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(平成22年9月14日)中央三井トラスト・ホールディングス株式会社と住友信託銀行株式会社の経営統合について

平成22年9月14日
公正取引委員会

 公正取引委員会は,中央三井信託銀行株式会社(以下「中央三井信託銀行」という。)及び中央三井アセット信託銀行株式会社(以下「中央三井アセット信託銀行」という。)の信託銀行2行を傘下に持つ中央三井トラスト・ホールディングス株式会社(以下「中央三井トラストHD」という。)と住友信託銀行株式会社(以下「住友信託銀行」という。)の経営統合について,「企業結合計画に関する事前相談に対する対応方針」に基づき,当事会社から事前相談の申出があったので,検討を行ってきた。
 当委員会は,相談があった内容に関する当事会社からの提出資料等を前提とすれば,以下の理由から,本件行為は,独占禁止法の規定に違反するおそれはないものと認められる旨,当事会社に回答を行った。

第1 本件の概要

 本件は,平成23年4月1日に,住友信託銀行が中央三井トラストHDと株式交換を行い,経営統合するものである。
 関係法条は,独占禁止法第10条である。

第2 一定の取引分野

1 商品範囲

 信託業務について,個別に競争への影響をみる必要があると考えられる分野は,(1)金銭信託・金外信託,(2)投資信託の受託業務,(3)年金信託等の企業年金の受託業務(以下「年金信託等」という。),(4)有価証券信託,(5)金銭債権信託及び(6)包括信託の6分野である。
 また,信託業務以外について,個別に競争への影響をみる必要があると考えられる分野は,(7)証券代行業務である。(7分野の概要については別紙参照。)

2 地理的範囲

 地理的範囲については,前記1の業務を営む事業者が全国的に事業を展開していることから,「日本全国」を地理的範囲として画定した。

第3 本件行為が競争に与える影響

1 金銭信託・金外信託

(1)市場シェア(注1)

 平成21年3月31日現在の金銭信託・金外信託の信託財産残高は,約87兆円である。
 本件行為により,当事会社の合算市場シェア・順位は約30%・第1位となる。また,本件行為後のハーフィンダール・ハーシュマン指数(以下「HHI」という。)(注2)は約2,200,HHIの増分は約400であり,水平型企業結合のセーフハーバー基準(注2)に該当しない。

順位 会社名 シェア
1 A社 約25%
2 B社 約20%
3 住友信託銀行 約20%
4 C社 約15%
5 中央三井(注3) 約10%
6 D社 0-5%
  その他 0-5%
(1) 当事会社合算 約30%
  合計 100%

(注1)市場規模,市場シェア,行為後のHHIの水準,行為によるHHIの増分等の数値は,当事会社から提出された資料等に基づいて算出したものを,当委員会において概数として表記している。その際,市場シェアについては,原則として5%単位で表記している。また,シェアの端数を処理した関係で,「当事会社合算」及び「合計」の数値が,各会社のシェアの合計とは一致しない場合がある(以下同じ。)。
(注2)「HHI」及び「セーフハーバー基準」については参考1参照。
(注3)「中央三井」のシェアは,中央三井信託銀行及び中央三井アセット信託銀行のシェアの合計値である(以下同じ。)。
(注4)本表及び後記2から7までの表における同一の記号の会社が,必ずしも同一の会社であるとは限らない。

(2)競争事業者の状況

 市場シェアが10%を超える有力な競争事業者が複数存在し,競争事業者は多数存在する。
 また,金銭信託・金外信託業務は,コンピュータシステムによって処理されており,信託銀行等の信託事業者は,比較的容易にサービスの供給量を増加させることが可能であることから,各信託事業者の供給余力は十分存在すると認められる。

(3)参入

 金銭信託・金外信託業務については,過去5年以内に複数の事業者が参入しており,参入圧力が存在すると認められる。

(4)隣接市場からの競争圧力

 金銭を管理・運用するという点で金銭信託・金外信託に類似する金融商品には,預金等の多数の金融商品が存在しているところ,これらの金融商品を提供する銀行等の金融機関は多数存在し,活発な競争が行われている。
 したがって,隣接市場からの競争圧力が一定程度存在すると認められる。

(5)需要者からの競争圧力

 金銭信託・金外信託の主要な顧客である機関投資家は分散投資を行っているところ,これら機関投資家は,委託先である信託事業者の運用実績,信託報酬率等を比較検討し,随時委託先を見直している。また,委託先の切替えも容易である。
 したがって,需要者からの競争圧力が存在すると認められる。

(6)独占禁止法上の評価

 上記の状況にかんがみれば,本件行為により,当事会社の単独行動又は当事会社と他の競争事業者との協調的行動によって,一定の取引分野における競争を実質的に制限することとはならないと判断した。

2 投資信託の受託業務

(1)市場シェア

 平成21年3月31日現在の投資信託の受託業務の信託財産残高は,約98兆円である。
 本件行為により,当事会社の合算市場シェア・順位は約35%・第1位となる。また,本件行為後のHHIは約2,300,HHIの増分は約400であり,水平型企業結合のセーフハーバー基準に該当しない。

順位 会社名 シェア
1 A社 約25%
2 住友信託銀行 約25%
3 B社 約15%
4 C社 約10%
5 D社 約10%
6 中央三井アセット信託銀行 約10%
  その他 0-5%
(1)
当事会社合算 約35%
  合計 100%

(2)競争事業者の状況

 市場シェアが10%を超える有力な競争事業者が複数存在する。
 また,投資信託の受託業務は,コンピュータシステムによって処理されており,信託事業者は,比較的容易にサービスの供給量を増加させることが可能であることから,各信託事業者の供給余力は十分存在すると認められる。

(3)需要者からの競争圧力

 投資信託の受託業務は同質性が強く,商品(ファンド)の切替えに伴い委託先である信託事業者を切り替えることが容易であることから,顧客である投資信託委託会社は強い価格交渉力を有しており,信託事業者の信託報酬率は下落している状況にある。
 したがって,需要者からの競争圧力が存在すると認められる。

(4)独占禁止法上の評価

 上記の状況にかんがみれば,本件行為により,当事会社の単独行動又は当事会社と他の競争事業者との協調的行動によって,一定の取引分野における競争を実質的に制限することとはならないと判断した。

3 年金信託等

(1)市場シェア

 平成21年3月31日現在の年金信託等の運用資産残高は,約46兆円である。
 本件行為により,当事会社の合算市場シェア・順位は約25%・第1位となる。また,本件行為後のHHIは約1,700,HHIの増分は約400であり,水平型企業結合のセーフハーバー基準に該当しない。

順位 会社名 シェア
1 A社 約25%
2 住友信託銀行 約15%
3 中央三井アセット信託銀行 約15%
4 B社 約10%
5 C社 約10%
6 D社 約10%
  その他 約20%
(1) 当事会社合算 約25%
  合計 100%

(2)競争事業者の状況

 市場シェアが10%を超える有力な競争事業者が複数存在し,競争事業者は多数存在する。

(3)隣接市場からの競争圧力

 投資顧問会社による投資一任契約は年金資産の運用という面で年金信託等と同様の効用を有しており,年金信託等に対して隣接市場を形成していると考えられる。投資一任契約の運用資産残高は,年金信託等の運用資産残高の5割強に相当する。また,投資一任契約を提供している投資顧問会社は多数存在しており,活発な競争が行われている。
 したがって,隣接市場からの強い競争圧力が存在すると認められる。

(4)需要者からの競争圧力

 年金信託等の顧客である基金や企業は分散投資を行っているところ,これらの顧客は,委託先である信託事業者の運用実績,信託報酬率等を比較検討し,随時委託先を見直している。また,委託先の切替えも容易である。
 したがって,需要者からの競争圧力が存在すると認められる。

(5)独占禁止法上の評価

 上記の状況にかんがみれば,本件行為により,当事会社の単独行動又は当事会社と他の競争事業者との協調的行動によって,一定の取引分野における競争を実質的に制限することとはならないと判断した。

4 有価証券信託

(1)市場シェア

 平成21年3月31日現在の有価証券信託の信託財産残高は,約42兆円である。
 本件行為により,当事会社の合算市場シェア・順位は約45%・第1位となる。また,本件行為後のHHIは約2,900,HHIの増分は約300であり,水平型企業結合のセーフハーバー基準に該当しない。

順位 会社名 シェア
1 住友信託銀行 約40%
2 A社 約20%
3 B社 約15%
4 C社 約10%
5 中央三井 0-5%
6 D社 0-5%
  その他 0-5%
(1) 当事会社合算 約45%
  合計 100%

(2)競争事業者の状況

 市場シェアが10%を超える有力な競争事業者が複数存在し,競争事業者は多数存在する。
 また,有価証券信託業務は,コンピュータシステムによって処理されており,信託事業者は,比較的容易にサービスの供給量を増加させることが可能であることから,各信託事業者の供給余力は十分存在すると認められる。

(3)参入

 有価証券信託業務については,過去5年以内に複数の事業者が参入しており,参入圧力が存在すると認められる。

(4)隣接市場からの競争圧力

 有価証券の管理という点で有価証券信託と類似する機能を有するものとして,証券会社等の金融機関が提供する保護預かりがある。保護預かりの市場規模は有価証券信託よりも大きく,また,保護預かりを提供する金融機関は多数存在し,活発な競争が行われている。
 したがって,隣接市場からの競争圧力が一定程度存在すると認められる。

(5)需要者からの競争圧力

 有価証券信託の主要な顧客である機関投資家は分散投資を行っているところ,これら機関投資家は,委託先である信託事業者の運用実績,信託報酬率等を比較検討し,随時委託先を見直している。また,委託先の切替えも容易である。
 したがって,需要者からの競争圧力が存在すると認められる。

(6)独占禁止法上の評価

 上記の状況にかんがみれば,本件行為により,当事会社の単独行動又は当事会社と他の競争事業者との協調的行動によって,一定の取引分野における競争を実質的に制限することとはならないと判断した。

5 金銭債権信託

(1)市場シェア

 平成21年3月31日現在の金銭債権信託の信託財産残高は,約33兆円である。
 本件行為により,当事会社の合算市場シェア・順位は約35%・第2位となる。また,本件行為後のHHIは約2,700,HHIの増分は約300であり,水平型企業結合のセーフハーバー基準に該当しない。

順位 会社名 シェア
1 A社 約35%
2 住友信託銀行 約30%
3 B社 約20%
4 中央三井 0-5%
5 C社 0-5%
6 D社 0-5%
  その他 約10%
(1) 当事会社合算 約35%
  合計 100%

(2)競争事業者の状況

 市場シェアが10%を超える有力な競争事業者が複数存在し,競争事業者は多数存在する。

(3)参入

 金銭債権信託業務については,過去5年以内に複数の事業者が参入しており,参入圧力が存在すると認められる。

(4)隣接市場からの競争圧力

 短期の金銭債権に係る債権の流動化について金銭債権信託と類似の効用を有するものとして,特別目的会社(SPC)を用いた債権の流動化がある。特別目的会社(SPC)を用いた債権の流動化のサービスを提供する金融機関は多数存在し,活発な競争が行われている。
 したがって,隣接市場からの競争圧力が一定程度存在すると認められる。

(5)需要者からの競争圧力

 金銭債権信託については,商品内容の一般化が進んでいるため,規模の大きな案件を中心に入札によって委託先である信託事業者が選定されており,その結果,信託事業者の信託報酬率が下落している状況にある。
 したがって,需要者からの競争圧力が存在すると認められる。

(6)独占禁止法上の評価

 上記の状況にかんがみれば,本件行為により,当事会社の単独行動又は当事会社と他の競争事業者との協調的行動によって,一定の取引分野における競争を実質的に制限することとはならないと判断した。

6 包括信託

(1)市場シェア

 平成21年3月31日現在の包括信託の信託財産残高は,約78兆円である。
 本件行為により,当事会社の合算市場シェア・順位は約20%・第2位となる。また,本件行為後のHHIは約2,500,HHIの増分は約200であり,水平型企業結合のセーフハーバー基準に該当しない。

順位 会社名 シェア
1 A社 約40%
2 B社 約15%
3 C社 約10%
4 住友信託銀行 約10%
5 中央三井 約10%
6 D社 0-5%
  その他 約5%
(1) 当事会社合算 約20%
  合計 100%

(2)競争事業者の状況

 市場シェアが10%を超える有力な競争事業者が複数存在し,競争事業者は多数存在する。

(3)参入

 包括信託業務については,過去5年以内に複数の事業者が参入しており,参入圧力が存在すると認められる。

(4)需要者からの競争圧力

 包括信託の主要な顧客である機関投資家や不動産会社は,信託報酬率等を比較検討し,随時委託先である信託事業者を見直している。また,委託先の切替えも容易である。
 したがって,需要者からの競争圧力が存在すると認められる。

(5)独占禁止法上の評価

 上記の状況にかんがみれば,本件行為により,当事会社の単独行動又は当事会社と他の競争事業者との協調的行動によって,一定の取引分野における競争を実質的に制限することとはならないと判断した。

7 証券代行業務

(1)市場シェア(注5)

 平成22年3月31日現在の証券代行会社が受託している株式発行会社は約7,300社(うち上場会社は約3,800社),管理株主数は約5400万人である。
 本件行為により,当事会社の合算市場シェア・順位は約40%・第2位となる。また,本件行為後のHHIは約3,800,HHIの増分は約800であり,水平型企業結合のセーフハーバー基準に該当しない。

順位 会社名 シェア
1 A社 約45%
2 中央三井信託銀行 約25%
3 住友信託銀行 約15%
4 B社 約15%
5 C社 0-5%
(2)
当事会社合算 約40%
  合計 100%

(注5)平成23年1月に当事会社以外の証券代行会社における吸収分割が予定されており,当該吸収分割を前提に市場シェア・順位,HHIを計算している。
(注6)中央三井信託銀行及び中央三井信託銀行の100%子会社である東京証券代行株式会社のシェアの合計値。

(2)競争事業者の状況

 市場シェアが10%を超える有力な競争事業者が複数存在する。
 また,証券代行業務は,コンピュータシステムによって処理されており,証券代行会社は,比較的容易にサービスの供給量を増加させることが可能であることから,各証券代行会社の供給余力は十分存在すると認められる。

(3)需要者からの競争圧力

 証券代行業務は同質性が強いこと,株式発行会社が証券代行会社の変更(以下「委託替え」という。)を行う場合には,新たに受託する証券代行会社が委託替え費用を負担することが多いこと,証券代行業務のシステム化が進んでいること等により,委託替えは容易になっており,委託替えを行う株式発行会社が多くなっていることから,株式発行会社は証券代行会社との取引において優位な立場に立っており,証券代行会社に対する委託手数料は下落傾向にある。
 したがって,需要者からの競争圧力が存在すると認められる。

(4)独占禁止法上の評価

 上記の状況にかんがみれば,本件行為により,当事会社の単独行動又は当事会社と他の競争事業者との協調的行動によって,一定の取引分野における競争を実質的に制限することとはならないと判断した。

第4 結論

 以上の状況から,本件行為により,一定の取引分野における競争を実質的に制限することとはならないと判断した。

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公正取引委員会事務総局経済取引局企業結合課
電話 03-3581-3719(直通)
ホームページ http://www.jftc.go.jp/

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