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(平成25年10月18日)平成24年度公正取引委員会年次報告について

平成25年10月18日
公正取引委員会

 公正取引委員会は,独占禁止法第44条第1項の規定に基づき,内閣総理大臣を経由して,国会に対し,毎年,独占禁止法の施行状況等を報告しているところ,本日,平成24年度公正取引委員会年次報告を国会に提出した。その要旨は,以下のとおりである。

1 独占禁止法改正等

(1)独占禁止法の改正
 平成22年3月12日,公正取引委員会が行う審判制度の廃止等を主な内容とする,私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律案が第174回通常国会に提出された。同法律案は,同通常国会から第180回通常国会までの各国会において閉会中審査とされ,平成24年11月16日,第181回臨時国会において審査未了により廃案となった。
 平成25年5月24日,技術的修正が行われたほかは前記法律案と同じ内容の私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律案が第183回通常国会に提出された。同法律案は,同年6月26日,衆議院において閉会中審査とされた。

(2)消費税転嫁対策特別措置法の制定

 平成25年3月22日,消費税の転嫁を阻害する行為の是正,価格の表示並びに消費税の転嫁及び表示の方法の決定に係る共同行為に関する特別措置を主な内容とする,消費税の円滑かつ適正な転嫁の確保のための消費税の転嫁を阻害する行為の是正等に関する特別措置法案が第183回通常国会に提出された。同法律案は,同年6月5日に可決・成立し,同月12日に公布された(平成25年法律第41号。一部の規定を除き,同年10月1日から施行。)。

2 独占禁止法違反行為の積極的排除

(1) 平成24年度においては,特に,入札談合(官公需),受注調整(民需)及び価格カルテル並びに中小事業者に不当に不利益を与える優越的地位の濫用などの不公正な取引方法に対し,引き続き厳正かつ積極的に対応した。この結果,20件の排除措置命令を行ったほか,総額250億7644万円の課徴金の納付を命じた(第1図及び第2図参照)。

<平成24年度における法的措置事件>

入札談合(官公需)

国土交通省及び高知県が発注する一般土木工事等の入札談合事件

受注調整(民需)

EPSブロックの製造業者及び販売業者による受注調整事件
自動車メーカーが発注する自動車用部品の見積り合わせの参加業者による受注調整事件
自動車メーカーが発注するヘッドランプ及びリアコンビネーションランプの見積り合わせの参加業者による受注調整事件

価格カルテル

軸受(ベアリング)製造販売業者による価格カルテル事件

第1図 法的措置件数等の推移

第2図 課徴金額等の推移

(2)公正取引委員会は,国民生活に広範な影響を及ぼすと考えられる悪質かつ重大な事案等については,積極的に刑事処分を求めて告発を行うこととしている。平成24年度においては,軸受(ベアリング)製造販売業者による価格カルテル事件において,軸受製造販売業者3社及び個人7名を検事総長に告発した。

(3)平成24年度においては,170件の審判事件について慎重かつ効率的な審理を行った。この結果,13件について審決を行った。
(注)審判件数は,行政処分に対する審判請求ごとに付される事件番号の数である。

3 公正な取引慣行の推進

(1)優越的地位の濫用に対する取組

ア 平成24年度においては,優越的地位の濫用事案について,過去最高の57件の注意を行った。
イ 公正取引委員会は,独占禁止法上問題となる個別の違反行為に対し,厳正に対処しているほか,中小事業者の取引の公正化を図る必要が高い分野について,実態調査等を実施し,普及・啓発に努めている。平成24年度においては,「ホテル・旅館と納入業者との取引に関する実態調査報告書」(平成24年5月16日公表)及び「大規模小売業者等と納入業者との取引に関する実態調査報告書」(平成24年7月11日公表)を公表したほか,荷主と物流事業者との取引に関する書面調査及び大規模小売業者による買いたたき等の行為の緊急調査を実施した。
ウ 公正取引委員会は,過去に優越的地位の濫用規制に対する違反がみられた業種,各種の実態調査で問題がみられた業種等に関し,一層の法令遵守を促すことを目的とした業種別講習会を合計30回実施し,業種ごとの実態に即した分かりやすい具体例を用いること等により説明を行った。
エ 公正取引委員会は,「公取委による中小事業者のための移動相談会」を全国27か所で実施したほか,事業者団体が開催する研修会等に講師を派遣し,周知活動を実施した。

(2)不当廉売に対する取組

 平成24年度においては,不当廉売のおそれがあるとして,ビール類について3件及びレギュラーガソリンについて1件の警告を行った。また,酒類,石油製品,家庭用電気製品等の小売業者に対し,不当廉売につながるおそれがあるとして1,736件(酒類1,123件,石油製品426件,家庭用電気製品121件,その他66件)の事案について注意を行った。

(3)下請法違反行為の積極的排除

 下請取引の公正化及び下請事業者の利益保護を図るため,親事業者38,781名及びこれらと取引している下請事業者214,042名を対象に書面調査を行った。書面調査等の結果,下請法に基づき勧告を行ったものは16件(全て製造委託)(第3図参照),指導を行ったものは4,550件であった。
 平成24年度においては,下請事業者が被った不利益について,親事業者233名から,下請事業者9,821名に対し,下請代金の減額分の返還等,総額57億94万円相当の原状回復が行われた(第4図参照)。
 このうち,[1]下請代金の減額事件においては,親事業者120名から総額39億5548万円の減額分が下請事業者6,540名に返還され,[2]下請代金の支払遅延事件においては,親事業者98名から総額14億7296万円の遅延利息が下請事業者2,887名に支払われ,[3]返品事件においては,親事業者6名により総額1億6728万円相当の商品が下請事業者124名から引き取られ,[4]受領拒否事件においては,親事業者1名により8608万円相当の商品が下請事業者88名から受領され,[5]不当な経済上の利益の提供要請事件においては,親事業者8名から総額1912万円の利益提供分が下請事業者182名に返還された。

第3図 下請法の事件処理件数の推移

4 企業結合規制の的確な運用

 独占禁止法は,一定の取引分野における競争を実質的に制限することとなる会社の株式取得・所有,合併等を禁止している。公正取引委員会は,我が国における競争的な市場構造が確保されるよう,企業結合規制の的確な運用に努めており,平成24年度においては,次のような企業結合事案について,的確に処理するとともに,その内容を公表した。

<平成24年度における主な企業結合事案>
 ○ 株式会社東京証券取引所グループと株式会社大阪証券取引所の統合
 ○ 株式会社ヤマダ電機による株式会社ベスト電器の株式取得

5 競争環境の整備に向けた調査等

(1)競争環境の整備に向けた調査

 競争環境の整備に向けて,各種の調査を行った。

<平成24年度に調査又は公表した競争環境の整備に向けた調査報告書>
 ○ 「電力市場における競争の在り方について」(平成24年9月公表)
 ○ 「企業における独占禁止法コンプライアンスに関する取組状況について」(平成24年11月公表)
 ○ 「ガソリンの取引に関する調査について」(平成25年7月公表)

(2)競争評価に関する取組

 平成19年10月以後,各府省が規制の新設又は改廃を行おうとする際,原則として,規制の事前評価の実施が義務付けられ,その際,規制による競争状況への影響分析(競争評価)を行うこととされており,平成22年4月から試行的に実施されている。競争評価については,各府省は,規制等に関して,競争状況への影響・分析に関する競争評価チェックリストの記入を行い,評価書と共に総務省に提出し,総務省は競争評価チェックリストを公正取引委員会へ送付することとされている。平成24年度においては,総務省から42件の競争評価チェックリストを受領し,内容を精査した。

6 経済のグローバル化への対応

 近年,複数の国・地域の競争法に抵触する事案,複数の国・地域の競争当局が同時に審査を行う必要のある事案等が増加するなど,競争当局間の協力・連携の強化の必要性が高まっている。このような状況を踏まえ,公正取引委員会は,二国間独占禁止協力協定,経済連携協定等に基づき,外国競争当局との間で緊密な協力を行っているほか,ICN(国際競争ネットワーク),OECD(経済協力開発機構),APEC(アジア太平洋経済協力),UNCTAD(国連貿易開発会議)等といった多国間会議にも積極的に参加している。さらに,発展途上国の競争当局等に対し,職員の派遣や研修の実施等による技術支援活動を行っている。

<平成24年度における主な国際的な取組>
 ○ ICN第11回年次総会への参加(平成24年4月)
 ○ 企業結合審査に係る国際協力枠組みの運用
 ○ 東アジア競争政策トップ会合への参加(平成24年5月)
 ○ 競争当局間協議の開催(米国,EU,ハンガリー)
 ○ 競争政策に関する研修の実施(ベトナム,インドネシア,中国,フィリピン,マレーシア等)

7 競争政策の普及啓発に関する広報・広聴活動

 競争政策に関して,有識者から広く意見を聞くとともに,競争政策の一層の理解を求めること等を目的として,独占禁止政策協力委員から個別の意見聴取を行ったほか,独占禁止懇話会を開催した。また,全国各地において,公正取引委員会委員等と各地の有識者との懇談会及び地方事務所長等の事務総局職員と有識者との懇談会を開催した。
 前記以外の活動として,「一日公正取引委員会」,「消費者セミナー」を開催したほか,中学校,高等学校及び大学からの要請を受けて講師を派遣して経済活動における競争の役割等について授業を行う独占禁止法教室(出前授業)の開催など,学校教育等を通じた競争政策の普及に努めた。

<平成24年度における主な取組>
 ○ 独占禁止政策協力委員150名に対する意見聴取の実施
 ○ 独占禁止懇話会の開催(2回)
 ○ 地方有識者との懇談会の開催(旭川市,盛岡市,宇都宮市,さいたま市,津市,大阪市,広島市,高知市,福岡市及び那覇市)
 ○ その他の地方有識者との懇談会の開催(72回)
 ○ 一日公正取引委員会の開催(旭川市,盛岡市,甲府市,富山市,姫路市,岡山市,高知市及び熊本市)
 ○ 消費者セミナーの開催(50回)
 ○ 独占禁止法教室の開催(中学生向け41回,高校生向け14回,大学生向け57回)

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問い合わせ先

公正取引委員会事務総局官房総務課
電話 03-3581-3574(直通)
ホームページ http://www.jftc.go.jp/

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