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(平成24年6月27日)平成23年度における九州地区の独占禁止法の運用状況等について

平成24年6月27日
公正取引委員会事務総局
九州事務所

第1 独占禁止法違反事件の処理状況

1 独占禁止法違反事件

 公正取引委員会は,迅速かつ実効性のある事件審査を行うとの基本方針の下,国民生活に影響の大きい価格カルテル・入札談合,中小事業者等に不当に不利益をもたらす優越的地位の濫用や不当廉売・差別対価など,社会的ニーズに的確に対応した多様な事件に厳正かつ積極的に対処することとしている。
 そして,公正取引委員会は,一般から提供された情報(申告),自ら探知した事実等を検討し,必要な審査を行い,審査の結果,違反行為が認められたときは,当該行為をした事業者等に対し,違反行為を排除するために必要な措置等を命じている。違反行為のうち,価格カルテル,入札談合及び優越的地位の濫用については,違反行為をした事業者に対して課徴金の納付を命じている。

2 最近の独占禁止法違反事件の処理状況(不当廉売事案で迅速処理したもの及び注意した優越的地位の濫用事案を除く。)

 最近の5年間における九州地区の独占禁止法違反事件の処理状況は,次のとおりである。

独占禁止法違反事件の処理件数
処理内容/年度 19年度 20年度 21年度 22年度 23年度
審査件数 前年度からの繰越し 0
1
1
3
2
年度内新規着手 12
20
13
8
7
合計

12

21
14
11
9
処理件数 法的措置(注1) 0
1
3
1
0
その他 警告(注2) 0
0
0
0
1
注意(注3) 10
17
8
7
8
打切り(注4) 1
2
1
1
0
小計 11
19
9
8
9
合計 8
20
12
9
9
次年度への繰越し 0
1
3
2
0

(単位:件)

(注1) 「法的措置」とは排除措置命令及び課徴金納付命令であり,1つの事件について,排除措置命令と課徴金納付命令がともになされている場合には,法的措置件数を1件としている。
(注2) 「警告」とは,法的措置を採るに足る証拠が得られないが,違反の疑いがある場合に行う措置である。
(注3) 「注意」とは,違反行為の存在を疑うに足る証拠が得られないが,将来違反につながるおそれがある場合に行う措置である。
(注4) 「打切り」とは,違反行為が認められない等により,審査を打ち切る場合をいう。
(注5) 件数は,当事務所が審査を行ったものを計上している。

3 独占禁止法違反事件の概要

(1) 優越的地位の濫用

 公正取引委員会は,優越的地位の濫用に係る情報に接した場合には,効率的かつ効果的な調査を行い,独占禁止法違反につながるおそれのある行為が認められた場合には,未然防止の観点から注意するとの方針の下,平成23年度において,2件の注意を行った。注意を行った主な事例は以下のとおりである(注)。

(注) 次の事例は,記載された行為が行われていた疑いがあり,独占禁止法違反につながるおそれがあったものである。

 飲食料品の卸売業を営むAは,Aの子会社が取引先の飲食店からの要請を受けて購入したビアガーデンのチケット等を,Aの取引先である納入業者に対し,購入するよう要請していた。

 また,独占禁止法違反が認められた場合は厳正に対処することとしている。

(2) 不当廉売

 不当廉売は,総販売原価を大幅に下回るような価格であるなど不当に低い価格で,継続して販売し,他の事業者の事業活動を困難にさせるおそれのある行為であり,独占禁止法第19条で禁止されるものである。申告のあった不当廉売事案に関しては,迅速に処理するとの方針の下で対処しており,平成23年度においては,酒類,石油製品,家庭用電気製品等について,不当廉売につながるおそれがあるとして157件の注意を行った。
 また,大規模事業者による不当廉売等周辺の中小事業者に対する影響が大きいと考えられる事案については厳正に対処することとしている。

(3) 差別対価

 鹿児島県コンクリート製品協同組合(以下「鹿児島協組」という。)が,鹿児島県本土地区において,土木工事業者等に道路用コンクリート製品を販売するに当たり,鹿児島協組に加入していない道路用コンクリート製品の製造業者(以下「員外社」という。)を共同販売事業に参加させ道路用コンクリート製品の販売価格の低落防止を図るため,受注活動が員外社と競合した土木工事業者等に限り,鹿児島協組の販売価格をその供給に要する費用を著しく下回る価格等に引き下げることにより,員外社の事業活動を困難にさせるおそれを生じさせている疑いがあり,独占禁止法第2条第9項第2号(差別対価)に該当し同法第19条(不公正な取引方法の禁止)の規定に違反するおそれがあることから,鹿児島協組に対し,警告を行った(平成24年3月27日)。

第2 企業結合関係届出等及び協同組合届出の動向

1 企業結合関係届出等

 独占禁止法では第4章において,事業支配力が過度に集中することとなる会社の設立等の禁止(第9条)及び銀行業又は保険業を営む会社の議決権取得・保有の制限(第11条)について規定しているほか,一定の取引分野における競争を実質的に制限することとなる場合及び不公正な取引方法による場合の会社等の株式取得・所有,役員兼任,合併,分割,共同株式移転及び事業譲受け等の禁止並びに一定の条件を満たす企業結合についての届出又は報告義務(第10条及び第13条から第16条まで)を規定している。
 公正取引委員会では,これら株式取得・所有,合併等に係る独占禁止法上の問題の有無について審査を行っている。
 最近5年間における九州地区の企業結合関係届出受理件数は,次のとおりである。

企業結合関係届出受理件数

19年度 20年度 21年度 22年度 23年度
株式取得届出受理 12

9

8
1
3
合併届出受理 5
2
1
1
0
分割届出受理 0
1
0
0
0
共同株式移転届出受理 -
-
0
0
0
事業譲受け等届出受理 1
2
6
3
0
合計 18
14
15
5
3

(単位:件)

(注1) 平成19年度から平成21年度までの株式取得届出受理件数には,平成21年独占禁止法改正法による改正前の独占禁止法の規定に基づく株式所有に関する報告書の提出件数を含む。
(注2) 平成22年度は前年度までの届出受理等件数から大幅に減少しているが,これは平成22年1月1日に施行された改正独占禁止法によって届出対象範囲が縮減されたためであると考えられる。

2 協同組合届出

 中小企業等協同組合法は,同法に基づき設立された事業協同組合及び信用協同組合に対し,同法第7条第1項第1号で規定する小規模事業者以外の事業者が加入したとき又は組合員が同小規模事業者でなくなったときには,その旨を公正取引委員会に届け出ることを義務付けている(同法第7条第3項)。
 最近5年間における九州地区の協同組合届出件数は,次のとおりである。

中小企業等協同組合法第7条第3項に基づく届出件数
19年度 20年度 21年度 22年度 23年度
22
11
10
4
4

(単位:件)

第3 広報・広聴活動等

 公正取引委員会では,独占禁止法及び下請法の普及・啓発並びに競争政策の運営に資するため,次のような広報・広聴活動を行っている。

1 独占禁止政策協力委員会議

 競争政策への理解の促進と地域の経済社会の実情に即した政策運営に資するため,平成11年度から,独占禁止政策協力委員制度を設置しており,公正取引委員会が行う広報活動等に御協力いただくとともに,独占禁止法等の運用や競争政策の運営等について意見聴取を行っている。
 平成23年度においては,上半期に(1)企業結合規制の見直しについて,(2)東日本大震災への公正取引委員会の対応について,(3)優越的地位の濫用規制についてなど,下半期に(1)効果的な広報・広聴活動について,(2)公正取引委員会に期待することについて,(3)公正取引委員会の相談体制等についてなどの意見聴取を行った。

2 有識者との懇談会

 各地の有識者と公正取引委員会の委員長,委員等との懇談及び講演会を通して,競争政策についてより一層の理解を求めるとともに,幅広い意見,要望を把握し,今後の競争政策の有効かつ適切な推進に資するため,昭和47年度以降,毎年,全国各地において有識者との懇談会を開催している。
 九州地区では,これまで8都市で39回開催しており,平成23年度は大分市において,大分商工会議所,大分県商工会連合会等の経済団体,消費者団体,マスコミ,学識経験者等の有識者との懇談会を実施し,同時に「公正な経済社会の実現に向けた公正取引委員会の取組」をテーマに講演会を開催した。
 また,平成4年度から九州事務所長等と各地の有識者等との懇談会を開催しており,平成23年度は福岡県豊前市,同県宗像市,同県中間市,長崎県雲仙市,大分県日田市,同県別府市,同県由布市,宮崎県日向市,同県延岡市,同県日南市及び鹿児島県いちき串木野市の11か所において開催した。

3 独占禁止法説明会等

 公正取引委員会では,独占禁止法等の違反の未然防止を図るため,説明会,講習会等を自ら主催しているほか,各種業界団体等から要請を受けて講習会等へ講師を派遣している。
 九州地区では,平成23年度は独占禁止法に関する説明会等を56回実施した。

4 学生に対する独占禁止法教室の実施

 消費者であり,また,将来,経済活動に参加する中学生,高校生及び大学生を対象に,独占禁止法等についての理解を深めてもらうことを目的として,当委員会の職員による「独占禁止法教室」を開催している。
 九州地区では,平成23年度は中学生向け独占禁止法教室を3校,大学生向け独占禁止法教室を6校で開催した。

5 一日公正取引委員会

 本局及び地方事務所等の所在地以外の都市において,独占禁止法及び下請法の普及啓発活動や相談対応の一層の充実を図るため,独占禁止法講演会,下請法講演会,入札談合等関与行為防止法研修会,消費者セミナー,独占禁止法教室,報道機関との懇談会,相談コーナーなどを1か所の会場で開催する「一日公正取引委員会」を開催している。
 九州地区では,平成23年度は鹿児島市において,1月25日に一日公正取引委員会を開催した。

6 消費者セミナー

 一般消費者に独占禁止法の内容や公正取引委員会の活動について,より一層の理解を深めてもらうことを目的として,「消費者セミナー」を開催している。
九州地区では,平成23年度は福岡市(3か所),熊本市及び鹿児島市の5か所において開催した。

8 相談業務

 公正取引委員会では,法運用に対する理解を深め,違反行為の未然防止を図るため,相談を受け付けている。
 最近5年間の相談受付件数は次のとおりである。


19年度 20年度 21年度 22年度 23年度
独占禁止法
396
341
382
472
397
下請法
304
322
292
311
369
合計
700
663
674
783
766

(単位:件)

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問い合わせ先

独占禁止法違反事件の処理状況に関する問い合わせ先 公正取引委員会事務総局九州事務所第一審査課
電話 092-431-6033(直通)
企業結合関係届出等の動向に関する問い合わせ先 公正取引委員会事務総局九州事務所経済取引指導官
電話 092-431-5882(直通)
広報活動等に関する問い合わせ先 公正取引委員会事務総局九州事務所総務課
電話 092-431-5881(直通)
ホームページ http://www.jftc.go.jp/regional_office/kyusyu/index.html

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