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(平成20年5月9日)公共調達における改革の取組・推進に関する検討会報告書(概要)

平成20年5月9日
公正取引委員会

1 趣旨

 入札談合は,公共調達の仕組みと関係する点が多いことから,公正取引委員会では,入札制度に関し,平成15年度から平成18年度において,地方公共団体等の発注機関を対象として,入札制度の改革やコンプライアンス向上の取組の状況について,アンケート調査等を実施し,その結果を取りまとめ,公共調達に関して競争政策上望ましい方向について考え方を提示してきたところである。
 平成18年度においては,公共工事に関連する収賄罪,談合罪で知事や出納長が起訴される事件が相次いだことを受け,平成18年12月の全国知事会においては,入札談合,とりわけ官製談合の根絶に向けての取組を進める旨の指針が示されるなど,各発注機関においてコンプライアンスの向上・入札制度改革の取組が進められている状況にある。
 しかしながら,これらの取組については,基本的に各発注機関が独自に検討を進めており,各発注機関でいまだ試行錯誤を繰り返している状況ではないかと思われる。
 そこで,公正取引委員会としては,国・都道府県・市・政府出資法人の担当職員を招致し,各発注機関における入札制度に係るコンプライアンスの向上・入札制度改革の取組状況について情報交換を行うとともに,発注機関がこれらの取組を行っていく中で直面した問題点・課題等について,有識者を交えて検討を行うことにより,実効的な取組を更に推進することを目的として,「公共調達における改革の取組・推進に関する検討会」(以下「検討会」という。)を開催し,その検討結果を報告書として取りまとめた。

2 検討会の概要

(1) 検討会メンバー

 検討会は,合計3回開催したところ,参加メンバーについては,3回の検討会すべてに参加するメインメンバーと,3回のうち,いずれか1回に参加するサブメンバーを選定した。

ア メインメンバー

 (発注機関)
 国土交通省,埼玉県,名古屋市,中日本高速道路株式会社
 (有識者)
 柳川範之 東京大学大学院経済学研究科准教授
 楠 茂樹 上智大学法学部准教授

イ サブメンバー

 (第1回) 大阪府,新潟市
 (第2回) 山形県,横須賀市
 (第3回) 岡山県,明石市

(2) 検討会の開催状況


第1回 第2回 第3回
開催日時 平成19年11月26日
14時~16時
平成19年12月19日
13時~15時
平成20年1月30日
13時30分~15時30分
議題 発注機関におけるコンプライアンスの取組及びその問題点について 入札制度改革とそれに伴う問題点への対応について 同左
事例報告
  • 国土交通省
  • 大阪府
  • 新潟市
  • 中日本高速道路株式会社
  • 山形県
  • 埼玉県
  • 横須賀市
  • 岡山県
  • 名古屋市
  • 明石市

3 発注機関におけるコンプライアンス向上の取組について【第1回検討会】

(1) コンプライアンス向上の取組事例

ア コンプライアンス担当部門の設置
イ コンプライアンス・マニュアルの制定
ウ コンプライアンスに関する研修等の実施
エ 内部通報窓口の設置
オ 職員の再就職の見直し

(2) 提起された課題

ア 違法行為の隠蔽を防ぐには,どのような取組を行うべきか。
イ コンプライアンスの取組を形骸化させないためには,どのような取組を行うべきか。

(3) 課題に対する参加者からの主な意見

ア 違法行為の隠蔽を防ぐためには,どのような取組を行うべきか。

  •  隠蔽した場合には,組織が受けるダメージがより大きくなることを周知している。
  •  内部通報について,調査結果を通報者に伝えたり,匿名の情報提供であっても組織内のWebページに掲載することにより,匿名情報であっても受理したものはきちんと対応するということを職員に周知している。
  •  通報のインセンティブを与えるため,違反行為に関与した者が自ら報告した場合には懲戒処分を軽減又は処分において斟酌事項として考慮する。
  •  自ら通報した場合の懲戒処分の軽減等について,制度としてどれだけ軽減されるかが明示されていないので,通報者にとって,本当に軽減されるのか不明であるという意見もあり,今後の課題となっている。
  •  情報をどれだけ早い段階で把握できるかが重要となる。情報の迅速な把握については,リーニエンシー制度のように通報のインセンティブを与えることが重要となる。
  •  情報提供させることも重要だが,その部分をフィードバックさせた場合にも問題が起こらないような仕組みを作れるかが大きなポイントとなる。

イ コンプライアンスの取組を形骸化させないためには,どのような取組を行うべきか。

  •  第三者による監視,状況チェックが必要である。
  •  上層部が日頃から本気で取り組んでいる旨を表明するようにしている。
  •  職員の中に,コンプライアンスよりも優先されることがある,という意識がまだ残ることのないように,長期的に取り組んでいかなければならない。
  •  コンプライアンスばかりを考えると,違う形で悪い方向へ行ってしまうこともある。職員による予定価格の漏洩を防ぐために予定価格を公表した結果,最低制限価格の予想がつきやすくなり,まじめに積算をせずに最低制限価格ぎりぎりで入札する事業者が出てくる等の状況が生まれる。入札制度の在り方とコンプライアンスの在り方をある程度マッチングさせていかなくてはならない。
  •  制度には実効性が必要であり,不正行為を行うことにはデメリットがあることを周知しなければならない。
  •  公共調達に関わるコンプライアンスは,不正行為に関わるコンプライアンスと若干タイプが異なっており,談合を行うことに本質的にメリットがあると職員が信じているような場合がある。競争によって,良いものを安く提供することにメリットがあるということについて,教育を行い,十分認識させる必要がある。

(4) 検討結果を踏まえた考え方

 「コンプライアンスの向上の取組」については,官製談合等の違反行為を起こさないための取組と違反行為が起きた場合に発注機関としてできるだけ早期に対処するための取組を相互に連携させながら進めていくことが重要である。また,コンプライアンスの向上の取組においては,担当部門の設置,マニュアルの制定,内部通報制度の整備等の制度面の整備も重要であると考えるが,制度面の整備にとどまらず,これらの制度が有効に活用され,職員一人一人にコンプライアンス意識が浸透するような取組が推進されることを期待するところである。
 公正取引委員会は,従来から,発注機関におけるコンプライアンスの向上策等の取組に関する実態調査,発注機関が開催する独占禁止法及び入札談合等関与行為防止法の研修会への講師の派遣等を積極的に行っているところであり,今後も発注機関におけるコンプライアンスの向上の取組の支援を積極的に行っていく所存。

4 入札制度改革とそれに伴う問題点への対応について【第2回,第3回検討会】

(1) 入札制度の主な改革事例

ア 一般競争入札の拡大
イ 総合評価方式の導入
ウ 電子入札の拡大
エ 情報公開の促進
オ 違反事業者に対するペナルティの強化
カ 地元事業者の育成と公正な競争の確保
キ 工事品質の確保
ク 入札事務の適正化・効率化

(2) 提起された課題

ア 総合評価方式の導入について
イ 地元事業者の育成と公正な競争の確保について
ウ 1社入札,入札不成立の問題について

(3) 課題に対する参加者からの主な意見

ア 総合評価方式の導入について

  •  総合評価方式を導入して品質を確保していくのか,入り口の段階で品質確保のために入札参加資格を厳しくしていくのかについての選択が必要。
  •  ある発注機関でうまくいっている取組が,他の発注機関でもうまくいくかは分からないところである。公共工事は,社会資本整備であるから,競争政策,労働政策,社会政策,いろいろな側面があるので,発注機関として何を選択するのか,どこにウェイトを置くかで判断していくものと思われる。
  •  物件の金額が大きく,受注したい事業者の数が多ければ,総合評価方式を実施する価値はあると思われる。
  •  総合評価方式の拡大については,発注機関側の審査に係る業務量の増大が問題となっている。
  •  例えば,施工計画の評価のように,その計画が全うされる保証のないものに対して評価を付けるのは難しい。
  •  最低入札価格よりも高い価格で応札した事業者が落札した場合,でき上がったものについて,その差額分の価値があるということを対外的に説明するのが難しい。
  •  過去の実績のみを評価する超簡易型の総合評価方式の場合,あらかじめ自社に付与される点数が予想でき,点数が低い事業者は,受注するために更に厳しい価格で入札するのではないかという懸念がある。
  •  総合評価方式を導入した結果,工事成績は上がり,落札率も低くなった。受注するために技術力,価格力とも勝負してきているものと思われる。
  •  実際には,価格も技術力も1位の者が落札者となることが多いため,価格が最低ではない事業者が落札するいわゆる「逆転」の件数はそれほど多くない。

イ 地元事業者の育成と公正な競争の確保について

  •  一般競争入札において,地域要件を設定しているのは,市内に本店を有する事業者が比較的多い業種や等級の案件である。しかし,そうであっても,一般競争入札及び電子入札が始まって以降,入札の不成立が増える傾向にある。
  •  地域要件を課した一般競争入札を行った結果,指名競争入札を行っていた時よりも入札者数が減っている状況だが,落札率は下がっている。これは,やる気はないけれど指名されたから参加する,ということがなくなり,自ら仕事を探して是非とも取りたい,というやる気のある会社が参加してくるからであり,競争性は高まっていると思われる。

ウ 1社入札,入札不成立の問題について

 (1社入札,入札不成立の背景)

  •  指名競争入札の場合は,指名されたことに対する義務感により参加しているのではないか。一般競争入札の場合はそういうわけにはいかない。
  •  発注者側が通常の積算単価で積んだ予定価格が事業者にとって利益が出るか,出ないかについて,事業者も取捨選択するようになった。
  •  落札率や入札事業者数は,業種や工事の内容によって,それぞれ異なっている。
  •  予定価格を設定する際,事業者側の見積りも参考にする方法を実施している。
  •  高額な工事の場合,もともと地域要件を設定しておらず,条件を拡大しようがないため,対応に苦慮している。

 (入札情報の収集)

  •  県と市町村で同じ電子入札システムを使っているので,県と市町村の入札情報を一度に見ることができるようになっている。入札情報を一元化しないと探す方も大変である。
  •  小さい自治体だと市内事業者が対象の物件が多いので,少額物件であっても入札情報が伝わらないということは無い。この点は,県や政令指定都市の状況とは異なる。
  •  ビジネスチャンスは自分で探さなければならない。それを含めて競争ということだ。発注機関から入札情報を提供するという手段はあるかもしれないが,一部の事業者だけに提供するということはできないので,提供するのであればすべてに対して提供しなければならない。

 (1社入札,入札不成立に対する評価)

  •  競争入札で1社しか入札がなかったとしても,結果的に1社であったというだけで,他の事業者が入ってくるかもしれなかったというポテンシャルな競争はある。その構造があれば,入札者が1社であっても理論的には問題はない。ただ可能性のある問題として,市場が寡占的であること,談合が行われている可能性があること,予定価格に工夫の余地があることの3点が想定される。
  •  時代の流れで変わっていくものに,ついていける事業者とついていけない事業者がいる。制度改革が発注者側にどれくらいのメリットがあるのか,ついていけない事業者を助けていくのか,変化についていくことも含めて本当の競争と考えるのかについて,判断する必要がある。

(4) 検討結果を踏まえた考え方

ア 総合評価方式の導入について

 公共調達において,価格以外の品質要素を発注機関が適正に判断できる体制を整備していくことは,公共調達市場における重要な課題である。
 このため,国においては,国の調達において総合評価方式を拡充し,併せて,地方公共団体に対して,地方公共団体向け総合評価実施マニュアルの改定,発注者支援技術者制度の全国統一化等を行うことにより,総合評価方式の導入・拡大を進めていく施策が図られている。
 公正取引委員会としては,総合評価方式については,審査及び評価において公正性と透明性が確保されることが重要であると考えており,制度の導入に当たっては,価格以外の品質要素を発注者が適正に判断できる体制を整備するとともに,入札参加事業者において,評価に関して「恣意的である」等の疑念が生じることのないよう客観的に評価する実施方法を整備することが望まれる。

イ 地元事業者の育成と公正な競争の確保について

 発注機関が地域要件の設定を課す際に,地元事業者の受注の「機会」の確保にとどまらず,「結果」の確保まで配慮された運用が行われる場合は,地元事業者の競争的な体質を弱め,地元事業者の健全な育成を阻害する結果となってしまうものと考えられる。このため,公正取引委員会としては,地域要件については一定数以上の事業者の入札参加が期待できる場合に課すなど,入札参加者の固定化の防止や十分な入札参加者の確保に配慮した運用が必要との考えを示してきたところである。
 今回の検討会において,発注機関から紹介された事例については,いずれも地域要件の設定に関しては,競争性を確保するための工夫がみられたところであり,今後もこのような取組が進んでいくことが期待される。

ウ 1社入札,入札不成立の問題について

 1社入札,入札不成立の問題については,検討会における意見交換において指摘されたように,予定価格と事業者側の積算価格との乖離,事業者に入札情報が行き渡っていない等の要因が考えられるところである。
 一般競争入札の拡大により,事業者においては,入札物件の取捨選択が可能になったことから,事業にとって有利な物件とそうでない物件において,入札状況に差がみられるようになったと考えられる。入札において入札者が1社しかいない又は入札者がいない場合であっても,潜在的には競争があるとみることもできるが,発注機関においては,発注前に物件ごとの状況をより詳細に分析し,それぞれの物件に即した予定価格や工期等の入札条件を決定すること等により,競争を顕在化させるような工夫を行い,入札においてより競争性が生じるよう取組を進めることが期待される。
 また,入札情報が行き渡っていないことによる1社入札,入札者なしによる入札不成立については,まずは,事業者において入札情報は自ら入手すべきものであるとの意識改革が必要と考えられるところではあるが,発注機関においても,事業者が入札情報を入手しやすいシステムを整備する等の取組を進めることが期待される。

【附属資料】

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問い合わせ先

公正取引委員会事務総局経済取引局総務課
電話03-3581-5476(直通)
ホームページ http://www.jftc.go.jp

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