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(平成21年6月9日)平成20年度における九州地区の独占禁止法の運用状況等について

平成21年6月9日
公正取引委員会事務総局
九州事務所

第1 審査事件の処理状況

1 独占禁止法は,公正かつ自由な競争の促進を目的として,一定の取引分野における競争を実質的に制限する私的独占,不当な取引制限(価格カルテル,入札談合等)及び公正な競争を阻害するおそれのある不公正な取引方法(不当廉売,再販売価格維持行為等)の行為を禁止している。
 公正取引委員会は,一般から提供された情報,自ら探知した事実等を検討し,独占禁止法に違反する事実があると思われるときは審査を行い,審査の結果,違反する行為が認められたときは,当該行為を行っている者に対し,排除措置命令により違反行為の排除を命じている。違反行為のうち,価格カルテル・入札談合等について,違反行為を行っていた事業者に対して課徴金の納付を命じている。

2 最近の審査事件処理状況(不当廉売事案で迅速に処理したものを除く。)最近5年間における九州地区の審査事件の処理状況は,次のとおりである。

審査事件処理件数
処理内容/年度 16年度 17年度 18年度 19年度 20年度
審査件数 前年度からの繰り越し 1 1 0 0 1
年度内新規着手 16 9 8 12 20
合計 17 10 8 12 21
処理件数 法的措置 排除措置命令等 2 1 1 0 1
その他 警告(注2) 1 0 0 0 0
注意(注3) 12 9 5 10 17
打ち切り(注4) 1 0 2 1 2
小計 14 9 7 11 19
合計 16 10 8 11 20
次年度への繰り越し
1 0 0 1 1

(単位:件)
(注)1 「排除措置命令等」とは,勧告及び排除措置命令並びに勧告又は排除措置命令を行っていない課徴金納付命令を指す。
2 「警告」とは,排除措置命令等の法的措置を採るに足る証拠が得られなかったが,違反の疑いがある場合に行う措置
であり,関係事業者等に対して是正措置を採るよう指導を行っている。
3 「注意」とは,違反行為の存在を疑うに足る証拠が得られないが,違反につながるおそれのある行為がみられた場合
に,未然防止を図る観点から行う措置である。
4 「打切り」とは,違反事実が認められなかった場合に行う措置である。

3 迅速処理した不当廉売事案の概要
 小売業における不当廉売事案に対しては,平成20年度において,家庭用電気製品,酒類及び石油製品等について不当廉売につながるおそれがあるとして992件の注意を行った。
 なお,不当廉売行為は,不公正な取引方法の一つとして,独占禁止法第19条で禁止されている。大規模事業者による不当廉売事案等周辺の中小事業者に対する影響が大きいと考えられる事案については,迅速に処理する方針の下で厳正に対処することとしている。

第2 独占禁止法第4章関係届出等及び事業者団体等届出の動向

 最近5年間における独占禁止法第4章関係届出等及び事業者団体等届出の動向は,以下のとおりである。

1 独占禁止法第4章関係届出等

 独占禁止法第4章は,事業支配力が過度に集中することとなる会社の設立等の禁止(第9条)及び銀行又は保険会社の議決権保有の制限(第11条)について規定しているほか,一定の取引分野における競争を実質的に制限することとなる場合及び不公正な取引方法による場合の会社等の株式保有・役員兼任・合併・分割・事業譲受け等(注)の禁止並びに届出又は報告義務(第10条及び第13条から第16条まで)を規定している。
 公正取引委員会では,これら株式保有・合併等について独占禁止法上の問題の有無について審査を行っている。

 (注)会社法の施行に伴い,独占禁止法第16条に規定する「営業譲受け等」が事業譲受け等」に改正され,平成18年5月1日から施行されたことから,本運用状況等においては改正後の「事業譲受け等」の用語を用いている。

独占禁止法第4章関係届出等件数

16年度 17年度 18年度 19年度 20年度
合併届出受理 6 3 5 5 2
分割届出受理 0 1 1 0 1
事業譲受け等届出受理 5 3 6 1 2
株式所有報告書提出 11 14 8 12 9
合計 22 21 20 18 14

(単位:件)

2 事業者団体等届出

(1) 独占禁止法第8条に基づく届出状況
 事業者団体の活動状況を把握し,独占禁止法違反となる行為を未然に防止することを目的として,独占禁止法第8条第2項から第4項までにおいて,事業者団体に対し団体が成立したとき,届出事項に変更を生じたとき又は解散したときは,公正取引委員会に届け出ることを義務付けている。
 公正取引委員会では,受理した事業者団体成立届出書及び同変更届出書の記載内容に,独占禁止法上問題となることが懸念される事項がみられた場合には,その内容を確認した上で,必要に応じ問題点を指摘している。

独占禁止法第8条に基づく事業者団体届出件数

16年度 17年度 18年度 19年度 20年度
事業者団体成立届出 3 0 4 12 0
事業者団体変更届出 123 147 114 128 115
事業者団体解散届出 1 1 1 17 2
合計 127 148 119 157 117

(単位:件)

(2) 中小企業等協同組合法第7条第3項に基づく届出状況
 独占禁止法第22条(一定の要件を備える組合の行為についての適用除外規定)第1号(小規模の事業者又は消費者の相互扶助を目的とすること)の要件との関係で,中小企業等協同組合法に基づき設立された事業協同組合等に対し,同法第7条第3項において,同条第1項で規定する小規模事業者以外の者が加入したとき又は組合員が同小規模事業者でなくなったときには,その旨を公正取引委員会に届け出ることを義務付けている。
 公正取引委員会では,受理した届出書の記載内容中,当該協同組合の行う共同経済事業等について,独占禁止法上問題となることが懸念される事項がみられた場合には,その内容を確認した上で,必要に応じ問題点を指摘している。

中小企業等協同組合法第7条第3項に基づく届出件数
16年度 17年度 18年度 19年度 20年度
16 16 15 22 11

(単位:件)

第3 広報活動等

1 有識者との懇談会等

 公正取引委員会では,各地の有識者と公正取引委員会の委員長又は委員等との懇談及び講演会を通して,競争政策についてより一層の理解を求めるとともに,幅広い意見,要望を把握し,今後の競争政策の有効かつ適切な推進に資するため,昭和47年度以降,毎年,全国各地において有識者との懇談会を開催している。
 九州事務所管内ではこれまで8都市で36回開催しており,平成20年度は佐賀市において,佐賀商工会議所連合会,佐賀経済同友会,佐賀県商工会連合会,佐賀県中小企業団体中央会,佐賀県消費者グループ協議会,佐賀県地域婦人連絡協議会,マスコミ,学識経験者及び佐賀県庁の有識者との懇談会を実施し,同時に「公正な経済社会の実現と独占禁止法」をテーマに講演会を開催した。
 また,九州事務所においても同様の趣旨で,平成4年度から九州事務所長等と各地の有識者等との意見交換会(懇談会)を開催している。平成20年度は大分県竹田市,福岡県柳川市,福岡県宮若市(2回),福岡県朝倉市,大分県宇佐市,熊本県天草市,熊本県玉名市,熊本県水俣市,福岡県行橋市及び福岡県大川市において,地元の経済団体と懇談会を開催した。

2 1日出張事務所の開設

 九州事務所では,公正取引委員会の業務や活動を事務所所在地以外の都市においても身近に知ることができるような広報活動に努めてほしいとの意見が寄せられていることから,福岡市以外の都市における独占禁止法等の広報・啓蒙普及活動,相談対応の一層の充実を図る趣旨から,平成16年鹿児島市での開催を皮切りに,宮崎市,大分市,熊本市に引き続き,平成20年度長崎市において「1日出張事務所」を開設した。
 この「1日出張事務所」においては,独占禁止法,景品表示法及び下請法の概要について講演会を開催したほか,長崎県政記者クラブとの懇談会を開催し意見交換を行った。また,中学生向けの独占禁止法教室を開催するとともに,事業者等からの相談に応じる相談コーナー及びビデオ上映,パネル展示等を行うPRコーナーを設けた。

3 中学生向けの独禁法教室 

 公正取引委員会では,消費者であり,また,将来,経済活動に参加する中学生を対象に,早い段階で独占禁止法等についての理解を深めてもらうことを目的として,平成14年度から,当委員会の職員による「中学生向けの独禁法教室」を開催している。
 九州地区では,平成20年度,長崎市(1日出張事務所)及び宮崎県串間市に所在する各中学校において,同教室を開催した。

4 説明会等への講師派遣

 九州事務所では,独占禁止法等の啓蒙・普及のため,九州地区の事業者団体,経済団体,官公庁等が主催する研修会や説明会に講師を派遣しており,平成20年度,その回数は36回であった。
 このうち,入札談合関係は12回となっている。

5 相談業務

 公正取引委員会では,法運用に対する理解を深め,違反行為の未然防止を図るため,相談を受け付けている。
最近3年間の相談受付件数は次のとおりである。


18年度 19年度 20年度
独占禁止法関係説明会 288 396 341
下請法関係説明会 208 304 322
景品表示法関係説明会 1,722 1,453 1,664
合計 2,218 2,153 2,327

(単位:件)

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問い合わせ先

審査事件の状況に関する問い合わせ先 公正取引委員会事務総局九州事務所 第一審査課
4章関係届出等の動向に関する問い合わせ先 公正取引委員会事務総局九州事務所 経済取引指導官
広報活動に関する問い合わせ先 公正取引委員会事務総局九州事務所 総務課
電話 092-431-5881(代表)
ホ-ムペ-ジ http://www.jftc.go.jp/regional_office/kyusyu/index.html

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