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(平成23年6月17日)平成22年度における近畿地区の独占禁止法の運用状況等について

平成23年6月17日
公正取引委員会事務総局
近畿中国四国事務所

第1 独占禁止法違反事件の処理状況

1 独占禁止法違反事件

 独占禁止法は,公正かつ自由な競争の促進を目的として,一定の取引分野における競争を実質的に制限する私的独占及び不当な取引制限(価格カルテル,入札談合等),構成事業者の機能又は活動を不当に制限する等の事業者団体による行為並びに公正な競争を阻害するおそれのある不公正な取引方法(不当廉売,拘束条件付取引等)を禁止している。
 公正取引委員会は,一般から提供された情報(申告),自ら探知した事実等を検討し,必要な審査を行い,審査の結果,違反行為が認められたときは,当該行為をした事業者等に対し,違反行為を排除するために必要な措置等を命じている。違反行為のうち,価格カルテル・入札談合等については,違反行為をした事業者に対して課徴金の納付を命じている。

2 最近の独占禁止法違反事件の処理状況(不当廉売事案で迅速処理したものを除く。)

 最近の5年間における近畿地区(注)の独占禁止法違反事件の処理状況は,次のとおりである。(注)近畿地区とは,近畿2府4県のほか福井県を含めた地区である。

独占禁止法違反事件の処理件数
処理内容/年度 18年度 19年度 20年度 21年度 22年度
審査件数 前年度からの繰越し 4 2 1 2 2
年度内新規着手 21 12 21 8 17
合計 25 14 22 10 19
処理件数 法的措置(注1) 1 5 1 1 1
その他 警告(注2) 2 0 0 0 0
注意(注3) 11 6 17 6 13
打切り(注4) 9 2 2 1 4
小計 22 8 19 7 17
合計 23 13 20 8 18
次年度への繰越し 2 1 2 2 1

(単位:件)
(注1) 「法的措置」とは排除措置命令及び課徴金納付命令であり,1つの事件について,排除措置命令と課徴金納付命令がともになされている場合には,法的措置件数を1件としている。
(注2) 「警告」とは,排除措置命令等の法的措置を採るに足る証拠が得られないが,違反の疑いがある場合に行う措置である。
(注3) 「注意」とは,違反行為の存在を疑うに足る証拠が得られないが,将来違反につながるおそれがある場合に行う措置である。
(注4) 「打切り」とは,違反行為が認められない等により,審査を打ち切る場合をいう。
(注5) 件数は,当事務所が審査を行ったものを計上している。

3 独占禁止法違反事件の概要

(1) 入札談合事件

ア 違反事業者
 三和シヤッター工業株式会社,文化シヤッター株式会社及び東洋シヤッター株式会社の3社(以下「3社」という。)並びに三和ホールディングス株式会社の4社(以下「4社」という。)
イ 違反行為の概要
 4社は,共同して,近畿地区における特定シャッター等について,受注予定者を決定し,受注予定者が受注できるようにすること等により,公共の利益に反して,近畿地区における特定シャッター等の取引分野における競争を実質的に制限していた。
ウ 排除措置命令及び課徴金納付命令
 公正取引委員会は,平成22年6月9日,3社に対し排除措置命令を行うとともに,4社に対し課徴金納付命令(総額6億9833万円)を行った。

 (注) 近畿地区における特定シャッター等とは,建設業者が発注する,近畿地区における建築物その他の工作物に取り付けられるシャッター等であって,違反事業者のいずれかにおいて積算価格の額(ドア等の物品及び当該物品に係る取付工事等の役務の積算価格の額を除く。)が5000万円以上となるものをいう。
 シャッター等とは,重量シャッター,軽量シャッター,オーバーヘッドドア,シートシャッターその他のシャッター及び危害防止装置等のシャッター関連製品(ドア等の物品又は取付工事等の役務が併せて発注される場合には当該物品又は当該役務を含む。)をいう。

(2) 事業者団体による価格制限行為

 地方公共団体が設定する標準料金について,事業者団体と協議し,実施することを定めた覚書を締結していることが価格制限行為につながるおそれがあるなどとして,当該事業者団体に対して注意を行った。

(3) 不当廉売

 酒類,石油製品,家庭用電気製品等について,不当廉売につながるおそれがあるとして524件の注意を行った。
 なお,不当廉売は,不公正な取引方法の一つとして,独占禁止法第19条で禁止される行為である。申告のあった不当廉売事案に関しては,迅速に処理するとの方針の下で対処するとともに,大規模事業者による不当廉売等周辺の中小事業者に対する影響が大きいと考えられる事案については厳正に対処することとしている。

(4) 流通分野におけるその他の不公正な取引方法

 金属製工具製造業者(1社),家庭用電気製品卸売業者(2社),化粧品卸売業者(1社),ペット用品卸売業者(1社)及び知育玩具卸売業者(1社)に対し,それぞれ再販売価格維持行為につながるおそれがあるとして,6件の注意を行った。

第2 企業結合関係届出等及び協同組合届出の動向

1 企業結合関係届出等

 独占禁止法では,一定の取引分野における競争を実質的に制限することとなる場合及び不公正な取引方法による場合の会社等の株式取得・所有,役員兼任,合併,分割,共同株式移転及び事業譲受け等の禁止並びに一定の条件を満たす企業結合についての届出義務を規定している。
 公正取引委員会では,これら株式保有・合併等に係る独占禁止法上の問題の有無について審査を行っている。
 最近5年間における近畿地区の企業結合関係届出受理の件数は,次のとおりである。

企業結合関係届出受理件数

17年度 18年度 19年度 20年度 21年度
合併届出受理 161 139 102 102 14
分割届出受理 11 11 7 5 1
共同株式移転届出受理 1 3 2 1 1
事業譲受け等届出受理 - - - 0 0
株式所有報告書提出 27 18 9 9 4
合計 200 171 120 117 20

(単位:件)
(注1) 平成18年度~平成21年度の株式取得届出受理件数には,平成21年独占禁止法改正法による改正前の独占禁止法の規定に基づく株式所有に関する報告書の提出件数を含む。
(注2) 平成22年度は前年度までの届出受理等件数から大幅に減少しているが,これは平成22年1月1日に施行された改正独占禁止法によって届出対象範囲が縮減されたためである。

2 協同組合届出

 中小企業等協同組合法は,同法に基づき設立された事業協同組合及び信用協同組合に対し,小規模事業者以外の者が加入したとき又は組合員が小規模事業者でなくなったときには,その旨を公正取引委員会に届け出ることを義務付けている。
 最近5年間における近畿地区の協同組合届出の動向は,次のとおりである。

中小企業等協同組合法第7条第3項に基づく届出件数

18年度 19年度 20年度 21年度 22年度
中協法7条3項届出 41 30 41 35 31

(単位:件)

第3 広報・広聴活動等

 公正取引委員会では,独占禁止法等の普及・啓発及び競争政策の運営に資するため,次のような広報・広聴活動を行っている。

1 独占禁止政策協力委員会議

 競争政策への理解の促進と地域の経済社会の実情に即した政策運営に資するため,平成11年度から,独占禁止政策協力委員制度を設置しており,独占禁止法等の運用や競争政策の運営等に係る意見・要望の聴取等を行い,施策の実施の参考としている。
 近畿地区では,平成22年度においては6月に独占禁止政策協力委員会議を1回開催し,意見・要望の聴取等を行ったほか,個別に意見・要望等の聴取を行った。

2 有識者との懇談会

 各地の有識者と公正取引委員会の委員等との懇談及び講演会を通して,競争政策についてより一層の理解を求めるとともに,幅広く意見及び要望を把握し,今後の競争政策の有効かつ適切な推進に資するため,昭和47年度以降,毎年,全国各地において開催している。
 近畿地区では,これまで7都市で34回開催しており,平成22年度は10月に京都市において,京都府商工会議所連合会,京都経営者協会,(社)京都経済同友会,(社)京都工業会,京都府中小企業団体中央会の経済団体,消費者団体及び報道機関等の有識者との懇談会を実施し,同時に「公正な経済社会の実現と公正取引委員会の役割」をテーマに講演会を開催した。
 また,平成4年度から近畿中国四国事務所長等と各地の有識者等との意見交換会(懇談会)を開催しており,平成22年度は福井県越前市,京都府宇治市,城陽市,大阪市(2回),大阪府八尾市,東大阪市,泉南郡熊取町,兵庫県神崎郡福崎町及び和歌山県御坊市の10か所において開催した。
 最近5年間における有識者と近畿中国四国事務所との懇談会の開催件数は次のとおりである。

有識者と近畿中国四国事務所との懇談会の開催件数

18年度 19年度 20年度 21年度 22年度
有識者との懇談会 4
3
9
11
10

(単位:件)

3 独占禁止法説明会等

 公正取引委員会では,独占禁止法等の違反の未然防止を図るため,説明会・講習会等を自ら主催しているほか,各種業界団体等から要請を受けて講習会等へ講師を派遣している。
 近畿地区では,平成22年度は独占禁止法に関する説明会等を44回実施した。
 最近5年間における独占禁止法説明会等の開催件数は次のとおりである。

独占禁止法説明会等の開催件数

18年度 19年度 20年度 21年度 22年度
独占禁止法説明会等
30
32
24
35
44

(単位:件)

4 学生に対する独占禁止法出前授業の実施

 消費者であり,また,将来,経済活動に参加する中学生,高校生及び大学生を対象に,独占禁止法等についての理解を深めてもらうことを目的として,当委員会の職員による「独占禁止法教室」を開催している。
 近畿地区では,平成22年度は中学生向け独占禁止法教室を2校,高校生向け独占禁止法教室を1校,大学生向け独占禁止法教室を10校開催した。
 最近5年間における独占禁止法教室の開催件数は次のとおりである。

独占禁止法教室の開催件数

18年度 19年度 20年度 21年度 22年度
独占禁止法教室
3
3
1
7
13

(単位:校)

5 一日公正取引委員会

 本局及び地方事務所等の所在地以外の都市において,独占禁止法及び下請法の普及啓発活動や相談対応の一層の充実を図るため,独占禁止法講演会,下請法講演会,官製談合防止法研修会,消費者セミナー,独占禁止法教室,報道機関との懇談会,相談コーナーなどを1か所の会場で開催する「一日公正取引委員会」を,平成22年度から全国的に実施しており,近畿地区では,11月に福井市において開催した。

6 消費者セミナー

 一般消費者に独占禁止法の内容や公正取引委員会の活動について,より一層の理解を深めてもらうため,対話型・参加型のイベントとして「消費者セミナー」を平成22年度から実施しており,近畿地区では,大阪市,京都府京田辺市,京都府福知山市,神戸市,大阪府八尾市及び福井市の6か所のほか,大阪市において大阪弁護士会と共催で実施し,計7か所において開催した。

7 相談業務

 公正取引委員会では,法運用に対する理解を深め,違反行為の未然防止を図るため,相談を受け付けている。
 最近5年間における近畿地区の相談受付件数は次のとおりである。


18年度 19年度 20年度 21年度 22年度
独占禁止法
883
813
1,098
949
1,036
下請法
865
841
1,041
1,276
1,284
合計
1,748
1,654
2,139
2,225
2,320

(単位:件)

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問い合わせ先

独占禁止法違反事件の処理状況に関する問い合わせ先 公正取引委員会事務総局近畿中国四国事務所第一審査課
電話 06-6941-2193(直通)
企業結合関係届出等の動向に関する問い合わせ先 公正取引委員会事務総局近畿中国四国事務所経済取引指導官
電話 06-6941-2174(直通)
広報活動等に関する問い合わせ先 公正取引委員会事務総局近畿中国四国事務所総務課
電話 06-6941-2173(直通)
ホームページ http://www.jftc.go.jp/regional_office/kinki/index.html

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