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(平成18年3月1日)荷主と物流事業者との取引に関する実態調査報告書(概要)

平成18年3月1日
公正取引委員会

第1 調査の目的等

1 調査の目的

 公正取引委員会は,荷主と物流事業者との取引における優越的地位の濫用行為を効果的に規制する観点から,平成16年3月,独占禁止法第2条第9項の規定に基づき,「特定荷主が物品の運送又は保管を委託する場合の特定の不公正な取引方法」(平成16年公正取引委員会告示第1号。以下「物流特殊指定」という。)の指定を行った(同年4月1日施行)。その後,物流特殊指定に違反する行為がないか監視してきたところであるが,今後の物流特殊指定の運用に役立てるため,指定後の荷主と物流事業者との取引の実態を把握し,併せて問題が認められる場合には,関係事業者等に対し所要の改善措置を採るよう求める必要があると考え,今般,調査を実施したものである。

2 調査対象及び調査方法

 物流事業者(物流サービス(物品の運送又は保管)を提供する事業者)及び荷主(物品の所有者)を対象に書面調査を実施した。調査票の発送数及び回答状況は以下のとおりである。

調査対象事業者 発送数 回答数 回答率
物流事業者 4,000社 1,308社 32.7%
(1,308/4,000社)
荷主 6,754社 3,527社 52.2%
(3,527/6,754社)

第2 取引の概要

1 継続的に取引している事業者数

(1) 物流事業者の取引先事業者数

 物流事業者が物品の運送又は保管について継続的に取引している事業者(荷主,他の物流事業者等)数をみると,取引先数が10社以下である物流事業者が全体の約41%となっており,また,取引先数が50社以下である物流事業者が全体の約77%となっている。
 図1 物流事業者の取引先事業者数

 有効回答数:1204

(2) 荷主の取引先物流事業者数

 荷主が継続的に取引している物流事業者数を運送業者,倉庫業者別にみると,運送業者については5社以下と取引している荷主が約49%,倉庫業者については5社以下と取引している荷主が約75%となっている。
 図2 荷主の取引先物流事業者数

 (注)運送業及び倉庫業の両方の事業を営んでいる物流事業者については,主として営んでいる事業に分類されている

2 物流事業者の取引高上位5社等との取引の概要

(1) 取引高上位5社

 物流事業者が継続的に取引している事業者のうち,取引高の多い上位5社までの各事業者をみると,荷主が最も多く,取引高上位5位までの事業者全体の約64%となっている。
 図3 取引高上位5社

(2) 取引年数

 物流事業者とその取引高上位5位までの各事業者との取引年数をみると,10年を超えて継続取引している事業者が取引高上位5位までの事業者全体の68%となっており,物流事業者と事業者との取引は長期的なものとなっている。また,物流事業者と取引高第1位の事業者との取引については,その約82%が10年を超えて継続している。
 図4 取引高上位5社との取引年数

(3) 取引依存度

 物流事業者の取引高第1位の事業者に対する取引依存度をみると,取引依存度50%超の物流事業者が約40%と最も多くなっており,特定の事業者に対する取引依存度が高い状況がうかがわれる。
 図5 取引高第1位の事業者に対する取引依存度

(4) 荷主における取引先物流事業者の変更

 荷主が継続的に取引している物流事業者について「変更しない。」,「ほとんど変更しない。」と回答した荷主は約94%となっており,固定的な取引となっている。
 図6 物流事業者の変更の有無

 有効回答数:2786

第1 行為類型別の状況

1 全般

 荷主が物流事業者に対して行う種々の要請等の有無を,物流特殊指定で規定されている行為類型別にみると,代金の引下げ要請又は物品の購入要請・役務の利用要請があったと回答した物流事業者が比較的多くなっている。
 図7 行為類型別の要請等の有無

 (注)このほか,手形払いを受けたことのある物流事業者366社に対し,割引の有無を質問したところ,約2%の者が金融機関で割引できなかったと回答した。

2 各行為類型の状況

(1) 一方的な代金の引下げ(買いたたき)

ア 荷主からの代金の引下げ要請が「よくあった。」,「ときどきあった。」と回答した物流事業者は,図7のとおり併せて約31%となっている。
 これら事業者に対して,その引下げ要請を承諾したかどうかを質問したところ,図8のとおり,「代金引下げ自体は承諾したが,引下げ幅は自社の意向も酌んでもらった。」と回答した者が約60%となっている一方,「要請どおり承諾した。」と回答した者も約34%となっている。
 この「要請どおり承諾した。」と回答した物流事業者に対し,荷主との協議の状況を質問したところ,図9のとおり,「協議したが,十分とはいえなかった。」,「協議の機会を与えられなかった。」と回答した者は,併せて約76%であった。
 図8 代金引下げの承諾の有無

 有効回答数:289
 図9 荷主との協議

 有効回答数:95
 荷主が物流事業者に対し代金の引下げ要請を行うことは,そのこと自体が物流特殊指定上問題となるものではないが,物流事業者に対して十分協議する機会を設けないで一方的に代金の引下げを行う場合には,物流事業者に不利益を与えることとなりやすく,物流特殊指定上問題を生じやすいので十分に注意が必要である。

(2) 物品の購入強制・役務の利用強制

ア 荷主から物品の購入要請又は役務の利用要請が「よくあった。」,「ときどきあった。」と回答した物流事業者は,図7のとおり併せて約12%となっているが,これら事業者に対し,実際に購入・利用したかどうかを質問したところ,図10のとおり,「必要はなかったが,やむを得ず購入・利用した。」と回答した物流事業者が約45%となっている。
 図10 実際の購入・利用の有無

 有効回答数:119
イ 荷主が物流事業者に対し物品の購入等を要請することは,それが物流事業者の任意の購入等を依頼するものにとどまる限り,物流特殊指定上問題となるものではない。しかしながら,荷主が任意の購入等を依頼したと思っても,物流事業者にとっては,事実上,その依頼を拒否できない場合があるので,物流特殊指定上問題を生じやすく,十分に注意が必要である。

(2) その他の行為類型

 「代金の引下げ要請」及び「物品の購入要請・役務の利用要請」以外の行為類型について,「よくあった。」又は「ときどきあった。」と回答した物流事業者を行為類型別にみると,図7のとおり,「支払時における代金の減額」が7%,「代金の支払遅延」が約5%,「経済上の利益の提供要請」(注)が約5%,「発注内容の変更・やり直し要請」が約4%となっている。
 これらの行為類型に係る要請等の状況については,「代金の引下げ要請」,「物品の購入要請・役務の利用要請」と比較すると相対的に低い割合にとどまっているものの,必ずしも問題がないといえる状況にはなく,荷主が物流事業者に対して要請等を行う際には物流特殊指定上問題が生じないよう注意をする必要がある。
 (注)「経済上の利益の提供要請」とは,例えば,年末の決算対策など,荷主の損益が悪化したことを理由として協賛金等を負担させることをいう。

第4 物流事業者から指摘された具体的な問題事例

 書面調査において,物流事業者から,荷主が物流特殊指定上問題となるおそれのある行為を行っていると具体的に指摘があったものについては,更に詳しく事情を聴くため,当該物流事業者に対してヒアリングを行った。
 これら物流事業者からのヒアリング結果を基に,事実関係を聴取する必要があると判断された荷主に対しては,具体的な行為を指摘して物流事業者との取引において物流特殊指定等に違反する行為がないか点検を求めるとともに,問題となるおそれのある行為について是正を要請した。要請した事例は,次のとおりである。

<事例1>
中部地区所在のA社は,物流子会社であり,親会社の荷物の運送を他の物流事業者に委託する取引を行っており,物流特殊指定の規定上,A社は,「特定荷主」とみなされる。
A社は,農業資材等の運送を物流事業者に委託しているところ,(1)委託を受けた物流事業者がA社の指定した場所まで農業資材を運送したところ,A社の発注ミスにより当該農業資材を再び持ち帰ることになったにもかかわらず,当該運送に要した費用を支払わないこと,(2)運送とは関係のない労務作業を必要な費用を支払わずに行わせること,(3)委託した物品の運送とともに,別の物品の運送を必要な費用を支払わずに行わせることをしていた。

<事例2>
関東地区所在のB社は,建設業者である。B社は,建設業界の市場規模が縮小しているとの認識の下,競争力を維持し,コストダウンを図るため,建設資材の購入先,建設資材等の運送委託先(物流特殊指定に規定する「特定物流事業者」が含まれている。)に対し,今後は,発注時に定めた取引金額から一律に一定比率で差し引いたものを実際の支払額とすることを要請し,これに同意した取引先から実際に当該金額を差し引いて支払っている。ただし,一部の取引先に対しては十分な協議を行うことなく,一定額を差し引いて支払っていた。

第4 公正取引委員会の対応

1 今回の調査結果でも明らかなように,一般に,物流事業者は,その取引先荷主の数が少なく,また,特定の荷主に対する取引依存度が高い状況にあることから,荷主と物流事業者との取引においては,荷主が優越的地位に立つ傾向が高く,その地位を利用した優越的地位の濫用行為が生じやすい。
 このため,公正取引委員会は,平成16年3月,物流特殊指定を策定し,同指定に違反する行為がないか監視するとともに,親事業者を対象とした下請法講習会等を利用してその周知徹底を図ってきたところである。
 また,昨今の原油価格の上昇に伴う燃料価格の上昇による物流事業者をめぐる厳しい情勢にかんがみ,昨年12月,荷主の立場に立つ関係事業者団体(荷主団体)に対し,物流特殊指定の周知徹底等について要請したところである。

2 今回の調査の結果,一部の荷主は,物流事業者と十分協議することなく一方的に代金の引下げ要請を行い,物流事業者は,要請に応じないと取引上不利になることを懸念して,これを受け入れざるを得ない状況にあることがうかがわれた。
 独占禁止法上問題となる行為を未然に防止し,荷主と物流事業者の取引の公正化を図っていくためには,取引条件を決定するに当たり,荷主と物流事業者の間であらかじめ十分な協議を行うことが重要であると考えられる。
 また,物流事業者の指摘の中には,委託元である他の物流事業者による行為も含まれているところ,これらは下請法の規制対象となることから,これらの行為については,別途,下請法の定期調査の中で調査を進めることとする。

3 公正取引委員会としては,今回の調査の結果を踏まえ,荷主団体に対して,改めて物流特殊指定の内容を傘下会員に十分に周知徹底するとともに,傘下会員の独占禁止法遵守体制について,制度面及び運用面において一層の改善が図られるよう,傘下会員への指導を要請することとする。
 また,今後とも,荷主と物流事業者との取引実態の把握や違反行為の未然防止に努めるとともに,具体的な情報提供が行われた場合には調査を行い,物流特殊指定に違反する事実が認められた場合には厳正に対処していくこととしている。

【附属資料】

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問い合わせ先

公正取引委員会事務総局経済取引局取引部企業取引課
電話03-3581-3373(直通)
ホームページ http://www.jftc.go.jp

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