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(平成23年10月19日)西日本鉄道株式会社ほか2社に対する審決について(国際航空貨物利用運送事業者らによる価格カルテル)

平成23年10月19日
公正取引委員会

 公正取引委員会は,被審人西日本鉄道株式会社ほか2社(以下「被審人ら」という。)に対し,平成21年7月3日,審判手続を開始し,以後,審判官をして審判手続を行わせてきたところ,平成23年10月17日,被審人らに対し,独占禁止法第66条第2項の規定に基づき,被審人らの各審判請求をいずれも棄却する旨の審決を行った(本件平成21年(判)第19号ないし第21号,第23号,第25号及び第26号審決書については,当委員会ホームページの「報道発表資料」及び「審決等データベース」参照。)。

1 被審人らの概要

事業者名 所在地 代表者
西日本鉄道株式会社 福岡市中央区天神一丁目11番17号 竹島 和幸
株式会社バンテック 横浜市西区花咲町六丁目145番地 山田 敏晴
ケイラインロジスティックス株式会社 東京都中央区日本橋本町一丁目8番16号KLL日本橋ビル 勝瑞 護

2 被審人らの審判請求の趣旨

(1) 西日本鉄道株式会社(以下「被審人西鉄」という。)
ア 平成21年(判)第19号
 平成21年(措)第5号排除措置命令の全部の取消しを求める。
イ 平成21年(判)第23号
 平成21年(納)第9号課徴金納付命令の全部の取消しを求める。
(2) 株式会社バンテック(以下「被審人バンテック」という。)
ア 平成21年(判)第20号
 平成21年(措)第5号排除措置命令の全部の取消しを求める。
イ 平成21年(判)第25号
 平成21年(納)第12号課徴金納付命令の全部の取消しを求める。
(3) ケイラインロジスティックス株式会社(以下「被審人ケイライン」という。)
ア 平成21年(判)第21号
 平成21年(措)第5号排除措置命令の全部の取消しを求める。
イ 平成21年(判)第26号
 平成21年(納)第13号課徴金納付命令の全部の取消しを求める。

3 主文の内容

 被審人らの各審判請求をいずれも棄却する。

4 本件の経緯

 平成21年3月18日 排除措置命令及び課徴金納付命令
 5月15日までに 被審人らから審判請求
 7月3日 審判手続開始
 8月6日 第1回審判
 ↓
 平成23年3月9日 第10回審判(終結)
 7月6日 審決案送達
 19日 審決案に対する異議の申立て及び直接陳述の申出(被審人西鉄)
 20日 審決案に対する異議の申立て(被審人バンテック及び被審人ケイライン)
 9月6日 直接陳述の聴取
 10月17日 審判請求を棄却する審決

5 審決の概要

(1) 原処分の原因となる事実

 被審人らは,他の事業者と共同して,国際航空貨物利用運送業務(注1)(以下「本件業務」という。)の運賃及び料金について,荷主向け燃油サーチャージ,一定額以上のAMSチャージ(注2),一定額以上のセキュリティーチャージ(注3)及び一定額以上の爆発物検査料(注4)を荷主に対し新たに請求する旨を合意することにより(上記4料金についての合意を,以下「本件合意」という。),公共の利益に反して,我が国における国際航空貨物利用運送業務の取引分野における競争を実質的に制限していた(以下「本件違反行為」という。)。
 被審人らの本件違反行為の実行期間は,独占禁止法第7条の2第1項の規定により,平成16年11月12日から平成19年11月11日までであり,独占禁止法第7条の2の規定により算出された課徴金の額は,被審人西鉄が8億5196万円,被審人バンテックが4億1789万円,被審人ケイラインが3億2078万円である。
(注1) 他人の需要に応じ,有償で,航空運送事業を営む者の行う運送を利用して行う輸出に係る貨物の運送(これに先行及び後続する当該貨物の集配のためにする自動車による運送を併せて行う場合における当該運送を含む。)に係る業務をいう。
(注2) アメリカ合衆国の税関当局の実施する航空貨物情報事前申告制度に伴い生ずる費用を賄うために荷主に請求するものをいう。
(注3) 国土交通省の実施する航空運送に関する保安対策に対応するために必要な費用を賄うために荷主に請求するものをいう。
(注4) 国土交通省の実施する航空運送に関する保安対策に対応するために爆発物検査装置による検査又は開披検査を行うに当たって必要な費用を賄うために荷主に請求するものをいう。

(2) 本件の争点

ア 被審人バンテックに対する排除措置命令の効果(被審人バンテックの被審人適格)(争点1)
イ 本件合意の内容(争点2)
ウ 本件合意の成否(争点3)
エ 本件合意は本件業務の取引分野における競争を実質的に制限するものであるか否か(争点4)
オ 本件排除措置命令の必要性(争点5)
カ 本件合意は「商品又は役務の対価に係るもの」(独占禁止法第7条の2第1項第1号)に該当するか否か(争点6)
キ 本件業務は小売業又は卸売業に該当するか否か(争点7)
ク 課徴金算定の基礎となる売上額に消費税相当額が含まれるか否か(争点8)

(3) 争点に対する判断の概要

ア 争点1について
 一般に,排除措置命令に基づく義務は,独占禁止法の趣旨,目的や当該義務の内容等に照らして,その性質上一身専属的なものではなく,承継法人はこれを承継するものというべきである。
 本件における具体的な事情に照らしてみても,被審人バンテックは,排除措置命令から生じる権利義務を継承しており,本件審判手続における被審人適格を有するものと認められる。
イ 争点2について
 排除措置命令書が認定する本件荷主向け燃油サーチャージ合意の内容は,航空会社から燃油サーチャージとして請求を受けることとなる金額に相当する金額を荷主向け燃油サーチャージの額として決定し,その金額を荷主に対して請求することであり,請求するに当たっては,請求する金額を決定することが当然の前提となる。そして,上記合意の趣旨は,要するに,航空会社が定めた燃油サーチャージ相当額と同額を荷主向け燃油サーチャージとして請求することにより,新たに発生した費用(燃油サーチャージ相当額)を自社で負担することなく実際の役務の利用者である荷主に転嫁することにあると解される。
 AMSチャージ合意及びセキュリティーチャージ等合意も,同様に解される。
 したがって,本件違反行為に係る本件合意は,4料金のそれぞれについて金額を決定したものであるから,独占禁止法第2条第6項の「対価を決定」するものに他ならず,不当な取引制限に該当する。
ウ 争点3について
 審決案で認定した事実経過によれば,平成14年9月18日の役員会において,違反行為者12社間に,「本件業務の運賃及び料金について,ハウスエアウェイビルの発行日が同年10月16日以降である貨物を対象に,利用する航空会社から燃油サーチャージの請求を受けることとなるときは,当該燃油サーチャージに相当する金額を荷主に対して新たに請求する」旨の合意(荷主向け燃油サーチャージ合意)が成立し,日本通運株式会社及びDHLグローバルフォワーディングジャパン株式会社は,遅くとも平成14年11月8日の理事会までに,荷主向け燃油サーチャージ合意に参加したものと認めることができる。
 加えて,違反行為者14社(平成16年以降は13社。以下同じ。)は,長年にわたり,繰り返し国際部会役員会の会合を開催し,本来であれば,競争相手に対して秘密にするはずの,自社の取引先との交渉内容,交渉経過及び交渉結果等の情報を披れきし合い,取引先に対する競合他社の行動についての情報を入手してその動向を把握し,その上で各社とも取引先に対して同一の行動を取っていたのであって,このようなことは,本件事業者業界において自由な競争が行われていたとすれば,到底あり得ないものというほかなく,これらの事情は,14社間に荷主向け燃油サーチャージ合意が成立していたことを強く裏付けるものである。
 また,AMSチャージ及びセキュリティーチャージ等の合意についても,上記と同様に,合意が成立したと認めることができ,加えて,合意が成立していたことを強く裏付ける事情が存在する。
エ 争点4について
 14社の本件業務における貨物量の合計は,平成13年から平成20年までの我が国における本件業務における総貨物量に対して,最小で72.5パーセント,最大で75.0パーセントを占めていた。このような市場占有率を有する14社によって,本件業務に関して不当な取引制限に当たる合意が成立すれば,本件業務の取引分野における競争を実質的に制限することとなることは明らかである。
 本件合意が成立するに至った一連の過程に照らすと,14社は,次々と新たに負担することを余儀なくされるに至った費用である4料金について,これを荷主に転嫁しようと企図するとともに,各社独自の経営判断に基づいて行動することによるリスクを回避するために,合意を形成し,互いの競争を回避してきたものであり,14社がこのような行動に出たのは,本件業務を構成する個別の作業の取引分野が存在することを前提として,当該個別の取引分野における競争を回避するためではなく,本件業務という一個の役務の取引分野についての競争を回避するためであったものと認められる。
 以上検討したところによれば,荷主向け燃油サーチャージ合意,AMSチャージ合意,セキュリティーチャージ等合意を,それぞれ別個の取引分野を前提に不当な取引制限に該当する行為と評価するのは相当ではなく,飽くまでも,本件業務の取引分野における競争を回避するために行われた一連の一個の不当な取引制限に該当する行為と評価するのが相当である。
オ 争点5について
 本件違反行為は,平成14年9月18日の荷主向け燃油サーチャージ合意の成立時から,平成19年11月12日に消滅するまでの間,5年以上もの長期間にわたって行われており,その間,14社は,度々国際部会役員会等を開催して互いに情報交換や意思の確認を繰り返し,本件違反行為を継続していた。本件違反行為が消滅したのは,大手3社の代表者等が,アメリカやヨーロッパにおいて本件事業者に対する独占禁止法違反の調査が及んでいるとの情報を得たこと等から,当面は同会合を開催しないことを申し合わせたことによるものであり,自発的な意思に基づき終了させたものとはいえない。加えて,本件違反行為は,各社の代表取締役を含む役員クラスの者が多く関与していたこと,本件違反行為の場として利用された国際部会役員会は,平成19年11月12日以降開催されていないものの,未だ存続はしていること,本件事業者業界においては,本件事業者にとって需要者である荷主及び供給者である航空会社双方による競争圧力が大きく,一般的にみて違反行為を行いやすい環境にあるといえることなど,本件の一切の事情を総合考慮すれば,本件違反行為が繰り返されるおそれを否定することはできない。したがって,被審人らに対し,本件違反行為が既になくなっている旨の周知措置その他本件違反行為が排除されたことを確保するために必要な措置等を命ずる必要があると認められる。
 また,このような観点から排除措置命令を検討すると,その内容とするところは全て,本件において,被審人らに命ずることが必要な措置であり,その判断が,公正取引委員会の裁量の範囲を超え又は裁量を濫用したものとはいえない。
カ 争点6について
 4料金は,本件業務の運賃及び料金の一部であるから,本件業務という役務の対価であって,4料金に係る本件合意は,独占禁止法第7条の2第1項第1号の「商品又は役務の対価に係るもの」に該当する。
キ 争点7について
 本件違反行為の対象となった本件業務は役務であり,通常,「役務の提供」は,商品の販売とは異なるものとされるから,商品を買い入れてそのまま販売する「小売業」及び「卸売業」とは異なる業種であることが明らかである。
 また,本件業務は,運輸業の一種であると認められるところ,日本標準産業分類によれば,「小売業,卸売業」と「運輸・通信業」とは別個の分類とされている。
 課徴金制度は一律的な非裁量的制度として法定されており,「卸売業」及び「小売業」のみを明示して例外的な算定率を定めている独占禁止法の下では,本件業務に流通業的性格があるとか,国際航空貨物利用運送業と卸・小売業の各売上高営業利益率が近似しているという点を捉えて,本件業務に卸・小売業に係る算定率を準用することは許されない。
 したがって,本件業務は,小売業及び卸売業のいずれにも当たらないものと認められる。
ク 争点8について
 消費税相当額は,法的性質上,商品又は役務の「対価」(独占禁止法施行令第5条第1項)に含まれているものと解され,課徴金額算定の基礎となる「売上額」に含まれることとなる。これは,消費税が経営的,経済的に原材料等の費用と同様の機能を果たしており,これらの費用が「売上高」に含まれていること,独占禁止法施行令第5条第1項が,消費税相当額を独占禁止法第7条の2第1項所定の売上額から控除される項目として列挙していないことからも,裏付けられる。

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電話 03-3581-5478(直通)
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