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(平成22年10月8日)平成21年度公正取引委員会年次報告について

平成22年10月8日
公正取引委員会

 公正取引委員会は,独占禁止法第44条第1項に基づき,内閣総理大臣を経由して,国会に対し,毎年,独占禁止法の施行状況を報告しているところ,本日,平成21年度公正取引委員会年次報告を国会に提出した。その要旨は,以下のとおりである。

1 独占禁止法改正

 独占禁止法改正法(平成21年法律第51号)は,平成21年6月3日に成立し,同月10日に公布され,平成22年1月1日に施行された。改正法の主な内容は,次のとおりである。

 <平成21年独占禁止法改正法の主な内容>

  • 排除型私的独占及び一定の不公正な取引方法に対する課徴金制度の導入
  • 不当な取引制限において主導的役割を果たした事業者に対して課徴金を割り増す制度の導入
  • 課徴金減免制度におけるグループ会社の共同申請制度の導入
  • 不当な取引制限等の罪に対する懲役刑の引上げ
  • 企業結合に係る届出制度の見直し

2 独占禁止法違反行為の積極的排除

(1)平成21年度においては,迅速かつ実効性のある法運用を行うという基本方針の下,特に,価格カルテル及び入札談合並びに中小事業者に不当に不利益を与える優越的地位の濫用などの不公正な取引方法に対し,厳正かつ積極的に対応した。この結果,26事件において排除措置命令等の法的措置を採ったほか,総額360億7471万円の課徴金の納付を命じた(第1図及び第2図参照)。

<平成21年度における主な法的措置事件>
カルテル

溶融亜鉛めっき鋼板及び鋼帯の製造販売業者による価格カルテル事件
テレビ用ブラウン管の製造販売業者による価格カルテル事件

入札談合

国土交通省が発注する車両管理業務の入札談合事件
防衛省航空自衛隊が発注する什器類の入札談合事件

優越的地位の濫用

フランチャイズ・チェーン本部による加盟者に対する優越的地位の濫用事件
家具量販店による納入業者に対する優越的地位の濫用事件

拘束条件付取引

CDMA 携帯無線通信に係る知的財産権のライセンス契約における拘束条件付取引事件
農業協同組合による拘束条件付取引事件

(2)平成21年度においては,引き続き適正手続に配意しつつ,88件の審判事件について慎重かつ効率的な審理を行った。この結果,40件について審決を行った。

3 公正な取引慣行の推進

(1)優越的地位の濫用に対する取組

ア 公正取引委員会は,昨今の厳しい経済情勢の下で,取引先事業者,特に取引先大企業との間で不当なしわ寄せを受けやすい中小事業者全般について,その取引の公正化を一層推進するため,「中小事業者取引公正化推進プログラム」を取りまとめ,平成21年11月18日にこれを公表した。当該プログラムの一環として,中小事業者からの要望に応じ,当該中小事業者が所在する地域に公正取引委員会の職員が出張し,独占禁止法上の優越的地位の濫用規制及び下請法について基本的な内容を分かりやすく説明するとともに相談受付等を行うための相談会を開催してきている。また,優越的地位の濫用に係る情報に接した場合に,その調査を効率的かつ効果的に行い,必要な是正措置を講じていくため,「優越的地位濫用事件タスクフォース」を設置した。
イ 公正取引委員会は,平成21年度において,大規模小売業者350社,納入業者6,000社に対して,大規模小売業告示の遵守状況及び大規模小売業者と納入業者との取引の実態を把握するための書面調査を実施した。また,荷主8,426社,物流事業者11,621社に対して,物流特殊指定の遵守状況及び荷主と物流事業者との取引の実態を把握するための書面調査を実施した。
ウ 平成21年度においては,2件の事件において排除措置命令を行ったほか,2件の警告及び22件の注意を行った。このうち,優越的地位濫用事件タスクフォースにおいては,平成21年11月から平成22年3月までの間に,違反につながるおそれがある行為がみられたとして16件の注意を行った。

(2)不当廉売に対する取組

 平成21年度においては,石油製品小売業者及び石油元売会社に対し,不当廉売のおそれがあるとして7件の警告を行った。また,酒類,石油製品,家庭用電気製品等の小売業者及び卸売業者に対し,不当廉売につながるおそれがあるとして3,225件(酒類700件,石油製品956件,家電1,425件,その他144件)の注意を行った。

(3)下請法違反行為の積極的排除

 下請取引の公正化及び下請事業者の利益保護を図るため,親事業者36,342社及びこれらと取引している下請事業者201,005名を対象に書面調査を行った。書面調査等の結果,下請法に基づき勧告を行ったものは15件(製造委託等10件,役務委託等5件),指導の措置を行ったものは3,590件であった。
 このうち,下請代金の支払遅延事件においては,親事業者61社により総額1億790万円の遅延利息が下請事業者2,737名に支払われた。また,下請代金の減額事件においては,親事業者61社により総額4億8116万円が下請事業者2,160名に返還された。

4 企業結合規制の的確な運用

 事業活動のグローバル化等の経済環境の急速な変化に伴い,大企業の合併等大型の企業結合事案が増加傾向にある状況において,公正取引委員会は,我が国における競争的な市場構造が確保されるよう,企業結合規制の的確な運用を行っている。平成21年度においては,次のような企業結合事案について,的確に処理するとともに,その内容を公表するなどにより,企業結合審査の透明性・予見可能性の一層の向上を図った。

 <平成21年度における主な企業結合事案>

  • NECエレクトロニクス株式会社と株式会社ルネサステクノロジの合併
  • 新日本石油株式会社と新日鉱ホールディングス株式会社の経営統合

5 競争環境の積極的創造に向けた調査等

(1)平成21年度においては,次のような調査等を行った。

 <公益事業分野等における規制改革に関する調査等>

  • 「国際航空貨物の輸出入に係る競争実態について」(平成21年4月公表)
  • 「地球温暖化対策における経済的手法を用いた施策に係る競争政策上の課題について(中間報告書)」(平成22年3月公表)


(2)ガソリンにおけるバイオマス由来燃料の利用に関する調査・提言
 公正取引委員会は,ガソリンにおけるバイオマス由来燃料の利用について,直接混合方式とETBE方式の2つの混合方式が市場における競争を通じて評価・選択される環境を整備する観点から,独占禁止法上の考え方を整理するとともに,2つの混合方式のイコールフッティングを確保するために必要とされる措置について検討してきたところ,平成21年7月,これらについて考え方を取りまとめ,公表した。

6 経済のグローバル化への対応

 近年,複数国の競争法に抵触する事案,一国による競争法の執行活動が他国の利益に影響を及ぼし得る事案等が増加するなど,執行活動の国際化及び競争当局間の協力・連携の強化の必要性が高まっている。このような状況を踏まえ,公正取引委員会は,二国間独占禁止協力協定等を通じ,海外競争当局との協力関係の強化に努めているほか,ICN(国際競争ネットワーク),OECD(経済協力開発機構),APEC(アジア太平洋経済協力),UNCTAD(国連貿易開発会議)等といった多国間における議論にも積極的に参加している。さらに,開発途上国や移行経済国の競争当局等に対し,職員の派遣や研修の実施等による技術支援を行っている。

 <平成21年度における主な国際的な取組>

  • ICN 第8回年次総会(平成21年6月)
  • 東アジア競争政策トップ会合(平成21年6月)
  • 競争当局間協議(EU,英国及び米国)
  • 経済連携協定締結交渉への参加(ペルー,オーストラリア等)
  • 競争政策に関する研修の実施(中国,ベトナム,インドネシア,フィリピン等)

7 競争政策の普及啓発に関する広報・広聴活動

 競争政策に対するより一層の理解を求め,広く国民から意見を聞くこと等を目的として,全国9都市において独占禁止政策協力委員会議を開催したほか,全国9都市において各地の有識者と公正取引委員会委員との意見交換等を行った。また,中学校,高校及び大学からの要請を受けて講師を派遣し,経済活動における競争の役割等について授業を行う独占禁止法教室の開催など,学校教育等を通じた競争政策の普及に努めた。その他,各種パンフレットの作成及び配布,広報用DVDの貸出し及び動画配信,ウェブサイトの充実,メールマガジンの発行等を行った。

 <平成21年度における主な取組>

  • 独占禁止政策協力委員会議の開催(札幌市,盛岡市,東京都,名古屋市,大阪市,広島市,高松市,福岡市及び那覇市)
  • 独占禁止懇話会の開催(4回)
  • 地方有識者との懇談会の開催(函館市,仙台市,水戸市,名古屋市,神戸市,鳥取市,高松市,熊本市及び那覇市)
  • その他の地方有識者との懇談会の開催(79回)
  • 独占禁止法教室の開催(中学生向け26回,高校生向け2回,大学生向け19回)

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問い合わせ先

公正取引委員会事務総局官房総務課
電話 03-3581-3574(直通)
ホームページ http://www.jftc.go.jp/

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