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(平成23年11月30日)平成23年度上半期における近畿地区の独占禁止法の運用状況等

平成23年11月30日
公正取引委員会事務総局
近畿中国四国事務所

第1 独占禁止法違反事件の処理状況

1 独占禁止法は,公正かつ自由な競争の促進を目的として,一定の取引分野における競争を実質的に制限する私的独占,不当な取引制限(価格カルテル,入札談合等)及び公正な競争を阻害するおそれのある不公正な取引方法(不当廉売,優越的地位の濫用等)の行為を禁止している。
 公正取引委員会は,一般から提供された情報(申告),自ら探知した事実等を検討し,必要な審査を行い,審査の結果,違反する行為が認められたときは,当該行為をした事業者等に対し,違反行為を排除するために必要な措置等を命じている。違反行為のうち,価格カルテル・入札談合,優越的地位の濫用等については,違反行為をしていた事業者に対して課徴金の納付を命じている。

2 最近の独占禁止法違反事件の処理状況(不当廉売事案で迅速に処理したものを除く。)
 最近における近畿地区(注)の独占禁止法違反事件の処理状況は,次のとおりである。
 (注)近畿地区とは,近畿2府4県のほか福井県を含めた地区である。

処理内容/年度 19年度 20年度 21年度 22年度 23年度
上半期

処理
件数

法的措置(注1) 5 1 1 1 1
その他 警告(注2) 0 0 0 0 0
注意(注3) 6 17 6 13 2(注5)
打切り(注4) 2 2 1 4 0
小計 8 19 7 17 2
合計 13 20 8 18 3

(単位:件)

(注1) 「法的措置」とは,排除措置命令及び課徴金納付命令であり,1つの事件について,排除措置命令と課徴金納付命令が共になされている場合には,法的措置件数を1件としている。
(注2) 「警告」とは,排除措置命令等の法的措置を採るに足る証拠が得られなかったが,違反の疑いがある場合に行う措置であり,関係事業者等に対して是正措置を採るよう指導を行っている。
(注3) 「注意」とは,違反行為の存在を疑うに足る証拠が得られないが,将来違反につながるおそれがある場合に行う措置である。
(注4) 「打切り」とは,違反事実が認められないなどにより,審査を打ち切る場合をいう。
(注5) 後記3(2)記載の優越的地位の濫用に対する4件の注意は,審査局の「優越的地位濫用事件タスクフォース」において行われたため含まれていない。

3 独占禁止法違反事件の概要

(1) VVFケーブルの製造業者及び販売業者に対する排除措置命令及び課徴金納付命令(価格カルテル事件)

ア 違反行為の概要
 VVFケーブルの製造業者及び販売業者11社は,共同して,特定VVFケーブル(注)の11社の販売価格を決定していく旨を合意することにより,公共の利益に反して,我が国における特定VVFケーブルの販売分野における競争を実質的に制限していた。
イ 排除措置命令及び課徴金納付命令
 平成23年7月22日,上記違反行為者のうち,8社に対して排除措置命令を,9社に対して課徴金納付命令を行った(課徴金総額62億2286万円)。
 (注) 「特定VVFケーブル」とは,VVFケーブルのうち,販売業者に対して販売されるものをいう。
VVFケーブルは,主にビル,家屋等の建物に設置されるブレーカーから建物内部のコンセント等までの屋内配線として使用されるものである。
 ⇒本事件の詳細については,VVFケーブルの製造業者及び販売業者に対する排除措置命令及び課徴金納付命令について(PDF:68KB)に掲載。

(2) 優越的地位の濫用

 公正取引委員会は,優越的地位の濫用に係る情報に接した場合には,効率的かつ効果的な調査を行い,独占禁止法違反につながるおそれのある行為が認められた場合には,未然防止の観点から注意するとともに,独占禁止法違反が認められた場合は厳正に対処することとしている。
 平成23年度上半期において,以下の4件の注意を行った。
ア ホームセンター業を営むA社は,店舗改装に際し,納入業者に対し,従業員派遣の条件について事前に明確な合意をすることなく,改装前の自社商品撤去,改装後の自社商品陳列等の作業及び改装オープン時におけるセール期間中について自社商品補充作業のために従業員の派遣を要請していた。

イ 食品小売業を営むB社は,直営店及びフランチャイズ店の競合店対策のために,商品の販売価格を引き下げるに際し,納入業者に対し,あらかじめ定めた当該商品の納入価格の減額を行っていた。

ウ 食品スーパーマーケット業を営むC社は,納入業者に対し,自社が販売する総菜の製造を行わせるために従業員の派遣を要請していた。

エ ホームセンター業を営むD社は,納入業者に対し,競合する店舗の販売価格の調査を実施するために従業員の派遣を要請していた。

(3) 不当廉売

ア 処理状況
 平成23年度上半期において,酒類,石油製品及び家電製品について,不当廉売につながるおそれがあるとして116件の注意を行った。
 公正取引委員会は,申告のあった不当廉売事案に関しては,迅速に処理するとの方針の下で対処するとともに,大規模事業者による不当廉売事案等周辺の中小事業者に対する影響が大きいと考えられる事案については,厳正に対処することとしている。

イ 酒類小売業者に対する警告
(ア) 違反行為の概要
 株式会社ナガタ薬品は,酒類を取り扱う26店舗において,ビール等(注)のうち主要な商品(いずれも350ミリリットル缶24本入りケースのもの)をその供給に要する費用を著しく下回る対価で継続して供給し,上記26店舗のうち少なくとも3店舗の周辺地域に所在する酒類小売業者の事業活動を困難にさせるおそれを生じさせた疑いが認められた。
(イ) 警告
 平成23年11月14日,同社に対し,今後,このような行為を行わないよう警告した。
 (注)「ビール等」とは,ビール並びにいわゆる「第三のビール」等と称されるその他の醸造酒及びリキュールをいう。
 ⇒本事件の詳細については,株式会社ナガタ薬品に対する警告について(PDF:391KB)に掲載。

第2 企業結合関係届出等及び協同組合届出の動向

1 企業結合関係届出等

 独占禁止法では,一定の取引分野における競争を実質的に制限することとなる場合及び不公正な取引方法による場合の会社等の株式取得・所有,役員兼任,合併,分割,共同株式移転及び事業譲受け等の禁止並びに一定の条件を満たす企業結合についての届出義務を規定している。
 公正取引委員会では,これら株式保有・合併等に係る独占禁止法上の問題の有無について審査を行っている。
 最近における近畿地区の企業結合関係届出受理の件数は,次のとおりである。

企業結合関係届出受理件数
  19年度 20年度 21年度 22年度 23年度
上半期
株式取得届出受理 139 102 102 14 6
合併届出受理 11 7 5 1 1
分割届出受理 3 2 1 1 0
共同株式移転届出受理 0 0 0
事業譲受け等届出受理 18 9 9 4 2
合計 171 120 117 20 9

(単位:件)

(注1) 平成19年度~平成21年度の株式取得届出受理件数には,平成21年独占禁止法改正法による改正前の独占禁止法の規定に基づく株式所有に関する報告書の提出件数を含む。
(注2) 平成22年度は前年度までの届出受理等件数から大幅に減少しているが,これは平成22年1月1日に施行された改正独占禁止法によって届出対象範囲が縮減されたためである。

2 協同組合届出

 中小企業等協同組合法は,同法に基づき設立された事業協同組合及び信用協同組合に対し,小規模事業者以外の者が加入したとき又は組合員が小規模事業者でなくなったときには,その旨を公正取引委員会に届け出ることを義務付けている。

 最近における近畿地区の協同組合届出の動向は,次のとおりである。

中小企業等協同組合法第7条第3項に基づく届出件数
  19年度 20年度 21年度 22年度

23年度
上半期

中協法7条3項届出 30 41 35 31 18

(単位:件)

第3 広報活動等

1 独占禁止政策協力委員からの意見聴取等

 公正取引委員会では,競争政策への理解の促進と地域の経済社会の実情に即した政策運営に資するため,平成11年度から,独占禁止政策協力委員制度を設置し,独占禁止法等の運用や競争政策の運営等に係る意見・要望の聴取等を行っている。
 近畿地区では,平成23年度上半期においては独占禁止政策協力委員23名からそれぞれ意見・要望の聴取等を行った。

2 有識者との懇談会

 本懇談会は,各地の有識者と公正取引委員会の委員長,委員等との懇談及び講演会を通して,競争政策についてより一層の理解を求めるとともに,幅広い意見,要望を把握し,今後の競争政策の有効かつ適切な推進に資するため,昭和47年度以降,毎年,全国各地において開催されている(近畿地区では,これまで7都市で35回開催)。
 近畿地区では,平成23年度は10月に福井市において,福井商工会議所,福井経済同友会,(社)福井県銀行協会,福井県中小企業団体中央会,福井経営者協会,消費者団体及びマスコミ等の有識者との懇談会を実施し,同時に「公正な経済社会の実現に向けた公正取引委員会の取組」をテーマに講演会を開催した。
 また,平成4年度から各地の有識者と近畿中国四国事務所との意見交換会(懇談会)を開催しており,平成23年度は9月までに新宮市,宝塚市,大阪市,東大阪市及び綾部市の5か所において開催した。

有識者と近畿中国四国事務所との懇談会の開催件数
  19年度 20年度 21年度 22年度

23年度
上半期

有識者との懇談会 3 9 11 10 5

(単位:件)

3 独占禁止法説明会等

 公正取引委員会では,独占禁止法等の違反の未然防止を図るため,説明会・講習会等を自ら主催しているほか,各種業界団体等から要請を受けて講習会等へ講師を派遣している。
 近畿地区では,平成23年度上半期において独占禁止法に関する説明会等を19回実施した。

独占禁止法説明会等の開催件数
  19年度 20年度 21年度 22年度 23年度
上半期
独占禁止法説明会等の開催件数 32 24 35 44 19

(単位:件)

4 学生に対する独占禁止法出前授業の実施

 公正取引委員会では,消費者であり,また,将来,経済活動に参加する中学生,高校生及び大学生を対象に,独占禁止法等についての理解を深めてもらうことを目的として,当委員会の職員による「独占禁止法教室」を開催している。
 近畿地区では,平成23年度上半期において高校生向け独占禁止法教室を1校,大学生向け独占禁止法教室を5校開催した。

独占禁止法教室の開催件数
  19年度 20年度 21年度 22年度 23年度
上半期
独占禁止法教室 3 1 7 13 6

(単位:校)

5 消費者向けセミナー

 公正取引委員会は,独占禁止法の運用を通じて公正かつ自由な競争を促進することにより,一般消費者が良質・廉価で多様な商品・サービスを選択することができるよう努めているところ,この活動を一般消費者に広く周知するため,昨年度から,消費者向けセミナー「私たちの暮らしと独占禁止法の関わり」を開催している。
 近畿地区では,平成23年度は10月までに消費者向けセミナーを貝塚市,京都市,福井市,奈良市及び神戸市の5か所において開催した。

6 相談業務

 公正取引委員会では,法運用に対する理解を深め,違反行為の未然防止を図るため,相談を受け付けている。
 最近の相談受付件数は次のとおりである。

  19年度 20年度 21年度 22年度 23年度
上半期
独占禁止法 813 1,098 949 1,036 576
下請法 841 1,041 1,276 1,284 709
合計 1,654 2,139 2,225 2,320 1,285

(単位:件)

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問い合わせ先

独占禁止法違反事件の状況に関する問い合わせ先 公正取引委員会事務総局近畿中国四国事務所第一審査課
電話 06-6941-2193(直通)
企業結合関係届出等の動向に関する問い合わせ先 公正取引委員会事務総局近畿中国四国事務所経済取引指導官
電話 06-6941-2174(直通)
広報活動等に関する問い合わせ先 公正取引委員会事務総局近畿中国四国事務所総務課
電話 06-6941-2173(直通)
ホ-ムペ-ジ http://www.jftc.go.jp/regional_office/kinki/index.html

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