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(平成24年9月21日)電力市場における競争の在り方について(概要)

平成24年9月21日
公正取引委員会

第1 調査・検討の趣旨(報告書第1の1から4)

 公正取引委員会では,昭和57年に政府規制制度について横断的に調査・分析した際に電気事業をその対象として以降,経済産業省における見直しに合わせて,電気事業における規制の在り方等につき検討・提言を行ってきた。
 今般,「エネルギー分野における規制・制度改革に係る方針」(平成24年4月3日閣議決定)において,公正取引委員会は,(1)「一般電気事業者の市場支配力及び新電力のシェアが伸びていない状況」及び(2)「一般電気事業者間の供給区域を越えた競争が起きていない状況や,需要家の全国レベルでの一括受電契約が進まない状況」をそれぞれ踏まえて,「経済産業省における検討の状況も勘案しつつ,電力市場における競争実態の把握・分析を行い,検討し,競争政策上の考え方について結論を得る」こととされた。
 今回,公正取引委員会は,上記閣議決定を受け,電力市場の現状について調査を行うとともに,競争政策の観点から検討を行い,考え方を整理した。
 なお,公正取引委員会としては,電力市場改革に関する議論の推移を踏まえて,今後とも,必要に応じて,海外における実態の把握等も含めて,電力市場における競争の在り方について検討を行ってまいりたい。

第2 公正取引委員会としての問題意識(報告書第1の5)

 公正取引委員会は,前記第1の閣議決定を受けて本件調査を行うに当たり,

(1)規制の目的は政策的要請に照らして合理的であるか,また,規制の内容はその目的に照らして必要最小限のものか

(2)規制の内容や方法が,事業者のインセンティブに照らして,合理的に目的を達成し得るものか

(3)電力市場の特性やそれによる事業者の行動等により自由かつ活発な競争が妨げられるのであれば,これらへの対応が必要ではないか
という3点の問題意識を踏まえて検討を行った。

第3 調査・検討の方法(報告書第2)

 平成24年4月9日から,公正取引委員会ホームページ上で,自由化分野の需要家,新電力等及び自ら発電設備を所有する事業者を対象に,電力市場の競争実態に関する情報を募集した。また,一般電気事業者9社,新電力8社,発電設備保有者4社,電力関連サービス事業者2社,自由化分野の需要家3社及び消費者団体1団体の計27者に対するヒアリング調査を実施したほか,独占禁止政策協力委員のうち消費者団体関係者等55名から意見を聴取した。さらに,一般電気事業者9社及び新電力11社並びに公営企業体(地方公営企業法第2条に規定する電気事業を行う地方公共団体の経営する企業)として水力発電を行っている26者に対してアンケート調査を実施した。

第4 各分野における主な現状と問題点(調査結果)(報告書第2)

1 小売分野(報告書第2の1)

 自由化部門における新電力の販売電力量シェアは,約3.5%(平成22年度)と小さく,特に工場等の産業用におけるシェアが事務所・店舗等の業務用に比して小さい。その要因としては,新電力は,一般電気事業者に比べて変動費用の高い電力を電源としており,夜間の電力使用量が大きい需要家との関係等で有利な料金の設定や大量の電力の安定的な供給が困難であることが考えられる。さらに,特に高圧の需要家は数が多く,また,小規模な需要家が多いことから,営業及び顧客の管理に費用が掛かると新電力は主張している。
 一方,一般電気事業者による供給区域外への供給事例は1件のみである。一般電気事業者は,長年の地域独占体制と供給義務の下で,自社の供給区域内の需要への対応に最適化しており,営業範囲を拡大するインセンティブがないこと,連系線及び周波数変換装置(以下「FC」という。)の容量の制約から,電気事業者は需要場所と同一の供給区域内に電源を確保する必要性が高く,そのために供給区域外への供給費用が高くなること等が考えられる。

2 発電・卸売分野(報告書第2の2)

 発電電力量の7割超を一般電気事業者が占める中,新電力の電力調達先に占める一般電気事業者及び卸電力取引所の割合は1割未満であり,電力の大半を自家発業者等に依存している。また,新電力は変動費用の高い電源のウエイトが大きい。
 新電力は,発電費用の低い発電所の新規建設が困難である。
 発電設備の償却期間が長いこと等から,公営企業体を含む自家発業者等は,長期契約によって一般電気事業者に電力を供給している。
 一般電気事業者は,小売分野で新電力と競合していることから,卸電力取引所を通すなどして新電力に電力を供給するインセンティブがない。
 卸電力取引所は,流動性が小さいなど,新電力が電力調達先として依存することができない。

3 送配電分野(報告書第2の3)

 託送料金については,算定方法が規制され,一般電気事業者において会計分離もなされているが,外部からは,一般電気事業者が過大な託送料金を設定することにより新電力を不利に扱うインセンティブがあるようにみえる。
 新電力は,インバランスに伴う負担について,新電力の事業規模に照らして系統安定に及ぼす影響が小さいにもかかわらず,同時同量義務を達成するための設備等及びインバランスに伴う負担が大きいため,供給費用が高くなり,参入障壁になっていると主張している。また,一般電気事業者は自己の小売部門に係る実際のインバランスを把握しておらず,一定量をインバランス相当量とみなして,託送収支を計上している。

第5 競争政策上の考え方(報告書第3)

1 基本的な考え方(報告書第3の1)

(1)電力市場における競争の状況
 前記第4に示した電力市場の現状に照らすと,小売分野において参入が自由化されたにもかかわらず,有効な競争が行われていない。このような状況の下では,単に規制緩和を進めて事業者の行動の選択肢を拡大しても,それだけでは,競争の活性化は期待できない。
 また,需要家の数が非常に多く,その多くが中小規模であるという電力市場の特性及び中小需要家にとって,新電力は電力調達先として現実的な選択肢となっていない現状から,一般電気事業者と中小需要家の間には交渉力格差が存在する。
 現在,小売分野の全面自由化に向けた検討が進んでいるところ,全面自由化は競争政策上好ましい方向性と考えられるが,たとえ小売分野への参入を完全自由化した場合であっても,上記の状況について対処がなされない限り,新たに自由化された分野も現在の自由化分野と同じ状況となるにとどまり,有効な競争の実現は困難である。

(2)今後の対応の在り方
 今後の電気事業制度の在り方及び制度改革の進め方については,所管当局において,需給対策,環境対策等の政策的要請も踏まえながら判断していくものと考えられる。その際,電力市場において,小売分野における有効な競争を確保し,そのメリットを需要家が享受できるようにするためには,共通のインフラ整備が十分になされるような制度設計を行った上で,事業者のインセンティブに踏み込んで,関係する事業者の経済合理的な行動により,新電力の電源調達等の環境が改善されるような制度が構築されることが必要である。
 また,電力市場の特性を踏まえ,需要家のニーズを取りまとめて電気事業者と交渉するサービスや需要家がまとまって電力の供給条件について交渉することを促進することで,需要家の要望がメニューや価格に反映されやすくすることが必要である。
 なお,公正取引委員会としては,今後とも,独占禁止法を厳正に執行するとともに,「適正な電力取引についての指針」の活用等を通じて同法の解釈運用についての明確化を図っていくこととしている。

2 事業者のインセンティブを踏まえた対応(報告書第3の2)

(1)一般電気事業者の発電・卸売部門と小売部門の分離
 一般電気事業者が新電力への電力供給を行うインセンティブを確保することができるように,新電力に対する電力供給者である発電・卸売部門と需要家に対する売手として新電力と競争関係に立つ小売部門を分離して,別個の取引主体とすることが考えられる。
 一般電気事業者の発電・卸売部門と小売部門が,少なくとも法人として分離されれば,発電・卸売部門と小売部門の間の取引条件と,発電・卸売部門と新電力の間の取引条件は,発電・卸売部門にとって同じ取引先小売事業者に対する取引に係るものとして比較され得るものとなり,発電・卸売部門が新電力への電力供給を抑制し,又は新電力への電力供給において小売部門への供給条件と比較して合理的に説明することのできない差別的な条件を設定することはより困難となると考えられる。例えば,分離された発電・卸売部門が,自社のグループ内の小売部門の競争事業者に対して差別的な取扱いを行った場合には,私的独占の禁止(独占禁止法第3条前段)又は不公正な取引方法の禁止(独占禁止法第19条)に違反する可能性がある。

(2)一般電気事業者の送配電部門の分離
 一般電気事業者の送配電網は,新電力を含め,電力供給に関わる事業者が共通して利用する設備であるから,利用者に対する開放性・中立性・無差別性を確保することが必要である。
 このため,競争政策の観点からは,小売分野又は発電・卸売分野において競合する事業者を不利に扱うインセンティブを除去すべく,送配電網を発電・卸売部門及び小売部門から分離することが必要であると考えられる。具体的な制度設計については,可能な限り開放性・中立性・無差別性の確保が達成されるような内容であることが求められる。

3 独占的に提供される設備・サービスの利用条件の適正化の確保(報告書第3の3)

(1)託送料金
 送配電部門が分離されたとしても,引き続き送配電サービスの供給者が独占であることから,独占の弊害に対応するため,託送料金の水準については一定の規制が必要である。規制に当たっては,競争政策の観点からは,できる限り送配電部門の効率化を促す方法によることが望ましい。

(2)同時同量義務とインバランスに伴う負担
 系統全体での同時同量の確保は,系統を管理する送配電網運用者において一元的に行わなければならない。そのための費用の負担は,競争関係にある一般電気事業者と新電力の間で公平でなければならない。
 このため,一般電気事業者と系統を管理する送配電網運用者を分離し,一般電気事業者も実際のインバランスの量に基づいたインバランス料金を負担することが必要であると考えられる。

4 インフラの整備(報告書第3の4)

(1)連系線・FCの増強
 送配電分野は独占状態となることから,送配電部門を分離したとしても,自社で連系線等を強化する積極的な投資インセンティブは働かないと考えられる。そこで,連系線等の強化について行政機関等の中立的な立場からの一定の介入・規制も必要であると考えられる。

(2)卸電力取引所の活性化
 一般電気事業者の発電・卸売部門と小売部門が分離されたとしても,使い勝手の悪さが残る場合には,経済合理的な事業者が卸電力取引所での取引を積極的に行うことは期待できない。したがって,参加者にとって更に使い勝手の良い商品設計や取引ルールの見直しが円滑になされるような卸電力取引所の運営の在り方が求められる。

(3)スマートメーターの仕様等について
 通信ネットワークを含む仕様や,スマートメーターから得られる情報の取扱いにおいて,小売事業者間の競争が阻害されることのないような制度設計が求められる。

5 小売分野における交渉力格差の考慮(報告書第3の5)

(1)複数の小規模な需要家による電気事業者との一括交渉
 前記1から4の各施策を通じて新電力が価格競争力のある電力を調達することが可能となれば,需要家が新電力への切替えの可能性を背景に一般電気事業者に対して交渉力を獲得することが考えられるが,需要家による一括交渉が可能であれば,このような切替え可能性を背景とした交渉は更に有効なものとなり,需要家の交渉力の一層の向上につながるものと考えられる。
 このような需要家側の取組と独占禁止法の関係については,例えば,中小規模の事業者が構成する事業者団体が電力の一括交渉を行う場合については,現在の電力市場において,電力調達に係る一括交渉を行った場合にそのシェアが電力市場における競争に影響を与える事業者団体は想定し難いところ,一般的に,商品又は役務の供給分野におけるシェアが大きく,かつ商品又は役務の供給に要するコストに占める電気料金の割合が高い場合を除いて,中小規模の事業者が構成する事業者団体による電力調達に係る一括交渉は独占禁止法上問題とならないと考えることが可能である。

(2)デフォルト・サービス約款の策定・公表の義務付け等
 小売分野の全体について新規参入を認めることにより,新たに競争が導入されることとなる小口供給の分野では,市場支配力の濫用があった場合における料金の上昇等の影響は現在の自由化分野よりも更に大きいことから,これを防止するため,最終的に供給に応じるべき者についてのルールを設定し,当該電気事業者に対して,最低限の取引条件を定めた約款(デフォルト・サービス約款)の策定と公表を義務付けし,それよりも需要家にとって不利な条件での契約を禁止することが考えられる。

6 その他(報告書第3の6)

(1)公益事業特権の見直し
(2)公営水力等公営企業体が保有する電源に係る電力の売却

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問い合わせ先

公正取引委員会事務総局経済取引局調整課
電話 03-3581-5483(直通)
ホームページ http://www.jftc.go.jp/

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