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(平成24年1月19日)自動車メーカーが発注する自動車用ワイヤーハーネス及び同関連製品の見積り合わせの参加業者らに対する排除措置命令及び課徴金納付命令について

平成24年1月19日
公正取引委員会

 公正取引委員会は,トヨタ自動車株式会社等の自動車メーカー(注1)(以下「自動車メーカー」という。)が発注する自動車用ワイヤーハーネス及び同関連製品(注2)の見積り合わせ(以下「コンペ」という。)の参加業者らに対し,独占禁止法の規定に基づいて審査を行ってきたところ,次のとおり,同法第3条(不当な取引制限の禁止)の規定に違反する行為を行っていたとして,本日,同法第7条第2項の規定に基づく排除措置命令及び同法第7条の2第1項の規定に基づく課徴金納付命令を行った(違反行為については別添排除措置命令書参照。)。
 なお,本件は,平成22年2月に,米国司法省,欧州委員会等とほぼ同時期に調査を開始したものである。
(注1) トヨタ自動車株式会社,トヨタ車体株式会社,関東自動車工業株式会社(これら    3社を併せて以下「トヨタ自動車等」という。),ダイハツ工業株式会社,本田技研工業株式会社(以下「ホンダ」という。),日産自動車株式会社,日産車体株式会社(日産自動車株式会社及び日産車体株式会社を併せて以下「日産自動車等」という。)及び富士重工業株式会社の8社をいう。以下,当該8社からホンダを除いた7社の事業者名については,「株式会社」の記載を省略する。
(注2) 自動車用ワイヤーハーネスは,オーディオ,エアバッグ等の自動車内の各装置類を作動させるために電気及び信号の伝送を担う電気回路に用いられるものであり,自動車の神経・血管に例えられるものである。また,自動車用ワイヤーハーネスの関連製品は,自動車用ワイヤーハーネスに一定量を超える過剰な電流が流れた場合に電流を遮断して自動車を保護する機能等を有する配線器具である。

1 違反行為者,排除措置命令及び課徴金納付命令の受命件数並びに課徴金額(違反行為者の後記2の違反行為ごとの課徴金額については別紙2のとおり。)

番号
事業者名
排除措置命令受命件数
課徴金納付命令受命件数
課徴金額
(合計)
1

矢崎総業株式会社

5件
5件
96億713万円
2

住友電気工業株式会社

3件
21億222万円
3

株式会社フジクラ

1件
1件
11億8232万円
4

古河電気工業株式会社

合 計
128億9167万円

(注3) 表中の「―」は,排除措置命令又は課徴金納付命令の名宛人とならない事業者 であることを示している。

2 違反行為の概要

 本件においては,次の各違反行為が認められた。

(1) トヨタ自動車等が発注する自動車用ワイヤーハーネス及び同関連製品に係る違反行為

 矢崎総業株式会社(以下「矢崎総業」という。),住友電気工業株式会社(以下「住友電気工業」という。)及び古河電気工業株式会社(以下「古河電気工業」という。)の3社(以下「3社」という。)は,遅くとも平成14年9月頃以降,共同して,トヨタ自動車等が発注する別紙1の番号1記載の製品であって,トヨタ自動車がコンペを実施して受注者を選定するもの(以下「トヨタ自動車等発注の特定自動車用ワイヤーハーネス及び同関連製品」という。)について,量産価格の低落防止を図るため,受注予定者を決定し,受注予定者が受注できるようにすることにより,公共の利益に反して,トヨタ自動車等発注の特定自動車用ワイヤーハーネス及び同関連製品の取引分野における競争を実質的に制限していた。

(2) ダイハツ工業が発注する自動車用ワイヤーハーネスに係る違反行為

 3社は,遅くとも平成12年12月頃以降,共同して,ダイハツ工業が発注する別紙1の番号2記載の製品であって,ダイハツ工業がコンペを実施して受注者を選定するもの(以下「ダイハツ工業発注の特定自動車用ワイヤーハーネス」という。)について,量産価格の低落防止を図るため,受注予定者を決定し,受注予定者が受注できるようにすることにより,公共の利益に反して,ダイハツ工業発注の特定自動車用ワイヤーハーネスの取引分野における競争を実質的に制限していた。

(3) ホンダが発注する自動車用ワイヤーハーネス及び同関連製品に係る違反行為

 3社は,遅くとも平成15年9月頃以降,共同して,ホンダが発注する別紙1の番号3記載の製品であって,ホンダがコンペを実施して受注者を選定するもの(以下「ホンダ発注の特定自動車用ワイヤーハーネス及び同関連製品」という。)について,量産価格の低落防止を図るため,受注予定者を決定し,受注予定者が受注できるようにすることにより,公共の利益に反して,ホンダ発注の特定自動車用ワイヤーハーネス及び同関連製品の取引分野における競争を実質的に制限していた。

(4) 日産自動車等が発注する自動車用ワイヤーハーネス及び同関連製品に係る違反行為

 矢崎総業及び住友電気工業は,遅くとも平成14年5月頃以降,共同して,日産自動車等が発注する別紙1の番号3記載の製品であって,受託会社(日産自動車がコンペの実施を委託した会社をいう。)がコンペを実施して日産自動車が受注者を選定するもの(日産自動車等が,「Vプラットフォーム」(平成21年6月頃以前にあっては「Aプラットフォーム」),「Bプラットフォーム」,「Cプラットフォーム」,「Dプラットフォーム」又は「FR-Lプラットフォーム」と称するプラットフォーム(自動車の車台部分をいう。)を用いて製造する自動車に搭載されるものに限る。以下「日産自動車等発注の特定自動車用ワイヤーハーネス及び同関連製品」という。)について,量産価格の低落防止を図るため,受注予定者を決定し,受注予定者が受注できるようにすることにより,公共の利益に反して,日産自動車等発注の特定自動車用ワイヤーハーネス及び同関連製品の取引分野における競争を実質的に制限していた。

(5) 富士重工業が発注する自動車用ワイヤーハーネス及び同関連製品に係る違反行為

 株式会社フジクラ(以下「フジクラ」という。),矢崎総業及び古河電気工業は,遅くとも平成12年7月頃以降,共同して,富士重工業が発注する別紙1の番号4記載の製品であって,富士重工業がコンペを実施して受注者を選定するもの(以下「富士重工業発注の特定自動車用ワイヤーハーネス及び同関連製品」という。)について,量産価格の低落防止を図るため,受注予定者を決定し,受注予定者が受注できるようにすることにより,公共の利益に反して,富士重工業発注の特定自動車用ワイヤーハーネス及び同関連製品の取引分野における競争を実質的に制限していた。

3 排除措置命令の概要

 前記2の違反行為ごとに,以下のとおり排除措置命令を行った
(1) 排除措置命令の対象事業者(以下「名宛人」という。)は,前記2の行為を取りやめている旨を確認すること及び今後,前記2の行為と同様の行為を行わず,自主的に受注活動を行う旨を,取締役会において決議しなければならない。
(2) 名宛人は,前記(1)に基づいて採った措置を,自社を除く違反行為者及び自動車メーカー(フジクラにあっては富士重工業)に通知し,かつ,自社の従業員に周知徹底しなければならない。
(3) 名宛人は,今後,他の事業者と共同して,前記2の行為と同様の行為を行ってはならない。
(4) 名宛人は,今後,次の事項を行うために必要な措置を講じなければならない。
 ア 自社の従業員に対する,自社の商品の受注に関する独占禁止法の遵守についての行動指針の周知徹底
 イ 前記2の行為の対象としていた各製品の受注に関する独占禁止法の遵守についての,当該各製品の営業担当者に対する定期的な研修及び法務担当者による定期的な監査

4 課徴金納付命令の概要

(1) 課徴金納付命令の対象事業者は,平成24年4月20日までに,それぞれ別紙2の「課徴金額」欄記載の額(総額128億9167万円)を支払わなければならない。
(2) 調査開始日から遡り10年以内に課徴金納付命令(当該課徴金納付命令が確定している場合に限る。)を受けたことがある事業者については,独占禁止法第7条の2第7項の規定に基づき,5割加算した算定率を適用している。

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公正取引委員会事務総局審査局第四審査
電話 03-3581-3345(直通)
公正取引委員会事務総局審査局第一審査上席(国際カルテル担当)
電話 03-3581-4013(直通) 

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