掲載します。

消費税転嫁・表示カルテルの届出状況の公表について

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