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(平成23年2月18日)JX日鉱日石エネルギー株式会社ほか2社に対する課徴金の納付を命ずる審決について(旧防衛庁調達実施本部が発注する石油製品の入札談合)

平成23年2月18日
公正取引委員会

 公正取引委員会は,被審人JX日鉱日石エネルギー株式会社(以下「被審人JX」という。),被審人コスモ石油株式会社(以下「被審人コスモ」という。)及び被審人昭和シェル石油株式会社(以下「被審人昭和シェル」という。)の3社(以下「被審人ら」という。)に対し,平成20年3月24日,審判開始決定を行い,以後,審判官をして審判手続を行わせてきたところ,平成23年2月16日,被審人らに対し,平成17年法律第35号による改正前の独占禁止法(以下「独占禁止法」という。)第54条の2第1項の規定に基づき,課徴金の納付を命ずる審決を行った(本件平成20年(判)第11号ないし第13号審決書については,当委員会ホームページの「報道発表資料」及び「審決等データベース」参照。)。

1 被審人らの概要

事業者名 所在地 代表者
JX日鉱日石エネルギー株式会社(注) 東京都千代田区大手町二丁目6番3号 木村 康
コスモ石油株式会社 東京都港区芝浦一丁目1番1号 木村 彌一
昭和シェル石油株式会社 東京都港区台場二丁目3番2号 新井 純

 (注) 被審人JXは,平成22年7月1日,新日本石油株式会社(以下「新日本石油」という。)が新日本石油精製株式会社及び株式会社ジャパンエナジーを吸収合併して,現商号に変更したものである。新日本石油は,平成11年4月1日,日本石油株式会社(以下「日本石油」という。)が三菱石油株式会社(以下「三菱石油」という。)を吸収合併したものであり,合併に際して日石三菱石油株式会社に商号変更し,さらに,平成14年6月27日に新日本石油に商号変更したものである。

2 主文

 被審人JXは金21億5601万円を,
 被審人コスモは金17億5115万円を,
 被審人昭和シェルは金5億7744万円を,
 それぞれ課徴金として平成23年4月18日までに国庫に納付しなければならない。

3 本件の経緯

平成20年
 1月16日 課徴金納付命令
 3月24日 審判開始決定
 5月26日 第1回審判
 ↓
平成22年
 4月7日 第11回審判(審判手続終結)
 12月9日 審決案送達
 12月24日までに被審人らから審決案に対する異議の申立て
平成23年
  2月16日 課徴金の納付を命ずる審決
 (総額44億8460万円)

4 審決の概要

(1) 課徴金に係る違反行為の概要
 被審人らは,遅くとも平成7年4月以降,共同して,防衛庁調達実施本部(以下「調達実施本部」という。)が指名競争入札の方法により発注する自動車ガソリン,灯油,軽油(一般用及び艦船用),A重油及び航空タービン燃料(以下,併せて「本件石油製品」という。)について,物件ごとの受注予定者を決定し,受注予定者以外の指名業者は受注予定者が受注することができるよう協力する旨の合意の下に,受注予定者を決定し,受注予定者が受注することができるようにすることにより,公共の利益に反して,調達実施本部発注の本件石油製品の油種ごとの取引分野における競争を実質的に制限していた。

(2) 課徴金の計算の基礎となる事実及び課徴金額の算定
 被審人らの本件違反行為の実行期間は,独占禁止法第7条の2第1項の規定により,平成7年11月21日から平成10年11月20日までの3年間であり,被審人各社(被審人JXは当時の日本石油及び三菱石油)のこの期間における本件石油製品の油種ごとの売上額及び課徴金額は,それぞれ別表の「売上額」及び「課徴金額」のとおりである。

(3) 本件の争点
ア 本件違反行為は,「対価に係るもの」に該当するか否か(争点1)
イ 課徴金算定の対象から除外するべき物件があるか否か(争点2)
ウ 本件石油製品の売上額に係る課徴金の算定率について(争点3)
エ 課徴金算定の基礎となる売上額について(契約基準適用の可否,消費税及び石油諸税相当額を売上額に算入することの可否)(争点4)

(4) 争点に対する判断の概要
ア 争点1について
 入札制度が入札価格を基準として受注者を決定するものであることに照らすと,入札を対象とする不当な取引制限(いわゆる入札談合)の場合には,受注予定者を決定するとともに,受注予定者以外の者は,価格競争を回避して受注予定者が入札する価格以下の価格で入札しないという合意を当然に包含するものといえるから,定型的に「対価に係るもの」に該当すると解すべきである。
 本件合意は,入札において受注予定者との価格競争を回避して受注予定者が入札する価格以下の価格で入札しない旨をも共通意思及び相互拘束の内容とするものである。加えて,被審人らは,商議においてあらかじめ被審人コスモの担当者から示された基準価格の水準に従って,油種ごとに一律の基準価格について価格交渉を行う等していたのであるから,本件違反行為は本件石油製品の対価に直接的な効果を及ぼすものであることは明らかである。よって,本件違反行為は独占禁止法第7条の2第1項の「対価に係るもの」に該当する。
イ 争点2について
 独占禁止法第7条の2第1項にいう「当該商品又は役務」とは,本件合意のような入札談合の場合にあっては,基本合意の対象となった商品又は役務全体のうち,個別の入札において基本合意の成立により発生した競争制限効果が及んでいると認められるものをいうと解するべきである。そして,個別の入札において基本合意に基づき受注予定者が決定されたことが認められれば,当該入札の対象物件には,自由な競争を行わないという基本合意の成立によって発生した競争制限効果が及んでいるものと認められる。
 被審人らは,配分会議で,山間へき地,離島等所在の基地に納入する小口物件等輸送コストがかさむ物件を含む本件石油製品の全てについて,受注予定者を決定し,当該受注予定者が受注していたと認められる。
 よって,被審人らのいずれかが受注した本件石油製品は全て独占禁止法第7条の2第1項の「当該商品」に該当し,その売上額は,課徴金算定の基礎となる。
ウ 争点3について
 違反行為の拘束を受けた取引について,違反行為者が形式的には第三者から商品を購入して,これを販売している場合であっても,その利益構造や業務内容等から,違反行為者が実質的にみて卸売業者又は小売業者の機能に属しない他業種の事業活動を行っていると認められる場合には,卸売業又は小売業以外の事業を行っているものとして業種の認定を行い,課徴金の算定率も卸売業・小売業以外のものを用いることが相当である。
(ア) 被審人JXについて
 本件石油製品に関する日本石油の事業活動には,本件石油製品を第三者から購入してこれを販売するという卸売業としての実態はなく,日本石油は,実質的にみて卸売業者又は小売業者の機能に属しない他業種の事業活動を行っていたものと認められるから,日本石油の本件石油製品の売上額に係る課徴金算定率については,卸売業又は小売業以外の業種に係る算定率6パーセントを適用すべきこととなる。
(イ) 被審人昭和シェルについて
 独占禁止法第7条の2第1項は,違反行為の対象となった油種における個々の取引について個別に業種の認定を行うことは予定していないと解すべきであり,油種ごとに違反行為の実行としての事業活動である取引全体を基準として業種の認定を行うのが妥当である。そして,違反行為に係る取引について,卸売業又は小売業に認定されるべき事業活動とそれ以外の事業活動の双方が行われている場合には,定型的に実行期間における違反行為に係る取引において,過半を占めていたと認められる事業活動に基づいて業種を決定することが相当である。
 被審人昭和シェルが本件実行期間中において調達実施本部に納入した本件石油製品のうち西部石油株式会社から購入した製品の売上額が油種全売上額(契約価格の合計)の過半を占めるのは,62.5パーセントの軽油のみであるから,被審人昭和シェルについて,軽油については卸売業に適用される算定率1パーセントを,その他の自動車ガソリン,灯油,A重油及び航空タービン燃料については,いずれも卸売業又は小売業以外の業種に適用される算定率6パーセントを適用するべきこととなる。
エ 争点4について
(ア) 契約基準の適用
 独占禁止法施行令(以下「施行令」という。)第6条の契約基準によるべき場合を,「著しい差異」があるときではなく,「著しい差異を生ずる事情」があると認められるときとしていることに照らせば,引渡基準によった場合の対価の合計額と契約により定められた対価の合計額との間に著しい差異を生ずる蓋然性が類型的ないし定性的に認められるかどうかを判断して契約基準の適用の可否を決すれば足りるものと解するのが相当である。
 本件では,引渡基準によった場合の対価の合計額と契約により定められた対価の合計額との間に著しい差異を生ずる蓋然性が類型的ないし定性的に存在すると認められ,よって,課徴金算定の基礎となる売上額の算定について,施行令第6条の契約基準によることが相当である。
(イ) 消費税及び石油諸税相当額の取扱い
 商品の購入者が支払う消費税相当額は,法的性質上,商品の「販売価格」の一部であり,施行令第6条にいう商品の「対価」に含まれると解すべきである。
 また,石油諸税相当額については,法的性質からしても社会通念の観点からしても,商品の対価の一部として課徴金算定の基礎となる売上額に含まれるものと解することが相当である。

別表 油種ごとの売上額、課徴金額一覧
被審人等/油種 自動車
ガソリン
灯油 軽油 A重油 航空タービン燃料 課徴金総額
JX日鉱日石
エネルギー
株式会社
課徴金額 42,670,000 52,630,000 521,510,000 216,970,000 1,322,230,000 2,156,010,000

日本石油
株式会社
売上額 528,545,077 600,421,418 5,887,946,467 2,244,129,973 17,208,243,934 2,156,010,000

三菱石油
株式会社
売上額 182,745,804 276,753,829 2,804,016,547 1,372,068,520 4,829,074,490 2,156,010,000
コスモ石油
株式会社
売上額 395,946,572 638,370,663 5,971,428,513 2,606,601,485 19,573,917,186 1,751,150,000
課徴金額 19,573,917,186 38,300,000 358,280,000 156,390,000 1,174,430,000 1,751,150,000
昭和シェル石油
株式会社
売上額 246,702,110 408,331,784 3,898,079,203 2,441,317,301 5,878,360,061 577,440,000
課徴金額 14,800,000 24,490,000 38,980,000 146,470,000 352,700,000 577,440,000
合計 4,484,600,000

 (単位:円)

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公正取引委員会事務総局官房総務課審決訟務室
電話 03-3581-5478(直通)
ホームページ http://www.jftc.go.jp/

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