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(平成25年7月31日)シャープ株式会社に対する審決について(TFT液晶ディスプレイモジュールの製造販売業者による価格カルテル事件)

平成25年7月31日
公正取引委員会

 公正取引委員会は,被審人シャープ株式会社(以下「被審人」という。)に対し,平成21年3月10日,審判手続を開始し,以後,審判官をして審判手続を行わせてきたところ,平成25年7月29日,被審人に対し,独占禁止法第66条第2項の規定に基づき,被審人の各審判請求をいずれも棄却する旨の審決を行った(本件平成21年(判)第1号及び第3号審決書については,当委員会ホームページの「報道発表資料」及び「審決等データベース」参照。)。

1 被審人の概要

事業者名 シャープ株式会社
所在地 大阪市阿倍野区長池町22番22号
代表者 高橋 興三

2 被審人の審判請求の趣旨

(1) 平成21年(判)第1号
平成20年(措)第20号排除措置命令の取消しを求める。
(2) 平成21年(判)第3号
平成20年(納)第62号課徴金納付命令の取消しを求める。

3 主文の内容

 被審人の各審判請求をいずれも棄却する。

4 本件の経緯

平成20年
12月18日 排除措置命令及び課徴金納付命令
平成21年
2月2日 被審人から審判請求
3月10日 審判手続開始
4月22日 第1回審判

平成24年
10月10日 第18回審判(終結)
平成25年
4月1日 審決案送達
15日 審決案に対する異議の申立て及び直接陳述の申出
6月12日 直接陳述の聴取
7月29日 審判請求を棄却する審決

5 審決の概要

(1) 原処分の原因となる事実

ア 平成21年(判)第3号(以下「3号事件」という。)
 被審人は,株式会社日立ディスプレイズ(以下「日立DP」という。)と共同して,平成17年度下期(平成17年10月6日頃以降の直近の価格改定日から平成18年3月31日までの間をいう。以下同じ。)受注分のニンテンドーDS用TFT液晶ディスプレイモジュール(注)(以下「DS用液晶モジュール」という。)の任天堂株式会社(以下「任天堂」という。)に対する販売価格について,現行価格から100円を超えて下回らないようにする旨の共通の意思を形成することによって,公共の利益に反して,DS用液晶モジュールの販売分野における競争を実質的に制限していた。
(注) 液晶ディスプレイ(液晶パネルとバックライトを組み合わせたもの)にTFT液晶ディスプレイ駆動回路(周辺IC搭載基板)を組み合わせたものをいう。
イ 平成21年(判)第1号(以下「1号事件」という。)
 被審人は,日立DPと共同して,平成19年第1四半期(平成19年1月から3月までの間をいう。以下同じ。)受注分のニンテンドーDS Lite用TFT液晶ディスプレイモジュール(以下「DS Lite用液晶モジュール」という。)の任天堂に対する販売価格について,日立DPが平成18年9月11日頃に任天堂に対して提示した価格を目途とする旨の共通の意思を形成することによって,公共の利益に反して,DS Lite用液晶モジュールの販売分野における競争を実質的に制限していた。

(2) 本件の争点

ア 被審人及び日立DPの2社(以下「2社」という。)は,共同して相互にその事業活動を拘束したか。(争点1)
(ア) 3号事件
 2社は,平成17年10月6日頃,DS用液晶モジュールの平成17年度下期受注分の任天堂渡し価格(以下「平成17年度下期価格」という。)について,意思の連絡を形成し,共同して相互にその事業活動を拘束したか。
(イ) 1号事件
 2社は,平成18年11月7日頃,DS Lite用液晶モジュールの平成19年第1四半期受注分の任天堂渡し価格(以下「平成19年第1四半期価格」という。)について,意思の連絡を形成し,共同して相互にその事業活動を拘束したか。
イ 本件各意思の連絡は,一定の取引分野における競争を実質的に制限するか。(争点2)
(ア) 3号事件
 2社の平成17年10月6日頃の意思の連絡の形成は,DS用液晶モジュールの取引分野における競争を実質的に制限するか。
(イ) 1号事件
 2社の平成18年11月7日頃の意思の連絡の形成は,DS Lite用液晶モジュールの取引分野における競争を実質的に制限するか。
ウ 本件各意思の連絡は,公共の利益に反するか。(争点3)
エ 1号事件について,被審人に対し,本件排除措置を特に命ずる必要があるか。(争点4)
オ 3号事件について,実行としての事業活動の終期は,日立DPが任天堂との間でDS用液晶モジュールの改良品であるNTR-2の価格交渉を始めたため,本件DS用液晶モジュールに係る意思の連絡がなくなった時点か。(争点5)

(3) 争点に関する判断の概要

ア 争点1について
(ア) 3号事件について
a 被審人の担当者は,日立DPの担当者と,個人的に情報交換及び面談を行ったものではなく,その面談で行われた合意も被審人の意思に合致するものであって,この合意を含む担当者間の情報交換に係る行為は,いずれも被審人の行為と評価することができる。
 他方,日立DPの担当者は,日立DPの意向を受けて被審人の担当者との間で情報交換を行い,面談及び合意を行ったものであって,担当者間の合意を含む情報交換に係る行為が日立DPの行為と評価されることは明らかである。
b そうすると,被審人と日立DPは,平成17年10月6日,DS用液晶モジュールの平成17年度下期価格について,1,800円より下げない旨の合意をしたものということができるから,2社の間に,この合意に基づいた行動をとることを互いに認識し,認容して歩調を合わせるという意思の連絡が形成されたものといえる。
(イ) 1号事件について
a 被審人の担当者が,日立DPの担当者との間で行った情報交換に係る行為は,いずれも被審人の事業活動として行われたものであって,被審人の行為と評価することができる。
 他方,日立DPの担当者は,日立DPの意向を受けて被審人の担当者と情報交換を行ったものであって,日立DPの担当者の情報交換に係る行為が日立DPの行為と評価されることは明らかである。
b そうすると,被審人と日立DPは,平成18年11月7日頃,DS Lite用液晶モジュールの平成19年第1四半期価格について,3,390円を目途とする旨の合意をしたものということができるから,2社の間に,この合意に基づいた行動をとることを互いに認識し,認容して歩調を合わせるという意思の連絡が形成されたものといえる。
イ 争点2について
(ア) 3号事件について
 3号事件の一定の取引分野はDS用液晶モジュールの販売分野であり,当該取引分野における供給者は被審人と日立DPの2社のみである。したがって,2社は,DS用液晶モジュールの任天堂渡し価格を1,800円より下げない旨合意することにより,価格をある程度自由に左右することができる状態をもたらしたと認められるから,本件合意は,DS用液晶モジュールの販売分野における競争を実質的に制限したということができる。
(イ) 1号事件について
 1号事件の一定の取引分野はDS Lite用液晶モジュールの販売分野であり,当該取引分野における供給者は被審人と日立DPの2社のみである。したがって,2社は,DS Lite用液晶モジュールの任天堂渡し価格を3,390円を目途とする旨合意することにより,価格をある程度自由に左右することができる状態をもたらしたと認められるから,本件合意は,DS Lite用液晶モジュールの販売分野における競争を実質的に制限したということができる。
ウ 争点3について
 独占禁止法第2条第6項の「公共の利益に反して」とは,原則として,独占禁止法の直接の保護法益である自由競争経済秩序に反することを指し,現に行われた行為が形式的に不当な取引制限に該当する場合には,上記の保護法益と当該行為によって守られる利益とを比較衡量して,一般消費者の利益を確保すると共に,国民経済の民主的で健全な発達を促進するという同法の究極の目的(同法第1条参照)に実質的に反しないと認められる例外的な場合に限って,同法第2条第6項にいう不当な取引制限行為から除外する趣旨と解すべきである。
 本件は,被審人及び日立DPが,DS用液晶モジュール及びDS Lite用液晶モジュールの任天堂渡し価格について,一定の価格より下げない又は一定の価格を目途とする旨の合意をすることにより,各取引分野における競争を実質的に制限したものであるから,2社の行為が自由経済秩序に反するものであることは明らかである。
エ 争点4について
 1号事件に係る違反行為のような価格カルテルが行われやすい市場環境がこの違反行為終了後も継続していたこと,2社が1号事件に係る違反行為を取りやめたのは自発的意思に基づくものではなく,この違反行為終了後も違反行為を行う意欲が消滅していたとは認められないこと,被審人と日立DPとの情報交換は長期にわたって行われており,2社の間には協調的な関係が形成されていたと認められること,被審人は,独占禁止法の遵守に関する行動指針等を作成し,独占禁止法に関する研修を行っていたにもかかわらず,従業員が3号事件及び1号事件に係る違反行為を行ったのであって,これらの取組は不十分であったと認められること,被審人は,本件審判手続において,従業員間の情報交換の結果を実質的な価格決定権者が知らなかったこと等を理由に価格カルテルが行われたことを否認しており,被審人が,従業員も含めて全社的に独占禁止法違反行為の再発防止に取り組んでいるといえるか疑問の余地があること,以上の状況が認められ,これらを総合すれば,被審人によって,同様の違反行為が繰り返されるおそれがあると認められるから,被審人に対しては,特に排除措置を命ずる必要がある。
オ 争点5について
 NTR-2は,両面テープにより強度が高められたこと以外に通常のDS用液晶モジュールと異なるところはなく,通常のDS用液晶モジュールと同等の製品として取引されており,被審人と日立DPの間の合意の対象に含まれていたのであるから,日立DPが任天堂との間でNTR-2について価格交渉を開始することにより,被審人と日立DPの合意が終了したということはできない。

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問い合わせ先

問い合わせ先 公正取引委員会事務総局官房総務課審決訟務室
電話 03-3581-5478(直通)
ホームページ http://www.jftc.go.jp/

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