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(平成24年6月28日)平成23年度における中国地区の独占禁止法の運用状況等について

平成24年6月28日
公正取引委員会事務総局
近畿中国四国事務所
中国支所

第1 独占禁止法違反事件の処理状況

1

 公正取引委員会は,迅速かつ実効性のある事件審査を行うとの基本方針の下,国民生活に影響の大きい価格カルテル・入札談合,中小事業者等に不当に不利益をもたらす優越的地位の濫用や不当廉売・差別対価など,社会的ニーズに的確に対応した多様な事件に厳正かつ積極的に対処することとしている。
そして,公正取引委員会は,一般から提供された情報(申告),自ら探知した事実等を検討し,必要な審査を行い,審査の結果,違反行為が認められたときは,当該行為をした事業者等に対し,違反行為を排除するために必要な措置等を命じている。違反行為のうち,価格カルテル,入札談合及び優越的地位の濫用については,違反行為をした事業者に対して課徴金の納付を命じている。

2 最近の独占禁止法違反事件の処理状況(不当廉売事案で迅速処理したもの及び注意した優越的地位の濫用事案を除く。)

最近5年間における中国地区の独占禁止法違反事件の処理状況は,次のとおりである。

独占禁止法違反事件の処理件数 (単位:件)
処理内容 19年度 20年度 21年度 22年度 23年度
審査件数

前年度からの繰越し

1 1 2 0 1
年度内新規着手 5 8 7 4 4
合計 6 9 9 4 5
処理件数 法的措置 排除措置命令等(注1) 0 0 3 0 1
その他 警告(注2) 0 0 0 0 0
注意(注3) 5 6 6 3 3
打切り(注4)

0

1 0 0 1
小計 5 7 6 3 4
合計 5 7 9 3 5
次年度へ繰越し 1 2 0 1 0

(注1)「法的措置」とは,排除措置命令及び課徴金納付命令であり,1つの事件について,排除措置命令と課徴金納付命令が共にに行われている場合には,法的措置件数を1件としている。
(注2)「警告」とは,排除措置命令等の法的措置を採るに足る証拠が得られないが,違反の疑いがある場合に行う措置である。
(注3)「注意」とは,違反行為の存在を疑うに足る証拠が得られないが,将来違反につながるおそれがある場合に行う措置である。
(注4)「打切り」とは,違反行為が認められない等により,審査を打ち切る場合をいう。
(注5)件数は,当支所が審査を行ったものを計上している。

3 独占禁止法違反事件の概要

(1) 優越的地位の濫用

 公正取引委員会は,優越的地位の濫用に係る情報に接した場合には,効率的かつ効果的な調査を行い,独占禁止法違反が認められた場合は厳正に対処することとしており,平成23年度において,岡山市に本社を置き小売業を営む株式会社山陽マルナカが,取引上の地位が自社に対して劣っている納入業者(以下「特定納入業者」という。)に対して,次の行為を行っていたことから,排除措置命令を行うとともに,課徴金納付命令(課徴金額:2億2216万円)を行った(平成23年6月22日)。

  1. 新規開店等に際し,これらを実施する店舗に商品を納入する特定納入業者に対し,当該特定納入業者が納入する商品以外の商品を含む当該店舗の商品について,商品の移動等の作業を行わせるため,その従業員等を派遣させていた。
  2. 新規開店等に際し,特定納入業者の納入する商品の販売促進効果等の利益がないなどにもかかわらず,金銭を提供させていた。
  3. 自社の食品課が取り扱っている商品(以下「食品課商品」という。)のうち,自社が独自に定めた販売期限を経過したものについて,当該食品課商品を納入した特定納入業者に対し,当該特定納入業者の責めに帰すべき事由がないなどにもかかわらず,当該食品課商品を返品していた。
  4. 食品課商品又は自社の日配品課が取り扱っている商品のうち,全面改装に伴う在庫整理等を理由として割引販売を行うこととしたものについて,これらの商品を納入した特定納入業者に対し,当該特定納入業者の責めに帰すべき事由がないにもかかわらず,当該割引販売において割引した額に相当する額等を,当該特定納入業者に支払うべき代金の額から減じていた。
  5. クリスマス関連商品の販売に際し,仕入担当者から,懇親会において申込用紙を配付し最低購入数量を示した上でその場で注文するよう指示するなどの方法により,クリスマス関連商品を購入させていた。

 また,独占禁止法違反につながるおそれのある行為が認められた場合には,未然防止の観点から注意することとしており,平成23年度において,1件の注意を行った。注意を行った事例は以下のとおりである(注)。
 (注) 次の事例は,記載された行為が行われていた疑いがあり,独占禁止法違反につながるおそれがあったものである。

 ドラッグストアを営むAは,商品棚の商品が乱れている場合に,随時,納入業者に対し,商品棚の整理等を行うよう要請していた。

(2) 不当廉売

 不当廉売は,総販売原価を大幅に下回るような価格であるなど不当に低い価格で,継続して販売し,他の事業者の事業活動を困難にさせるおそれのある行為であり,独占禁止法第19条で禁止されるものである。申告のあった不当廉売事案に関しては,迅速に処理するとの方針の下で対処しており,平成23年度においては,酒類,石油製品,家庭用電気製品等について,不当廉売につながるおそれがあるとして251件の注意を行った。また,大規模事業者による不当廉売等周辺の中小事業者に対する影響が大きいと考えられる事案については厳正に対処することとしている。

第2 企業結合関係届出等及び協同組合届出の動向

1 企業結合関係届出等

 独占禁止法では第4章において,事業支配力が過度に集中することとなる会社の設立等の禁止(第9条)及び銀行業又は保険業を営む会社の議決権取得・保有の制限(第11条)について規定しているほか,一定の取引分野における競争を実質的に制限することとなる場合及び不公正な取引方法による場合の会社等の株式取得・所有,役員兼任,合併,分割,共同株式移転及び事業譲受け等の禁止並びに一定の条件を満たす企業結合についての届出又は報告義務(第10条及び第13条から第16条まで)を規定している。
 公正取引委員会では,これらの規定に基づき届出等が行われた株式取得・所有,合併等に係る独占禁止法上の問題の有無について審査を行っている。
 最近5年間における中国地区の企業結合関係届出受理の件数は,次のとおりである。

企業結合関係届出受理件数 (単位:件)
  19年度 20年度 21年度 22年度 23年度
株式取得届出受理 13 5 7 0 1
合併届出受理 2 2 1 1 0
分割届出受理 0 1 1 0 0
共同株式移転届出受理 - - 0 0 0
事業譲受け等届出受理 4 0 0 1 0
合計 19 8 9 2 1

(注1)平成19年度から平成21年度までの株式取得届出受理件数には,平成21年独占禁止法改正法による改正前の独占禁止法
の規定に基づく株式所有に関する報告書の提出件数を含む。
(注2)平成22年度は前年度までの届出受理件数から大幅に減少しているが,これは平成22年1月1日に施行された改正独占禁止法によって届出対象範囲が縮減されたためであると考えられる。

2 協同組合届出

 中小企業等協同組合法は,同法に基づき設立された事業協同組合及び信用協同組合に対し,同法第7条第1項第1号で規定する小規模事業者以外の事業者が加入したとき又は組合員が同小規模事業者でなくなったときには,その旨を公正取引委員会に届け出ることを義務付けている(同法第7条第3項)。
 最近5年間における中国地区の協同組合届出件数は,次のとおりである。

中小企業等協同組合法第7条第3項に基づく届出件数 (単位:件)
  19年度 20年度 21年度 22年度 23年度
中協法7条3項届出 21 15 7 12 10

第3 広報・広聴活動等

 公正取引委員会では,独占禁止法及び下請法の普及・啓発並びに競争政策の運営に
資するため,次のような広報・広聴活動を行っている。

1 独占禁止政策協力委員制度

競争政策への理解の促進と地域の経済社会の実情に即した政策運営に資するため,平成11年度から,独占禁止政策協力委員制度を設置しており,公正取引委員会が行う広報活動等に御協力いただくとともに,独占禁止法等の運用や競争政策の運営等について意見聴取を行っている。
 平成23年度においては,上半期に(1)企業結合規制の見直しについて,(2)東日本大震災への公正取引委員会の対応について,(3)優越的地位の濫用規制についてなど,下半期に(1)効果的な広報・広聴活動について,(2)公正取引委員会に期待することについて,(3)公正取引委員会の相談体制等についてなどの意見聴取を行った。

2 有識者との懇談会

 各地の有識者と公正取引委員会の委員長,委員等との懇談及び講演会を通して,競争政策についてより一層の理解を求めるとともに,幅広い意見,要望を把握し,今後の競争政策の有効かつ適切な推進に資するため,昭和47年度以降,毎年,全国各地において有識者との懇談会を開催している。
 中国地区では,これまで5都市で21回開催しており,平成23年度は岡山市において,岡山県経済団体連絡協議会,岡山県商工会議所連合会,岡山県経営者協会,社団法人岡山経済同友会,岡山県中小企業団体中央会及び岡山県商工会連合会の経済団体,消費者団体並びに学識経験者の有識者との懇談会を実施し,同時に「公正な経済社会の実現に向けた公正取引委員会の取組」をテーマに講演会を開催した。
 また,平成4年度から支所長等と各地の有識者等との懇談会を開催しており, 平成23年度は島根県浜田市,岡山市,岡山県倉敷市,同県赤磐市,同県新見市,広島県福山市,同県呉市,山口県防府市,同県岩国市,同県柳井市及び同県下松市の11か所において開催した。
 最近5年間における有識者と中国支所との懇談会の開催件数は,次のとおりである。

有識者と中国支所との懇談会の開催件数 (単位:件)
  19年度 20年度 21年度 22年度 23年度
有識者との懇談会 8 9 9 10 11

3 独占禁止法説明会等

 公正取引委員会では,独占禁止法等の違反の未然防止を図るため,説明会・講習会等を自ら主催しているほか,各種業界団体等から要請を受けて講習会等へ講師を派遣している。
 中国地区では,平成23年度は独占禁止法に関する説明会等を10回実施した。また, 入札談合等関与行為防止法に関する説明会等を8回実施した。
 最近5年間における中国地区の独占禁止法関係の説明会等の実施件数は, 次のとお
りである。

独占禁止法関係等の説明会の実施件数 (単位:件)
  19年度 20年度 21年度 22年度 23年度
独占禁止法関係 9 8 7 11 10
入札談合等関与行為防止法関係 8 6 7 10 8

4 学生・生徒に対する独占禁止法教室の実施

 消費者であり,また,将来,経済活動に参加する中学生,高校生及び大学生を対象に,独占禁止法等についての理解を深めてもらうことを目的として,当委員会の職員による「独占禁止法教室」を開催している。
 中国地区では,平成23年度は中学生向け独占禁止法教室を8校,大学生向け独占禁止法教室を3校で開催した。
 最近5年間における中国地区の独占禁止法教室の開催件数は,次のとおりである。

独占禁止法教室の開催件数 (単位:件)
  19年度 20年度 21年度 22年度 23年度
独占禁止法教室 5 6 5 9 11

5 一日公正取引委員会

 本局及び地方事務所等の所在地以外の都市において,独占禁止法及び下請法の普及啓発活動や相談対応の一層の充実を図るため,独占禁止法講演会,下請法講演会,入札談合等関与行為防止法研修会,消費者セミナー,独占禁止法教室,報道機関との懇談会,相談コーナーなどを1か所の会場で開催する「一日公正取引委員会」を開催している。
 中国管内では,平成23年度に初めて,松江市において12月7日に一日公正取引委員会を開催した。

6 消費者セミナー

 一般消費者に独占禁止法の内容や公正取引委員会の活動について,より一層の理解を深めてもらうことを目的として,平成22年度以降,対話型・参加型のイベントとして「消費者セミナー」を開催している。
 中国地区では,平成23年度は松江市(1か所),広島市(3か所),広島県福山市(1か所)及び山口県下松市(1か所)の6か所において開催した。

7 相談業務

 公正取引委員会では,法運用に対する理解を深め,違反行為の未然防止を図るため相談を受け付けている。
 最近5年間の相談受付件数は,次のとおりである。

相談受付件数 (単位:件)
  19年度 20年度 21年度 22年度 23年度
独占禁止法 251 378 328 163 254
下請法 529 247 164 190 232
合計 780 625 492 353 486

 また,公正取引委員会では,中小事業者等が独占禁止法等に関する相談をより容易
にできるよう,全国の商工会議所及び商工会の協力の下,各地区の商工会議所や商工
会の中に相談窓口を設置してもらい,相談が取り次がれるように,「独占禁止法相談ネ
ットワーク」を設けている。

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問い合わせ先

独占禁止法違反事件の処理状況に関する問い合わせ先 公正取引委員会事務総局中国支所第一審査課
企業結合関係届出等及び広報活動等に関する問い合わせ先 公正取引委員会事務総局中国支所総務課
電話 082-228-1501(代表)
ホ-ムペ-ジ http://www.jftc.go.jp/c_chugoku

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