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(平成24年5月30日)平成23年度における下請法等の運用状況及び企業間取引の公正化への取組(概要)

平成24年5月30日
公正取引委員会

第1 下請法の運用状況

1 下請法違反行為に対する勧告等

(1) 平成23年度の勧告件数は平成16年4月の改正下請法施行以降最多の18件。このうち,製造委託等(注1)15件,役務委託等(注2)3件。製造委託等15件のうち10件が卸・小売業者によるプライベートブランド商品等の製造委託に係るもの。
 勧告の対象となった違反行為類型の内訳は,下請代金の減額が18件,返品及び不当な経済上の利益の提供要請が各3件,受領拒否及び有償支給原材料等の対価の早期決済が各1件(注3)(平成16年4月の改正下請法施行以降,受領拒否及び有償支給原材料等の対価の早期決済に対しては初の勧告。)。
 (注1) 製造委託及び修理委託をいう。以下同じ。
 (注2) 情報成果物作成委託及び役務提供委託をいう。以下同じ。
 (注3) 1つの勧告事件において複数の違反行為類型について勧告を行っている場合があるので,違反行為類型の内訳の合計数と勧告件数(18件)とは一致しない。

【勧告事件の推移】

(2) 平成23年度の指導件数は過去最多の4,326件(製造委託等3,318件,役務委託等1,008件)。

【指導事件の推移】

指導件数

2 下請事業者が被った不利益の原状回復の状況

(1) 下請代金の減額事件

 下請事業者6,391名に対し,総額17億1417万円の減額分を返還した。

返還を行った親事業者数
返還を受けた下請事業者数
返還の年度総額
86名
6,391名
17億1417万円

(2) 返品事件

 下請事業者118名から,総額12億4937万円相当の商品を引き取った。

引取りを行った親事業者数
引取りを受けた下請事業者数
引取りを行った商品の年度総額
4名
118名
12億4937万円

(3) 下請代金の支払遅延事件

 下請事業者1,953名に対し,総額1億6661万円の遅延利息を支払った。

支払を行った親事業者数
支払を受けた下請事業者数
支払の年度総額
78名
1,953名
1億6661万円

(4) 不当な経済上の利益の提供要請事件

 下請事業者70名に対し,総額4906万円の利益提供分を返還した。

返還を行った親事業者数
返還を受けた下請事業者数
返還の年度総額
5名
70名
4906万円

(5) 受領拒否事件

 下請事業者27名から,総額4033万円相当の商品を受領することとした。

受領することとした親事業者数
受領を受けることとなった下請事業者数
受領することとした商品の年度総額
2名
27名
4033万円

(6) 有償支給原材料等の対価の早期決済事件

 下請事業者11名に対し,総額249万円の負担分を返還した。

早期決済を行った親事業者数
返還を受けた下請事業者数
返還の年度総額
1名
11名
249万円

3 勧告事件に係るフォローアップ調査

 過去に勧告を行った案件の中から,6件について,勧告後における親事業者の下請法遵守状況を把握するためフォローアップ調査を実施した。

第2 下請法等違反行為の未然防止及び企業間取引の公正化への取組

1 下請法等に係る講習会・説明会等

(1) 基礎講習会の実施

 下請法の基礎的な説明を行う入門的な講習会を今年度から新たに実施した。平成23年度においては,全国30会場で実施した。

(2) 下請取引適正化推進講習会の実施

 公正取引委員会は,下請法の普及・啓発を図るため,毎年11月を「下請取引適正化推進月間」と定め,中小企業庁と共同して,下請法の概要等を説明する下請取引適正化推進講習会を全国各地で実施している。平成23年度においては,当該講習会を47都道府県60会場(うち公正取引委員会主催分は27都道府県33会場)で実施した。

(3) 応用講習会の実施

 下請取引適正化推進講習会の受講者など下請法に関する一定の知識を有する者に対しては,より具体的な事例研究を中心とする講習会を実施している。平成23年度においては,全国5会場で実施した。

(4) 業種別講習会の実施

 過去に下請法及び優越的地位の濫用規制の違反がみられた業種,各種の実態調査で問題がみられた業種等に一層の法令遵守を促すことを目的として,業種別講習会を実施している。平成23年度においては,合計41回(広告業界向け2回,ソフトウェア業界向け2回,物流事業者と取引のある荷主向け14回,フランチャイザーの本部・経営指導員向け9回,大規模小売業者向け3回,加工食料品卸売業者向け11回)の講習会を実施した。

(5) 「優越的地位の濫用に関する独占禁止法上の考え方」の説明会の実施

 優越的地位の濫用行為の未然防止を図るためには,「優越的地位の濫用に関する独占禁止法上の考え方」を広く周知することが必要である。平成23年度においては,39回の説明会を実施した。

2 下請法等に係る相談・指導

(1) 下請法等に係る相談・指導

 下請法及び優越的地位の濫用規制に係る窓口相談を受け付けており,平成23年度においては9,422件に対応した。

(2) 公取委による中小事業者のための移動相談会の実施

 下請事業者を始めとする中小事業者からの求めに応じ,公正取引委員会事務総局及び地方事務所等の所在する都市に限らず,全国の当該中小事業者が所在する地域に公正取引委員会の職員が出向いて相談受付等を行う相談会を行っている。平成23年度においては,全国33か所で実施した。

(3) 東日本大震災に関する相談対応及びQ&Aの公表

 東日本大震災に関連して独占禁止法や下請法に関する個別具体的な相談が155件(平成24年3月末時点。)寄せられ,これらに迅速に対応した。また,相談者と同様の状況に直面している事業者に広く情報提供を行うことにより,違反行為の未然防止を図る観点から,東日本大震災に関連して寄せられた主な質問や想定される問題に対する考え方を東日本大震災に関するQ&Aとして取りまとめてホームページ上で公表した。これに併せて個々の相談や違反の疑いに関する申告(情報提供)の窓口を掲載した。さらに,その後に寄せられた質問等で参考となるものについて,その考え方を取りまとめQ&Aを随時,迅速に追加・更新した。

3 親事業者に対する下請法遵守のための年末要請

 毎年11月,親事業者及び関係事業者団体に対する下請法の遵守の徹底等について要請しているところ,平成23年度においては,約3万6千名(親事業者約35,200名及び事業者団体約640団体)に対し要請した。

4 優越的地位の濫用規制に関する実態調査等

(1) 金融機関と企業との取引慣行に関する調査(平成23年フォローアップ調査)

 金融機関と借り手企業との取引がどのような実態にあるかを検証するための調査を実施し,その結果を公表した(6月15日)。
 調査結果によると,金融機関から各種要請を受けたことがあるという借り手企業の回答の割合及び各種要請に対し自らの意思に反して応じたという借り手企業の回答の割合は,いずれも,平成18年の調査に比べて相当程度減少した。

(2) フランチャイズ・チェーン本部との取引に関する調査

 本部と取引している加盟者が経営しているであろう店舗10,000店に対する実態調査を実施し,その結果を公表した(7月7日)。
 調査結果によると,加盟者からの回答の中には,フランチャイズ・ガイドライン等に照らして独占禁止法上問題となるおそれのある又は取引適正化の観点から留意すべきと考えられる事例が多くみられた。当該調査結果を踏まえ,本部と加盟者の取引の公正化を推進し,違反行為の未然防止を図る観点から,本部及び本部の経営指導員に対する業種別講習会などの取組を実施した。

(3) 食料品製造業者と卸売業者との取引に関する実態調査

 食料品製造業者10,752名及び食料品卸売業者495名を対象に実態調査を実施し,その結果を公表した(10月17日)。
 調査結果によると,卸売業者から優越的地位の濫用につながり得る行為を受けていたと考えられる食料品製造業者の存在がうかがわれ,また,その背景として,卸売業者が取引先小売業者から要請等を受けて食料品製造業者に不当な要請等を行っている場合があり,大規模小売業者が問題行為のいわば発生源となっている構造の存在がうかがわれた。当該調査結果を踏まえ,食料品製造業者と卸売業者の取引及び卸売業者と大規模小売業者の取引の公正化を推進し,違反行為の未然防止を図る観点から,卸売業者及び大規模小売業者に対する業種別講習会などの取組を実施した。

(4) 荷主と物流事業者との取引に関する書面調査

 物流事業者30,253名に対する書面調査を実施した。また,荷主と物流事業者の取引の公正化を推進し,違反行為の未然防止を図る観点から,物流事業者と取引のある荷主に対する業種別講習会を実施した。

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問い合わせ先

公正取引委員会事務総局経済取引局取引部
下請取引調査室 電話03-3581-3374(直通)(主に,第1関係)
企業取引課 電話03-3581-3373(直通)(主に,第2関係)
ホームページ http://www.jftc.go.jp/

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