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(平成22年9月1日)広告業界の取引実態に関するフォローアップ調査報告書(概要)

平成22年9月1日
公正取引委員会

第1 調査の目的及び方法(1ページ)

1 調査の目的

 公正取引委員会が平成17年11月に公表した「広告業界の取引実態に関する調査報告書」(以下「前回調査」という。)において「競争政策上の評価」として示した事項を中心に,テレビ広告業界の取引慣行のフォローアップ調査を行うとともに,急激な拡大を続けるインターネット広告にテレビ広告と同様な競争阻害的な取引慣行が出現していないかどうかを調査することによって,広告業界の取引慣行について競争政策上の観点から改善すべき点を明らかにすることを目的として,本調査を実施した。

2 調査の方法

  •  広告会社,媒体社(テレビ局,インターネット広告媒体社),広告主787社に対して平成21年12月17日及び平成22年1月7日にアンケート調査票を発送した(回答数477社)。
  •  広告会社,媒体社,広告主,有識者等34か所に対して平成21年12月から平成22年4月にかけてヒアリングを実施した。

第2 前回調査の概要

1 広告業界の構造

  •  媒体社-広告会社-広告主という広告媒体枠取引において,媒体社が広告会社へ報酬を支払うコミッション方式が中心である。
  •  有力な広告会社と中小規模の広告会社に二極化している。

2 広告業界の取引慣行

  •  テレビ広告(番組CM)取引において,次の理由により,広告会社の新規参入が非常に困難である。
    (1) 有力な広告会社がCM枠の大部分を確保している。
    (2) テレビ局による情報開示が少ない。
  •  テレビ広告(スポットCM)取引において,広告会社の報酬格差は最大20%あり,最低限の基本報酬しか得られない中小規模の広告会社は,価格競争で不利である。
  •  口頭による取引が少なくなく,媒体社,広告会社及び広告主の広告取引の当事者に適切な情報が与えられず,市場メカニズムが働きにくい状況にある。
  •  広告の効果やコストに関する広告主の意識は必ずしも高くない。

3 競争政策上の評価

(1) テレビ広告の取引慣行

ア 番組CM取引

 テレビ局は,テレビ放送の公共性にもかんがみ,例えば,次のようにするなど番組CM取引に係る情報の一層の開示を行い,新規参入を促すことが有益かつ必要である。

  •  販売対象枠について一定時期(改編時期の2か月前など)に積極的に公表する。
  •  番組CM枠の価格表(実際の取引に用いられるもの)を明らかにする。
  •  販売対象枠について広告会社による入札の方法の導入を検討する。

イ スポットCM取引

 テレビ局は,例えば,一定期間における取引量(額)や前年実績に対する増減率等,報酬率の算定基準について,広告会社各社に共通の基準を整備するなど,報酬の決定についての合理性及び公平性の確保が必要である。

(2) 取引の明確化に向けた取引方法の改善

 媒体社,広告会社及び広告主は,取引内容を明確にするため,取引条件等を記載した書面による取引を行うなど,取引方法を改善することが望ましい。

(3) 広告効果の評価・コスト意識の改善

 広告主は,広告の効果やコストに対する意識を高め,現状の広告料金を検証するといった取組を行うことが有益である。
 広告主は,広告会社の選定・変更について,広告の効果やコスト面での成果を反映させることなども必要である。

第3 今回調査の概要

1 今回調査の結果

(1) テレビ広告の取引慣行

ア 番組CM取引(4ページ)

 販売対象枠の公表については積極的に行う動きがみられたが,番組CM枠の価格表(実際の取引に用いられるもの)を明らかにすること及び広告会社を対象にした販売対象枠の入札を導入することに関しては,積極的に行う動きはみられなかった。

(ア) 販売対象枠の公表
 64.8%のテレビ局が販売対象枠を公表していると回答している。

(イ) 番組CM枠の価格表(実際の取引に用いられるもの)の公表
 テレビ局は,各社が各々定めた番組CM枠価格表を公表しているが,約半数のテレビ局は,公表している番組CM枠の価格表(以下「基準料金表」という。)どおりの価格で取引されている割合は0%と回答している。

(ウ) 広告会社を対象にした販売対象枠の入札の導入
 入札を導入していると回答したテレビ局は5.8%で,需要の高い通販番組や特別番組等で導入している。

イ スポットCM取引(7ページ)

  •  スポットCM取引については,広告会社間の報酬率の格差は一部縮小(最大18%)しているものの,いまだ格差が認められる。
  •  テレビ局の定める報酬基準について,整備していると回答したテレビ局は増加しているものの,依然として,キー局5社を含む7割強のテレビ局は整備していない。

(ア) 広告会社の報酬格差
 スポットCM取引において,キー局5社から広告会社へ支払われる特別報酬率は0~13%と,前回調査と比較して縮小している。また,キー局5社別にみた報酬格差について,スポットCM取引における基本報酬と特別報酬を合計した報酬率の最大格差は18%となっており,前回調査と比較して縮小している。

(イ) 報酬基準の整備
 報酬基準の整備について,「整備している」と回答したテレビ局は24.0%であり,前回調査の6.9%と比較して,増加している。

(2) 取引の明確化に向けた取引方法の改善

  •  基本契約及び個別の受発注において書面を用いて契約を締結する割合はおおむね増加傾向にある。
  •  基本契約及び個別の受発注それぞれにおいて,書面を用いて契約しなかったことによって,トラブルが生じたという事例が指摘された。

ア 基本契約の締結(10ページ)
 広告主との取引及びテレビ局との取引において基本契約を「ほとんど締結していない」と回答した広告会社の割合が前回調査と比較して減少している。

イ 個別の広告取引の書面化(13ページ)
 広告主との取引及びテレビ局との番組CM取引において「ほとんどの取引における受発注を書面で行っている」と回答した広告会社の割合が前回調査と比較して増加している。また,「ほとんどの取引における受発注を口頭で行っている」と回答した広告会社の割合は,テレビ局との番組CM取引では前回調査と比較して減少している一方で,広告主との取引及びテレビ局とのスポットCM取引においてほぼ同じである。

(3) 広告効果の評価・コスト意識の改善

  •  前回調査において指摘した広告主の広告効果や広告コストに対する意識を高める取組のうち,成果を上げられなかった広告会社の変更,広告会社を代理人とする契約の締結及び分割発注については,広告主が積極的に取り組んでいる傾向がみられた。
  •  報酬制度をコミッション方式以外のものに変更する取組については,取り組んでいる広告主は一部にとどまる。

ア 成果を上げられない広告会社の変更(17ページ)
 約8割の広告主が広告の効果やコスト面で成果を上げられなかった広告会社との取引を他の広告会社に変更することがあると回答している。また,約2割の広告主が,広告の効果やコスト面で成果を上げられなかった広告会社との取引を他の広告会社に変更したケースが増えていると回答しており,約3割の広告主が今後増やす又は始める見込みと回答している。このように,多くの広告主が,広告の効果やコスト面で成果を上げられなかった広告会社との取引を他の広告会社に変更しており,広告会社の変更が増える傾向にある。

イ 広告会社を代理人とする契約の締結(18ページ)
 約4分の3の広告主が,広告会社を広告主の代理人とする契約を締結することにより媒体社との交渉状況や媒体枠料金を報告させていると回答している。また,約3割の広告主が,広告会社を広告主の代理人とする契約を増やしていると回答しており,約1割の広告主が今後増やす又は始める見込みと回答している。このように,多くの広告主が広告会社を広告主の代理人とする契約を締結することにより媒体社との交渉状況や媒体枠料金を報告させており,広告会社を代理人とする契約は増える傾向にある。

ウ 分割発注の実施(20ページ)
 約4分の3の広告主が分割発注を行っていると回答している。また,2割の広告主が分割発注を増やしていると回答しており,今後増やす又は始める見込みと回答している広告主と合わせると3分の1以上に上ることから,広告主において分割発注が増えている傾向がうかがえる。

エ コミッション方式以外の報酬制度の採用(21ページ)
 広告会社への報酬制度には,取扱金額ベースの報酬であって,媒体枠料金に報酬率を乗じたものを広告会社の報酬とする「コミッション方式」や,コストベースの報酬であって,実際に広告会社がその担当業務を行った際の費用を基に計算する「フィー方式」などがある。
 約2割の広告主が広告会社に対する報酬についてコミッション方式以外の報酬制度を採用していると回答している。また,約2割の広告主が,コミッション方式以外の報酬制度を増やしている又は今後増やす若しくは始める見込みと回答している。このように,コミッション方式以外の報酬制度の採用に取り組んでいる広告主は一部にとどまるものの,インターネット広告のように目標の設定と評価が容易な媒体の割合が増え,広告主にとって成果報酬制度を採用できる広告の範囲が広がってきていること,また,媒体枠料金の低下に伴いフィー方式への変更に前向きな広告会社が存在すること等の状況の変化により,報酬制度をコミッション方式以外のものに変更することに前向きな動きがあるとみられる。

(4) インターネット広告の取引慣行(24ページ)

  • バナー広告の媒体枠の取引においては,媒体枠の料金表及び広告主の選択できる掲載期間が公表されており,取引も書面化されている。また,広告主は短期間であっても広告を掲載できる。テレビ広告に比べると広告会社に支払われる報酬率の格差はおおむね小さい。
  •  検索連動型広告の取引においては,キーワードごとの固定単価又は入札単価に基づき,ユーザーによるクリック数に応じて広告料金が課金される仕組みが採用されており,取引も書面化されている。また,広告主は短期間であっても広告を掲載できる。テレビ広告に比べると広告会社に支払われる報酬率の格差はおおむね小さい。

2 競争政策上の評価

(1) 番組CM取引(36ページ)

番組CM取引については,広告会社による新規参入を促すためにテレビ局からの情報開示が必要である。テレビ局は,広告会社に対して販売対象枠の公表をより積極的に行い,取引している広告会社から番組CM枠の価格について照会があった場合には実際の取引に使用される価格表を明らかにすることが望ましい。また,需要の高い販売対象枠については,広告会社を対象にした販売対象枠の入札の導入を検討することが望ましい

(2) スポットCM取引(37ページ)

広告会社への報酬の決定について,合理性及び公正性を確保する取組が十分に行われているとはいえない。テレビ局においては,例えば,一定期間における取引量(額)や前年実績に対する増減率等,報酬率の算定基準について,取引先の広告会社各社に共通の報酬基準を整備する等により,広告会社の報酬の決定について,合理性及び公正性を確保する必要がある。

(3) 取引の明確化に向けた取引方法の改善(38ページ)

基本契約及び個別の受発注を書面で行う割合はおおむね増加傾向にあり,取引の明確化が進んでいるとみられる。しかし,基本契約及び個別の受発注において,書面を取り交わさなかったことによりトラブルが生じたという事例や,書面を取り交わしても,その内容が不十分であったためにトラブルが生じたという事例が指摘された。今後,取引内容を明確にするため,また,トラブルを未然に防ぐため,取引の内容,金額,取引条件等を記載した書面により基本契約や個別の受発注を行う必要がある。

(4) 広告効果の評価・コスト意識の改善(39ページ)

成果を上げられなかった広告会社の変更,広告会社を代理人とする契約の締結及び分割発注については,広告主の広告効果や広告コストに対する意識の改善が認められた。報酬制度をコミッション方式以外のものに変更する取組については,広告主において引き続き積極的に検討することが求められる。広告会社の新規参入が活発になるように,広告主は,今後も,広告の効果やコストに対する意識を一層高めていくことが求められる。

(5) インターネット広告の取引慣行(40ページ)

インターネット広告のうちバナー広告及び検索連動型広告の取引において,テレビ広告市場で認められたような問題のある取引慣行は現在のところ認められなかった。

第4 公正取引委員会の今後の対応(41ページ)

 テレビ広告における媒体枠取引に係る取引慣行については一部改善の傾向もみられるが,関係事業者においては,引き続き,本件調査結果を踏まえ,取引慣行を点検し,問題のある慣行を見直し,取引の明確化を推進する等,広告取引全般の適正化を図ることが必要である。
 インターネット広告のうち今回調査対象としたバナー広告及び検索連動型広告の取引において,テレビ広告市場で認められたような問題のある取引慣行は認められなかった。
 公正取引委員会は,今後とも,公正かつ自由な競争の促進の観点から,インターネット広告に関する取引の動向も含め,広告取引における取引慣行全般について注視していくこととする。

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問い合わせ先

公正取引委員会事務総局経済取引局取引部取引調査室
電話 03-3581-3372(直通)
ホームページ http://www.jftc.go.jp/

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