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(平成24年6月14日)一般社団法人日本音楽著作権協会に対する審決について(音楽著作物の著作権に係る著作権等管理事業者による私的独占)

平成24年6月14日
公正取引委員会

 公正取引委員会は,被審人一般社団法人日本音楽著作権協会(以下「被審人」という。)に対し,平成21年5月25日,審判手続を開始し,以後,審判官をして審判手続を行わせてきたところ,平成24年6月12日,被審人に対し,独占禁止法第66条第3項の規定に基づき,平成21年2月27日付けの排除措置命令(平成21年(措)第2号)を取り消す旨の審決を行った(本件平成21年(判)第17号審決書については,当委員会ホームページの「報道発表資料」及び「審決等データベース」参照。)。

1 被審人の概要

事業者名 一般社団法人日本音楽著作権協会
所在地 東京都渋谷区上原三丁目6番12号
代表者 菅原 瑞夫

2 主文の内容

 平成21年2月27日付けの排除措置命令(平成21年(措)第2号)を取り消す。

3 被審人の審判請求の趣旨

 主文と同旨。

4 本件の経緯

平成21年
2月27日 排除措置命令
4月28日 被審人から審判請求
5月25日 審判手続開始
7月27日 第1回審判

平成23年
6月1日 第13回審判(終結)
平成24年
2月2日 審決案送達
6月12日 排除措置命令を取り消す審決

5 審決の概要

(1) 原処分の原因となる事実

ア 被審人は,放送事業者(注1)から包括徴収(放送事業収入に一定率を乗ずる等の方法で放送等使用料の額を算定し徴収する方法をいう。)の方法により徴収する放送等使用料の算定において,放送等利用割合(注2)が当該放送等使用料に反映されないような方法を採用している。これにより,当該放送事業者が他の管理事業者(注3)にも放送等使用料を支払う場合には,当該放送事業者が負担する放送等使用料の総額がその分だけ増加することとなる。
イ これにより,被審人以外の管理事業者は,自らの放送等利用に係る管理楽曲が放送事業者の放送番組においてほとんど利用されず,また,放送等利用に係る管理楽曲として放送等利用が見込まれる音楽著作物をほとんど確保することができないことから,放送等利用に係る管理事業を営むことが困難となっている。
ウ 前記アの行為によって,被審人は,他の管理事業者の事業活動を排除することにより,公共の利益に反して,我が国における放送事業者に対する放送等利用に係る管理楽曲の利用許諾分野における競争を実質的に制限している。
 (注1) 放送法等の一部を改正する法律(平成22年法律第65号。以下「放送法等改正法」という。)による改正前の放送法(昭和25年法律第132号)第2条第3号の2に規定する放送事業者及び放送法等改正法による廃止前の電気通信役務利用放送法(平成13年法律第85号)第2条第3項に規定する電気通信役務利用放送事業者のうち衛星役務利用放送(放送法施行規則の一部を改正する省令(平成23年総務省令第62号)による廃止前の電気通信役務利用放送法施行規則(平成14年総務省令第5号)第2条第1号に規定する衛星役務利用放送をいう。)を行う者であって,音楽著作権に係る著作権等管理事業者から音楽著作物の利用許諾を受け放送等利用を行う者をいう。
 (注2) 当該放送事業者が放送番組(当該放送事業者が自らの放送のために制作したコマーシャルを含む。)において利用した音楽著作物の総数に占める被審人の放送等利用に係る管理楽曲の割合をいう。
 (注3) 音楽著作権に係る著作権等管理事業を営む者をいう。

(2) 本件の争点

 ア 被審人が,ほとんど全ての放送事業者との間で包括徴収を内容とする利用許諾契約を締結し,放送等使用料を徴収する行為(以下「本件行為」という。)は,放送等利用に係る管理楽曲の利用許諾分野において他の管理事業者の事業活動を排除する効果を有するか(争点1)
 イ 本件行為は,自らの市場支配力の形成,維持ないし強化という観点からみて正常な競争手段の範囲を逸脱するような人為性を有するか(争点2)
 ウ 本件行為は,一定の取引分野における競争を実質的に制限するものであるか(争点3)
 エ 本件行為は,公共の利益に反するものであるか(争点4)
 オ 本件排除措置命令は,競争制限状態の回復のために必要な措置であり,かつ,被審人に実施可能であるか(争点5)

(3) 争点に対する判断の概要

 ア 争点1について
 本件行為は,放送事業者が被審人以外の管理事業者の管理楽曲を利用する際に別途の使用料の負担を考慮する必要を生じさせるという意味で,放送事業者が被審人以外の管理事業者の管理楽曲を利用することを抑制する効果を有しており,被審人が我が国における放送事業者に対する放送等利用に係る管理楽曲の利用許諾分野において一貫して強固な地位を有することを併せ考慮すると,競業者の放送等利用に係る管理楽曲の利用許諾分野への新規参入について消極的要因となるといえる。そして,被審人が著作権等管理事業法の施行後も,新規参入について消極的要因となる本件行為を継続し,平成18年9月まで放送等使用料を徴収して管理事業を行う業者が現れなかったことは,本件行為が他の事業者の上記分野への新規参入を困難にする効果を持つことを疑わせる一つの事情ということができる。
 他方,証拠によれば,放送事業者が音楽著作物を放送番組において利用する際には,放送等使用料の負担の有無及び多寡は考慮すべき要素の一つであり,番組の目的,内容,視聴者の嗜好等を勘案して適切な楽曲を選択するものと認められる。また,楽曲の個性や放送等使用料の負担をどの程度考慮するかについては,放送等使用料の負担を考慮して楽曲を選択することは考えられない旨述べる者もあれば,カウントダウン番組(CDの売上げ,視聴者のリクエスト等を基に楽曲の順位を発表する番組)のように必然的に特定の楽曲を利用する場合を除き,幅広い選択肢の中から楽曲を選んで利用すると述べる者もあって,放送事業者や番組の内容により大きく異なると認められる。
 そして,本件行為が独占禁止法第2条第5項にいう「他の事業者の事業活動を排除」する行為に該当するか否かは,「本件行為・・・が,・・・自らの市場支配力の形成,維持ないし強化という観点からみて正常な競争手段の範囲を逸脱するような人為性を有するものであり,競業者の・・・参入を著しく困難にするなどの効果を持つものといえるか否かによって決すべきものである」から(最高裁平成22年12月17日第二小法廷判決),上記のとおり被審人の本件行為が放送事業者による他の管理事業者の楽曲の利用を抑制する効果を有し,競業者の新規参入につき消極的要因になることから,放送等利用に係る管理楽曲の利用許諾分野における他の管理事業者の事業活動を排除する効果があると断定することができるかどうかは,本件行為に関する諸般の事情を総合的に考慮して検討する必要がある。
 上記の諸般の事情としては,放送等利用に係る管理楽曲の利用許諾分野における市場の構造,音楽著作物の特性(代替性の有無,その程度等),競業者の動向,本件行為及びその効果についての被審人の認識,著作権者から音楽著作権の管理の委託を受けることを競う管理受託分野との関連性等,多様な事情が考えられるが,審査官は,株式会社イーライセンス(以下「イーライセンス」という。)が平成18年10月に放送等利用に係る管理事業を開始するに際し,被審人の本件行為が実際にイーライセンスの管理事業を困難にし,イーライセンスの参入を具体的に排除した等として,それを根拠に本件行為に排除効果があったと主張する。しかし,具体的に,イーライセンスが放送等利用に係る管理事業を開始した際の事実関係を検討すると,[1]実際にイーライセンス管理楽曲の利用を回避したと明確に認められるのは,1社の放送事業者にすぎず,放送事業者が一般的にイーライセンス管理楽曲の利用を回避したと認めることはできない上,[2]放送事業者がイーライセンス管理楽曲の利用について慎重な態度をとったことは認められるものの,その主たる原因は,被審人による本件行為ではなく,イーライセンスが不十分な管理体制のままで放送等利用に係る管理事業に参入したため,放送事業者が困惑,混乱したことにあると認められる。また,[3]エイベックス・グループがイーライセンスに対する管理委託契約を解約したのは,放送事業者がイーライセンス管理楽曲の利用を一般的に回避し,しかもその原因が被審人による本件行為にあるとの認識に基づくものであるが,現実には,放送事業者が一般的にイーライセンス管理楽曲の利用を回避したとはいえず,イーライセンス管理楽曲の利用について慎重な態度をとったことが認められるにとどまり,その主たる原因もイーライセンスによる準備不足の状態での参入とそれに伴う放送事業者の困惑,混乱等であったのであるから,被審人による本件行為にエイベックス・グループのイーライセンスへの管理委託契約を解約させる効果があったとまではいえない。さらに,[4]イーライセンスが放送等利用に係る管理事業を営むことが困難な状態になっているとまでいえるかにつき疑問が残る上,イーライセンスが管理事業を営むことが困難な状態になっているとしても,それは,放送事業者がイーライセンス管理楽曲の利用を一般的に回避し,その原因が本件行為にあるという認識に基づいて,著作権者がイーライセンスに音楽著作権の管理を委託しなかったためであるから,被審人による本件行為に,著作権者のイーライセンスへの管理委託を回避させるような効果があったとまではいえない。
 上記[1]ないし[4]によれば,イーライセンスが放送等利用に係る管理事業を開始するに当たり,被審人の本件行為がイーライセンスの放送等利用に係る管理事業を困難にしたという審査官の主張について,これを認めるに足りる証拠はないといわざるを得ない。
 また,イーライセンス以外の管理事業者が放送等利用に係る管理事業に新規に参入しない理由が本件行為にあると認めるに足りる証拠もない。
そして,他に,本件行為が競業者の放送等利用に係る管理事業への新規参入を著しく困難にすることを認めるに足りる主張立証はない。
 以上によれば,本件行為は,放送事業者が被審人以外の管理事業者の管理楽曲を利用することを抑制する効果を有し,競業者の新規参入について消極的な要因となることは認められ,被審人が管理事業法の施行後も本件行為を継続したことにより,新規参入業者が現れなかったことが疑われるものの,本件行為が放送等利用に係る管理楽曲の利用許諾分野における他の管理事業者の事業活動を排除する効果を有するとまで断ずることは,なお困難である。
 イ 争点2ないし5について
 前記アのとおり,本件行為が他の管理事業者の事業活動を排除する効果を有することを認めるに足りる証拠はないから,その余の点について判断するまでもなく,本件行為が独占禁止法第2条第5項所定のいわゆる排除型私的独占に該当し,同法第3条の規定に違反するということはできない。

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電話 03-3581-5478(直通)
ホームページ  http://www.jftc.go.jp/

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