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(平成22年3月25日)株式会社平野組ほか79社に対する審判審決について(岩手県発注の建築一式工事入札談合)

平成22年3月25日
公正取引委員会

 公正取引委員会は,被審人株式会社平野組ほか79社(以下「被審人ら」という。)に対し,平成17年8月5日,審判開始決定を行い,以後,審判官をして審判手続を行わせてきたところ,平成22年3月23日,被審人らに対し,平成17年法律第35号による改正前の独占禁止法第54条第2項又は第3項の規定に基づき,審判審決を行った(本件平成17年(判)第14号の審決書については,当委員会ホームページの「報道発表資料」及び「審決等データベース」参照。)。

1 被審人らの概要

 別紙1被審人目録記載のとおり

2 本件の経緯

 平成17年
 6月21日 勧告
 8月5日 審判開始決定(被審人らを含む91社)(注)
 10月26日 第1回審判
 ↓
 平成21年
 1月30日 第17回審判(審判手続終結)
 10月13日までに審決案送達
 10月26日までに審決案に対する異議の申立て及び直接陳述の申出
 平成22年
 1月8日 直接陳述の聴取
 3月23日 審判審決
 (注) 被審人らを含む91社に対し審判開始決定がなされたが,このうち株式会社阿部工務店,共栄建設株式会社及び株式会社石川工務所にあっては平成21年10月15日に,阿部建設株式会社及び中村建設株式会社にあっては平成22年2月24日にそれぞれ打切り決定 がなされている。

3 審決の概要

(1) 違反行為の概要等

 被審人らを含む106社(以下「106社」という。)は,遅くとも平成13年4月1日(別紙2記載の事業者にあっては,それぞれ,遅くとも「期日」欄記載の年月日ころ)以降行っていた,岩手県が条件付一般競争入札,受注希望型指名競争入札又は指名競争入札の方法により,Aの等級に格付している者のうち,同県内に本店を置く者(これらの者のみを構成員とする特定共同企業体を含む。)のみを入札参加者として発注する建築一式工事について,受注価格の低落防止等を図るため,共同して,受注予定者を決定し,受注予定者が受注できるようにすることにより,公共の利益に反して,同工事の取引分野における競争を実質的に制限していた(以下「本件違反行為」という。)。

(2) 主文の概要

ア 被審人らのうち被審人株式会社ビックランドを除く被審人79社(以下「被審人79社」という。)は,前記(1)の行為を取りやめている旨を確認することを取締役会等の業務執行の決定機関において決議しなければならない。
イ 被審人79社は,それぞれ,前記アに基づいて採った措置及び今後,共同して,岩手県が条件付一般競争入札,受注希望型指名競争入札又は指名競争入札の方法により発注する建築一式工事について,受注予定者を決定せず,各社がそれぞれ自主的に受注活動を行う旨を,被審人79社のうち自社を除く78社及び岩手県に通知し,かつ,自社の従業員に周知徹底しなければならない。
ウ 被審人79社は,今後,それぞれ,相互の間において又は他の事業者と共同して,岩手県が競争入札の方法により発注する建築一式工事について,受注予定者を決定してはならない。
エ 被審人株式会社ビックランドが行っていた,前記(1)の行為は,独占禁止法第3条の規定に違反するものであり,かつ,当該行為は既に無くなっていると認める。
オ 被審人株式会社ビックランドの前記エの違反行為については,同被審人に対し,格別の措置を命じない。

(3) 本件の争点

ア 106社が本件違反行為を行ったか否か(争点1)
イ 本件違反行為が「競争を実質的に制限」(独占禁止法第2条第6項)するものであったか否か(争点2)
ウ 本件違反行為についての除斥期間(独占禁止法第7条第2項ただし書)が経過したか否か(争点3)
エ 被審人らに対して排除措置を命ずることにつき「特に必要があると認めるとき」(独占禁止法第54条第2項)に当たるか否か(争点4)

(4) 争点に対する判断の概要

ア 争点1について

 TST親交会等の多数の会員の関係者が本件基本合意と同内容のルールに従って受注調整が行われていたことを認める供述をしていること,同会の関係者から受注調整が行われていたと考えなければ説明が困難と考えられる文書が多数留置されていること,同会の会員間において,本件発注物件133物件のうち63物件について,本件基本合意の方法で受注調整が行われていたといえ,地域的・時期的な偏りがないこと,同会の役員会で受注調整を継続していくための方策が検討され,同会の総会で引き続き受注調整を継続することを確認していたことなどの諸事情に照らせば,同会の会員間における本件基本合意の成立及びそれに基づく受注調整が行われてきたものと認め
るのが相当である。
 そして,TST親交会等の設立目的,入会手続,入会時の連絡文書の内容,受注調整に関する会員への連絡等の存在などに照らせば,同会の会員となった事業者は,特段の事情のない限り,同会で受注調整が行われていること等を認識していたものと認めるのが相当であり,106社のいずれについてもこの特段の事情は認められない。
 以上によれば,106社は本件基本合意に加わり,本件違反行為に及んでいたものと認められる。

イ 争点2について

 本件違反行為が実質的に継続されており,本件違反行為が競争を実質的に制限するものであると認識されていたことが強く推認されること,106社の受注実績が大きいこと,106社が受注した本件受注物件118物件のうち60物件の全部又は大部分において本件基本合意に基づく受注調整が行われたものと推認されること,本件違反行為の参加者らが,アウトサイダーが参加する可能性があることを当初から認識していたことは明らかであり,実際に,少なくとも12物件でアウトサイダーへの協力要請が行われ,うち11件については,アウトサイダーが協力していたことなどに照らせば,本件違反行為は競争を実質的に制限するものであったと認めるのが相当である。

ウ 争点3について

 本件違反行為及びそれによる競争の実質的制限は本件期間の全体を通じて維持されており,除斥期間の起算日である「当該行為がなくなった日」は立入検査の前日と認めるのが相当であるから,除斥期間は経過していない。

エ 争点4について

 被審人らが長期間にわたって本件違反行為を継続していたこと,岩手県による入札制度改革や談合疑惑に基づく事情聴取が行われても,被審人らはそれらへの対応策を講じつつ本件違反行為を継続したこと,違反行為の取りやめは立入検査によるものであり被審人らの自発的意思に基づくものではないこと,岩手県発注の建築一式工事について被審人らが依然として大きなシェアを占めていること,岩手県による入札制度の状況などの諸事情に照らせば,被審人79社に対して,排除措置を命ずることにつき「特に必要があると認めるとき」に該当すると認められる。

(5) 被審人株式会社ビックランドについて

 被審人株式会社ビックランドは,既に解散しており,会社法(平成17年法律第86号)第573条の規定に基づき,平成21年12月16日,特別清算手続終結の決定が確定し,同月22日に同登記が了されていることから,事業を再開する見込みはないと認められ,したがって,同被審人に対しては,排除措置を命ずる必要があるとは認められない。

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問い合わせ先

公正取引委員会事務総局官房総務課審決訟務室
電話 03-3581-5478(直通)
ホームページ http://www.jftc.go.jp

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