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(平成22年9月24日)常磐興産株式会社に対する課徴金の納付を命ずる審決について(国土交通省関東地方整備局が発注するプレストレスト・コンクリートによる橋梁の新設工事の入札談合)

平成22年9月24日
公正取引委員会

 公正取引委員会は,被審人常磐興産株式会社(以下「被審人」という。)に対し,平成17年6月15日,審判開始決定を行い,以後,審判官をして審判手続を行わせてきたところ,平成22年9月21日,被審人に対し,平成17年法律第35号による改正前の独占禁止法第54条の2第1項の規定に基づき,課徴金の納付を命ずる審決を行った(本件平成17年(判)第12号の審決書については,当委員会ホームページの「報道発表資料」及び「審決等データベース」参照。)。

1 被審人の概要

事業者名 所在地 代表者
常磐興産株式会社 福島県いわき市常磐藤原町蕨平50番地 斎藤 一彦

2 主文

 被審人は,課徴金として金2242万円を平成22年11月22日までに国庫に納付しなければならない。

3 本件の経緯

 平成17年
 4月25日 課徴金納付命令
 6月15日 審判開始決定
 8月2日 第1回審判
 ↓
 平成21年
 4月7日 第23回審判(審判手続終結)
 平成22年
 3月31日 審決案送達
 4月14日 審決案に対する異議の申立て及び直接陳述の申出
 6月30日 直接陳述の聴取
 9月21日 課徴金の納付を命ずる審決

4 審決の概要

(1) 課徴金に係る違反行為の概要

 被審人を含む21社(以下「21社」という。)は,遅くとも平成13年4月1日以降,平成16年3月31日まで,国土交通省が関東地方整備局において一般競争入札,公募型指名競争入札,工事希望型指名競争入札又は指名競争入札の方法によりプレストレスト・コンクリート工事として発注する橋梁の新設工事(以下「関東地整発注の特定PC橋梁工事」という。)について,受注価格の低落防止を図るため,共同して,受注予定者を決定し,受注予定者が受注できるようにしていた(以下「本件行為」という。)。

(2) 課徴金の計算の基礎となる事実及び課徴金額の算定

 被審人の本件違反行為の実行期間は,平成13年8月31日から平成14年7月31日までであり,平成17年政令第318号による改正前の私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律施行令第6条の規定に基づき算定すると,被審人のこの期間における関東地方整備局発注の特定PC橋梁工事に係る売上額は3億7380万円である。課徴金の額は,この売上額に100分の6を乗じて得た額から1万円未満の端数を切り捨てて算出された2242万円である。

(3) 本件の争点

ア 21社及びSMCコンクリート株式会社による本件行為の有無(争点1)
イ 本件行為の終期(争点2)
ウ 競争の実質的制限の有無(争点3)

(4) 争点に対する判断の概要

ア 争点1について

 本件行為の存在を認める内容の複数の供述及び「本件アンケート票」等の証拠によれば,本件組織(注1)において本件基本合意(注2)の下に関東地整発注の特定PC橋梁工事に関する受注調整が行われていたことは優に認められる。
 本件行為の参加者に関しては,特段の事情のない限り,前田製管株式会社の従業員の供述及び本件アンケート票において本件組織の参加者として挙げられている20社に被審人及び住友建設株式会社(又は三井住友建設株式会社)を加えた22社と認めるのが相当である。ただし,SMCコンクリート株式会社に関しては,上記特段の事情があり,本件行為の参加者であったとは認められない。
(注1) 「関東PCクラブ」又は「S会」と称する組織。
(注2) (1) 自社が受注を希望する工事又は自社が受注を希望する工事額を,本件組織の幹事に表明し,幹事は,各社の過去の受注実績,受注希望等を勘案して,受注予定者を決定し,(2) 受注すべき価格は,受注予定者が定め,受注予定者以外の者は,受注予定者がその定めた価格で受注できるよう協力する旨の合意。

イ 争点2について

 前田製管株式会社の従業員は,本件組織における受注調整を平成16年3月ころまで行っていた旨述べていること及び本件立入検査後に入札の行われた3物件について事前に割り振られていた事業者が落札・受注していること等の事情を踏まえれば,本件行為は平成15年12月3日の本件立入検査後も継続されており,少なくとも平成16年3月末日まで継続されていたものと認めるのが相当である。

ウ 争点3について

 21社自身,本件行為についてアウトサイダーの存在等を考慮してもなお,本件工事についての競争を制限し得るものであると認識し,実際に受注調整を多数回実行した後もその認識を変えなかったことが明らかであること,受注予定者決定等の仕組みから,相応の持続性を有するものであったことは明らかであること,21社のシェアが非常に大きいこと,アウトサイダーとの競争を回避する仕組みがあること,本件受注物件65物件の全部又は大部分について,実際に本件行為に係る受注調整が行われたものと推認されること及びアウトサイダーの協力を得ること等により,アウトサイダーとの競争を実質的に回避できていたものと推認されることといった諸事情に照らせば,本件行為は,競争を実質的に制限するものであったと認めるのが相当である。

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問い合わせ先

公正取引委員会事務総局官房総務課審決訟務室
電話 03-3581-5478(直通)
ホームページ http://www.jftc.go.jp/

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