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(平成25年5月24日)株式会社高光建設ほか6社に対する課徴金の納付を命ずる審決等について

平成25年5月24日
公正取引委員会

 公正取引委員会は,被審人株式会社高光建設(以下「被審人高光建設」という。)ほか6社(以下「被審人ら」という。)に対し,平成23年3月7日,審判開始決定を行い,以後,審判官をして審判手続を行わせてきたところ,平成25年5月22日,被審人ら(一部を除く。)に対し,平成17年法律第35号による改正前の独占禁止法(以下「独占禁止法」という。)第54条の2第1項の規定に基づき,課徴金の納付を命ずる審決を行った(本件平成23年(判)第1号ないし第3号及び第7号,第4号,第5号並びに第6号審決書については,当委員会ホームページの「報道発表資料」及び「審決等データベース」参照。)。

1 被審人らの概要

別表のとおり

2 主文

(1) 別表の「事業者名」欄記載の被審人らは,それぞれ課徴金として同表の「課徴金額(万円)」欄記載の金額を平成25年7月23日までに国庫に納付しなければならない。
(2) 被審人樋下建設株式会社及び被審人菱和建設株式会社に対しては,課徴金の納付を命じない。

3 本件の経緯

平成22年
12月20日 課徴金納付命令
平成23年
3月7日 審判開始決定
5月18日 第1回審判

平成24年
4月10日 第6回審判(平成23年(判)第5号:審判手続終結)
7月19日 第7回審判(平成23年(判)第6号:審判手続終結)
7月26日 第7回審判(平成23年(判)第1号ないし第3号及び第7号:審判手続終結)
9月4日 第7回審判(平成23年(判)第4号:審判手続終結)
平成25年
2月4日までに 審決案送達
18日までに 審決案に対する異議の申立て
5月22日 課徴金の納付を命ずる審決(一部を除く。)

4 審決の概要

(1) 課徴金に係る違反行為の概要

 被審人らを含む105社(以下「105社」という。)は,遅くとも平成13年4月1日以降,岩手県が発注する建築一式工事(注)(以下「岩手県発注の特定建築工事」という。)について,受注価格の低落防止及び受注機会の均等化を図るため,共同して,受注予定者を決定し,受注予定者が受注できるようにすることにより,公共の利益に反して,同工事の取引分野における競争を実質的に制限していた(以下「本件違反行為」という。)。
 (注) 岩手県が条件付一般競争入札,受注希望型指名競争入札又は指名競争入札の方法により,同県が建築一式工事についてAの等級に格付している者のうち同県内に本店を置く者(これらの者のみを構成員とする特定共同企業体を含む。)のみを入札参加者として発注する建築一式工事をいう。

(2) 課徴金の計算の基礎となる事実及び課徴金額の算定

 被審人らの本件違反行為の実行期間は,独占禁止法第7条の2第1項の規定により,それぞれ平成13年10月26日から平成16年10月25日まで(ただし,被審人藤正建設株式会社は平成13年11月27日から平成16年11月26日まで)の3年間(以下「本件実行期間」という。)であり,本件実行期間における岩手県発注の特定建築工事に係る被審人らのうち,被審人樋下建設株式会社を除く被審人各社の売上額及び課徴金の額は,それぞれ別表の「売上額(円)」及び「課徴金額(万円)」欄記載のとおりである。

(3) 本件各事件の争点

ア 本件違反行為の不存在を主張し得るか。(争点1,平成23年(判)第1号ないし第3号及び第7号)
イ 本件各物件がそれぞれ独占禁止法第7条の2第1項の「当該役務」に該当するか。(争点2,各事件共通)
ウ 本件各物件のうち,実行期間内に契約が変更されて契約金額が増額されたもの(以下「本件増額物件」という。)について,その増額分も課徴金の算定の基礎に含まれるか。(争点3,平成23年(判)第1号ないし第3号及び第7号)
エ 消費税相当額も課徴金の算定の基礎に含まれるか。(争点4,平成23年(判)第1号ないし第3号及び第7号)

(4) 争点に対する判断の概要

ア 争点1について
 本件違反行為に関しては,公正取引委員会が,本案審決に係る審判手続において各被審人に主張立証の機会を与えた上で,本案審決においてその存在を認定している。したがって,本案審決を前提として行われる本件課徴金審判手続において,各被審人が重ねて本件違反行為の不存在を主張することは許されないと解するのが相当である。
イ 争点2について
 「当該役務」とは,本件のような入札談合の場合には,基本合意の対象とされた工事であって,基本合意に基づく受注調整等の結果,具体的な競争制限効果が発生するに至ったものをいうと解される。
 証拠により受注調整が認定される63物件について発注方法,工種,実施地域・時期等に偏りがないことなどから,本件違反行為に係る基本合意(以下「本件基本合意」という。)は,岩手県発注の特定建築工事の全物件(133物件)を対象とするものであったと推認される。岩手県発注の特定建築工事であって,違反行為者105社のいずれかが入札に参加して受注した工事については,特段の事情がない限り,本件基本合意に基づいて受注予定者が決定され,具体的な競争制限効果が発生したものと推認するのが相当である。
(ア) 平成23年(判)第1号ないし第3号及び第7号
a (a) 被審人高光建設が受注した物件のうち1物件,被審人株式会社匠建設が受注した物件のうち2物件及び被審人株式会社タカヤが受注した4物件(計7物件)については,証拠から,本件基本合意に基づく受注調整が行われ,それぞれ受注した上記各被審人が受注予定者に決定されて受注したものと認められ,これを覆すに足りる特段の事情を認めることはできない。
 (b) 被審人高光建設が受注した物件のうち1物件及び被審人株式会社匠建設が受注した物件のうち3物件(計4物件)については,本件基本合意に基づく受注調整が行われ,それぞれ受注した両被審人が受注予定者に決定されて受注したものと推認される。また,当該物件に対して,継続性,関連性等を有していたなど推認を強める事情が認められる一方,これを覆すに足りる特段の事情を認めることはできない。
(c) 前記(a)及び(b)の11物件のうち10物件については,アウトサイダーが1社ないし3社参加しているが,そのほとんどが競争的な行動をとっておらず,そのアウトサイダーの参加の状況によって,競争単位の減少による具体的な競争制限効果の発生を覆すに足りる特段の事情があるということはできない。
 したがって,上記11物件は当該役務に該当する。
b 被審人高光建設が受注した物件のうち2物件及び被審人樋下建設株式会社が受注した1物件(計3物件)については,本件基本合意に基づく受注調整が行われ,それぞれ受注した両被審人が受注予定者に決定されて受注したものと推認され,これを強める事情がみられる一方で,105社に含まれる入札参加者(以下「会員入札参加者」という。)が全員協力して受注予定者が落札するという本件基本合意の想定している状況とは異なる入札状況となっているから,上記推認を覆すに足りる特段の事情があり,具体的な競争制限効果が発生したとはいえず,上記3物件は当該役務に該当しない。
(イ) 平成23年(判)第4号
株式会社吉田組が受注した物件のうち1物件については,本件基本合意に基づき同社が受注予定者に決定されて受注したと推認され,これを強める事情が認められる一方,これを覆すに足りる特段の事情を認めることはできず,同物件は当該役務に該当する。
(ウ) 平成23年(判)第5号
被審人藤正建設株式会社が受注した1物件については,証拠から,本件基本合意に基づき同被審人が受注予定者に決定されて受注したと認められる。また,アウトサイダー2社が競争的な行動をとったことが認められるが,この程度の事情をもって,競争単位の減少による具体的な競争制限効果の発生を覆すに足りる特段の事情があるということはできず,同物件は当該役務に該当する。
(エ) 平成23年(判)第6号
被審人菱和建設株式会社が受注した物件のうち1物件については,本件基本合意に基づき同被審人が受注予定者に決定されて受注したと推認されるが,会員入札参加者が全員協力して受注予定者が落札するという本件基本合意の想定している状況とは異なる入札状況となっているから,上記推認を覆すに足りる特段の事情があり,具体的な競争制限効果が発生したとはいえず,同物件は当該役務に該当しない。
ウ 争点3について
 当該役務に該当する工事について実行期間内において契約金額が変更された場合には,違反行為の実行期間中の事業活動の結果を反映させることを図る独占禁止法施行令第6条の趣旨に照らし,変更後の契約金額をもって,契約により定められた対価の額に該当すると解するべきである。
そして,本件増額物件の契約の変更は,いずれも本件実行期間内にされたものであるから,本件増額物件に係る契約金額の増額分は,いずれも課徴金の算定の基礎となる売上額に含まれるべきものである。
エ 争点4について
 消費税相当額は,法的性質上,役務に対する対価の一部であり,独占禁止法施行令第6条にいう役務の「対価」に含まれると解するべきである。

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問い合わせ先

問い合わせ先 公正取引委員会事務総局官房総務課審決訟務室
電話 03-3581-5478(直通)
ホームページ http://www.jftc.go.jp/

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